新年に思う~長い人生を、学びながらどう生きるか?

正月、母を施設に訪問した際、私にポツリと「100歳まで生きるかも知れない」と言いました。長生きすることは素晴らしいことです。それだけ多くの経験をし、歴史を見届けることができます。父母の時代には、18歳か、22歳から60歳まで働いて、あとは定年後の生活を趣味や旅行などで地域社会で楽しむ、というライフスタイルが多かったと思います。今は、サラリーマンでも定年が実質65歳まで延長されてきていますが、18歳または22歳から60歳までの人生が第一期、60歳から75歳までの第二期、75歳から死ぬまでの第三期に分けられると思います。健康寿命が延びてくると、将来的には、第三期が75歳から90歳までとなり、第四期が90歳から100歳までとなるかもしれません。高齢者にとっての関心事は、「健康」と「お金」と「人間関係」だと思います。健康でなければ人生を満喫できませんが、健康であっても、働かなくても食べていけるだけの年金収入や、不労所得がないと、本当に楽しむことは難しいかも知れません。年金収入を補完するために、証券運用や、不動産運用が話題にあがるのもやむを得ないことだと思います。

また、健康とお金があっても、それだけでは、楽しい人生とは言えず、家族や地域社会や友達・仲間がいないと寂しい人生と言わざるを得ません。ある著名な医師が、私にこう言いました。「中国でも日本でも、富裕層になればなるほど、入院しても、高齢者施設にも、家族が施設に来ない傾向がある。」お金があっても、施設で寂しく死んでいくのは、悲しいことだと考えるのは、私だけでしょうか?

さて、60-70歳くらいまでの年齢層にとって、これから訪れる、長寿命化社会を生き抜くためには、一部の資産家層を除き、あるいは、資産家層であっても、自分の価値を高めていって、できるだけ長く、社会的活動をすることが必要になると思います。私は、仕事でも、社会貢献活動でも、「死ぬ間際まで、活動していること」が理想だと考えてきました。ただ、何らかの活動を続けていくためには、無理のない範囲で、常に新しい知識・情報・ノウハウを入れて、活かしていかなければなりません。「知識・情報・ノウハウ習得(インプット)→実行・経験(アウトプット)→さらなるインプット→」という循環を続けていかざるを得ません。例えば、経営コンサルタントや、資産運用コンサルタントであったとしても、今後、ICTやAIの知識は不可欠になるでしょう。また、過去の知識・ノウハウのブラッシュアップも歳とともに必要になると思います。この点で、自己啓発は、若者だけの課題ではなく、高齢者にとっても大きな課題となります。若者にとって、自己啓発は、「よりよい収入・地位・成功のために」行うのですが、高齢者にとっての自己啓発は、「より充実した生活をいつまでも送るために」行うと思います。

こう考えていくと、生涯学び続けるためには、健康であるだけでなく、一定のお金(学ぶための費用)も、人間関係(ともに学ぶ仲間・周囲の理解)も必要になってくることがわかります。そして、人間は死ぬまで、「学ぶ」という行為から逃れることができないのではないかと考えます(学ぶことを放棄しない限り)。大学や企業だけでなく、地域社会もこのような場を提供していくことが必要になるかも知れません。ここに、経営のヒントがあります。

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