柳田邦男氏の講演を聞きました~「何歳になっても前向きに生きること」

7月10日夜、長崎釈尊讃迎会(お釈迦様の会)主催で、柳田邦男氏(ノンフィクション作家・評論家、81歳)の講演「こころ豊かに生きるために」が長崎ブリックホールで開催され、出席しました。人間は肉体的には歳とともに衰えて死に向かいますが、柳田氏は、精神は死を迎えるまで成長し続け、「死後生」があると言います。残りの人生を充実させるために、常に「今を生きる」ことが大事だと言います。「病気や障害があっても働く」ではなく、「病気や障害があるからこそ働く」という「前向きに生きること」の重要性を改めて考える時間になりました。不発弾の爆発により両手を失い失明されても通信制大学で高校教師になった、藤野高明氏の実話「未来につなぐ命」を引用されていました。私が60歳になった時に、国際観光戦略研究所・木村慶一社長にお会いした際に、「60歳になりました。余生をゆったりと過ごしたい。」と言ったときに、「人生60歳からが面白いんだよ。ここからが本当にやりたいことができるんだよ。」と言われました。その言葉が、他の先輩方の言葉と併せて、私の行動の源泉になっています。私も「生き方」について講演を依頼されることがありますが、柳田氏に学ばないといけないと思いました。梅雨空を打ち払う位の、かけがえのない2時間となりました。

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生まれた村で聞く音楽の調べ~「西念寺の雅楽聴き入る梅雨の晴」「夏空や茅の樹昇る読経かな」

最近、私の郷里である三重県伊賀市島ヶ原の西念寺(天台宗)の永代法要に出席したことがあり、本堂には150人ほどの出席者が整然と座っています。その際に、雅楽「越天楽」の演奏が、徳島(阿波)のお寺の僧侶により行われました。雅楽は春日大社で行われた甥の結婚式の時以来で、普段余り聞くことがありません。笙(しょう)・篳篥(ひちりき)・龍笛(りゅうてき)などの楽器の解説の後、楽譜の説明があり、演奏が始まりました。「西念寺の雅楽聴き入る梅雨の晴」(原句:西念寺笙や篳篥梅雨払い)昔も今も、お寺は、地域の文化伝承や社会教育の場なのです。お寺の庭には、僕が子供の時から見上げていた茅の古木が程よい木陰を作っています。「夏空や茅の樹昇る読経かな」(原句:茅の木や読経高まる青い空)ご住職のお経を読む声が段々高まり、庭の茅の木を昇って天まで届くような勢いでした。ここには歴代のご先祖が心静かに今も生きていて、心が落ち着く、僕の好きな空間です。その後立派なお弁当を皆でいただく食事会があり、すがすがしい気持ちになってお寺を後にしました(画像は「越殿楽」の楽譜。楽器ごとに縦に演奏していく。どこか暗号のような。)。

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長崎の季節はいつの間にか梅雨から夏へ~「大村の海銀漢をひと呑みに」「夏の月床にまあるく褥(しとね)かな」

7月1日、長崎から佐世保の長崎県立大学に向かう途上、大村・東彼杵・千綿を通過するときに、雄大な大村湾を背にした田園風景が日の光を浴びてまぶしく見えました。昨日までは梅雨、今日からは一気に暑くなり夏が来ました。七夕も近いです。「大村の海銀漢をひと呑みに」「天の川吞み込んでいる大村湾」世界最大級の閉鎖性水域で波静かな大村湾が、降り注ぐ満天の星を受け止め、大きな口を開けて呑み込んでるように感じました。人間は雄大な風景を目にすると、発想が一気に広がります。エジプトの天文学者もこの光景を目にしたら、感動したでしょう。日常が小さく見えます。「夏の月床にまあるく褥(しとね)かな」部屋のベッドに寝転んでいると夜半の月が床に明るく映っているように見えます。夢とうつつの間に幻想的な月の光が部屋に注ぎ込む、ああもう夏が来たのかと感じる日常です。「紫陽花に風起こり部屋抜けていく」梅雨の最後、蒸し暑いので窓を開け放つと、部屋の前の紫陽花(長崎を代表する花)を通り抜けた風が涼しく感じられます。大自然と小さな自然、非日常と日常の両方を人間は取り上げたくなります。

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井伊直虎(なおとら)が教えるもの~公(おおやけ)に尽くす「ファミリーの存続」という経営戦略

現在、NHK大河ドラマで、井伊直虎の物語が放映されています。「井伊家伝記」を原典とする感動のストーリーが展開されていて、私のような経営戦略家・地域経営専門家としても、大変教訓に満ちた歴史的事実だと思います。井伊家の歴史の最初の部分は、今川家の支配下、小野家を通じた管理が行われ、讒言(ざんげん)もあり、直満・直義が自害、直親までもが謀殺され、直平も毒殺され、当時家を後継できる男子がいなくなり、最後の砦として龍潭寺に出家していた直虎(次郎法師)が女性として、1565年女地頭となるのです。この後、直虎は1569年の今川家が滅亡に至る前に、情報収集により、徳川家に接近し、直親の子供直政を育てあげ、直政が1575年、家康の小姓に取り立てられます。直政は家康の側近として活躍し、1602年、42歳の若さで亡くなりますが、1604年井伊家は彦根に転封され、直勝が彦根城を築城し、大老・井伊直弼(なおすけ)に至る井伊家繁栄の基礎を作ります。井伊直虎が女性でありながら、家を守り、繁栄に導いたことは、結果として「ファミリーの存続」という経営戦略を実行したことになります。井伊直弼は、幕末、日本のために開国を進め、「桜田門外の変」で暗殺されます。これこそ、直虎・直政から続く、「公に尽くす」という使命感に裏付けられた日本人としての生き方で、260年にもわたる井伊家の経営戦略だったのではないかと思います。

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東京イトーキコンベンションを視察~仕事の効率化を促すオフィス。佐々木常夫氏の「働き方改革」講演も。

6月22日午後、東京・京橋イトーキ・イノベーションセンターで行われた「SYNQAプレミアムセミナー」に参加しました。1時間ほど、「働き方改革」に通じる、効率的・快適なオフィス環境のラボ(実証実験)を拝見しました。個人で集中して作業する空間・チームデイスカッションで共同して知恵を出す空間と大きく分かれます。14時から、佐々木常夫氏の「個人も組織も成長するための働き方改革」と題した講演で、タイムマネジメント(生産性向上)はすべての基本、ワークライフバランスを実現する仕事術、ワークライフバランスに成功した企業の例、自分と人を活かすマネジメント、実践七つの習慣など、20-40歳台の若い方々に向けて、東レ及び東レ経営研究所社長時代など自分の経験を中心に語っていただきました。同氏は、奥さんのうつ病、長男の自閉症など、私が経験していない苦悩を抱え、限られた時間で働かなければならなかった環境下で編み出したノウハウという側面もあると思いました。私も同様の講演を全国で依頼されることがありますが、佐々木氏ならではの言葉も沢山あります。「強くなければ仕事はできない、優しくなければ幸せにはなれない」「戦略的計画立案は仕事を半減させる」「プアなイノベーションより優れたイミテーション」私にはとても言えない内容もありました(笑)。若者にとっても、ベテランにとっても有意義な講演だったと思います。

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飛行機で読んだ一冊⑪~「本物の大富豪が教える金持ちになるための全て」

6月20日夜、長崎から東京に移動する便で読んだ一冊が、フェリックス・デニス著「本物の大富豪が教える金持ちになるための全て」でした。ブログでこの種の書籍を紹介することは、躊躇われるのですが、数多ある啓発本と全く異なり、この本は、自らの経営者として、投資家としての経験を、成功だけでなく失敗も率直に自己分析して書いてあるので、大いに参考になります。普通は、最も重要なことは、書きません。私自身、このブログでも過去6年間にわたって取り上げてきた通り、20歳台のころから多くの成功した経営者や投資家と何度も会って、様々な教訓を得てきましたが、各人の置かれた状況や事業分野は異なるものの、成功者には共通点があります。「死の床に就き、金持ちになる秘策を短い時間で伝えなくならなくなったら、私は、次のように言うだろう。①秘訣の半分は「所有」すること。②残りの半分は抜きんでた仕事をすること。」(p.245)著者のフェリックス・デニス氏はイギリスを代表するメデイア王・出版王ですが、①に関して同氏が最も重視するのは、事業でも株式でも1%でも多くの所有をすることであるといいます。②に関して、「抜きんでた仕事」をすることの意味は、(ア)良い人材が集まること、(ィ)間違いが減ること、(ウ)資産や事業の価値が高まること、(ウ)そのほうが楽しいこと、と言います。つまり「量と質」の両方を求めているのです。成功を目指す多くの日本の若者や経営者の皆さんに、「真実の言葉」を読み取っていただきたいと思います。

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小池都知事への報告書手交に出席~知事の言葉「築地のブランドは大切にしていきたい」

6月13日午後2時40分、都庁第一本庁舎7階の記者会見室に小池知事が黒い洋服をまとって現れ、小島座長の隣に立たれました。小島座長から、報告書を受け取られ、私以外に梶田・佐藤・森高の各専門委員が並び、山のごとくいろんな高さでカメラを構えた記者からのフラッシュを3回、浴びました。テレビのスタジオでの照明に慣れている私も、余りのまぶしさに、しばらく、小池知事のお顔がよく見えなかったほどです。今日の報告書手交は、数ある私の経験の中で、CMEのレオ・メラメド会長や松下電器産業(パナソニック)の故松下幸之助氏やアリババ・ドットコムのジャック・マー会長にお会いした時と同様、生涯忘れられない思い出となると思います。
思えば、昨年9月29日の市場問題PT第一回会議で初顔合わせをして以来10か月半が経過し、この間に10回の公式(公開)会議が開催され、豊洲移転の可否・築地市場改修の可能性・豊洲と築地両市場の将来像などが幅広く議論されてきました。やっと報告書を小島座長中心にPTとしてまとめてほっとしています。

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紫陽花のLINE吟行~「シーボルトおたきの悲恋の濃紫陽花」「紫陽花や子ども育ちしマリア園」

6月11日に俳句の先生や仲間と、「紫陽花(あじさい)」をお題にして、LINEグループ上で吟行を行いました。句数は2句。紫陽花と言えば、長崎のシーボルトとお滝さんの悲恋の物語です。原句は、「外国船シーボルトも見た紫陽花や」。国際観光船から降り立つ外国人も、昔のシーボルトのように、長崎の紫陽花を眺めたのでしょうか。ただ、この句では、外国船・シーボルト・紫陽花と材料が三つもあって多すぎます。「紫陽花や子ども育ちしマリア園」長崎の南山手にあるマリア園は、全国から子供が集まる児童養護施設(乳児院)で、様々な境遇の子供の成長を見守るように、紫陽花が青や黄の花を咲かせています。親はどんな気持ちで子供をマリア園に連れて来たかと思うと紫陽花の淡い色が涙にすら見えるのです。でも、子供たちには、新しい人生があります。礼拝堂のマリア像に見守られながら、子供たちはこの施設から巣立っていきます。

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「生涯活躍の街を訪ねて~兵庫県三木市の例」(NBCラジオ「おはようコラム」2017.6.9)

5月下旬、兵庫県三木市の「生涯活躍の街」緑が丘地区センターを訪問し、職員の方から、お話をお伺いしました。「生涯活躍の街」とは、内閣府が進めている政策で、東京圏等を始めとする大都市地域の中高年齢者が希望に応じ、地方や「街なか」に移り住み、多世代の地域住民と交流しながら、健康でアクテイブな生活を送り、必要に応じて医療・介護を受けることができるような地域づくりのことです。全国で10か所指定されており、近畿地方では三木市のみです。
三木市緑が丘地区は、昭和45年ころに大和ハウスが中心となって造成された神戸市のベッドタウンで、平成27年人口が8万人、高齢化率が30%ですが、平成72年には、人口が半分の4万人、高齢化率が45%と、急速に人口減少・高齢化が進むと推計されている街です。
三木市の「生涯活躍の街」構想の要点は、①戸建て住宅団地の再生、②住み替えや移住の促進、③高齢者の生活支援、④鉄道(神戸電鉄)を維持、の4点です。また、三木市では、「郊外型住宅団地ライフスタイル研究会」を立ち上げて、産官学協働で生活の利便性を向上させるサービスを研究しています。研究会のメンバーは、関西学院大学・関西国際大学・大和ハウス・コープこうべ・神戸電鉄・神姫バス等です。
長崎県内でも、壱岐市・西海市で「生涯活躍の街」構想が進められています。長崎県も、都市近郊・離島・農山村地域それぞれで高齢化が進んでおり、まだまだ「生涯活躍の街」が必要だと思います。

(このブログは、NBCラジオが聞けない地域の方々からのご要望があるため、概要を掲載させていただいております。)

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雲と海の世界~「入梅や女神大橋雲垂れり」「雲海を割って都庁に降り立ちぬ」「海を割り燕飛び立つ豊洲かな」

6月5日の都庁市場問題プロジェクトチーム会議が終わり、長崎の大波止に帰ってくるといつもの長崎港が待ち受けてくれていました。梅雨に入り、長崎港の入り口にそびえる女神大橋に雲がかかったり晴れたりを繰り返しています。「入梅や女神大橋雲垂れり」。この季節は、全国的に梅雨空で、空からの景色も雲と海だけになります。飛行機で長崎と東京の行き来は雲を跨ぐように、2時間の空の散歩の世界。「雲海を割って都庁に降り立ちぬ」。豊洲・築地市場問題は、僕なりに一つの方向性を出せたと思います。まるで、モーゼの「十戒」(旧約聖書・「出エジプト記」)のように、人類を救うために、神様が海を左右に割って大きな道を用意してくれたかのような壮大な気分になりました。「海を割り燕飛び立つ豊洲かな」。本当は「カモメ」と言いたいところですが、カモメは季語にはなりません。豊洲が俊敏な燕のように高く舞い上がり、発展する将来像が見えています。

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