新年に思う~資本主義から成長主義へ

新年の初めにあたり、日本が成長しづけるためには、「成長主義」への転換を図ることが望ましいと思います。日本で少子・高齢化が言われて久しいですが、実際に成熟経済になり、戦後日本の経済を牽引してきた、電機・自動車・金融(特に銀行)が業態転換を迫られています。例えば、自動車産業は、ガソリン車やデイーゼル車ではなく、EVへとエネルギー源が変わると同時に、AI導入で自動運転車に変わると、車は電子製品に近づき、自動車産業は先端的電子産業になります。このような変化は、20年も前から予想されてきましたが、先進国では、アメリカや中国の動きは、FANGや5Gの準備状況を見ても、急速に進められています。日本では、戦後3回目のロボット・AI(人工知能)導入は、現実のものとなっており、創業・ベンチャーもやっと本格化してきました。資本主義のいい面が出てきました。すでに経営基盤を確立している大企業も、先見性をもって成長力を高める、あるいは経営多角化のためにも、創業・ベンチャー企業を買収等しようとすると思います。技術・経営の「イノベーション」が日本の発展に不可欠ですが、そのためにも、「成長主義」への発想の転換を進めていくことだと思います。その前提として、創業・ベンチャー企業等に対して、金融の革新と円滑化・人材の導入が必要だと思います。今は、景気がいい状態が続いていますが、景気後退とともにこれらの企業が消えていった過去の経験を繰り返さないためにも重要です。

次に、大都市と地方の産業構造ですが、大都市は若年人口が増加し、情報集積が進んでいます。地方と比べると、イノベーションを進めやすい環境にあることは否定できません。では、地方はどうすれば成長軌道を作れるのでしょうか?そのためには、地域資源(市場・資材・人材・情報)を活かせるビジネス(農業・水産業・海洋再生可能エネルギー等)を起こし、人材を呼び込めるだけの一定以上の収益性を継続することだと思います。そして、市場は、地元にとどまる必要はなく、日本全国や世界であっていいのです。地方にも、世界的なマーケットシェアを誇る多くのバイオ・ハイテク企業が存在しています。課題は金融で、創業間もないころの公的金融・補助金・信用補完、成長期のベンチャーキャピタルやメザニン金融等、地方には乏しい金融手段の充実が必要になります。20年前に産業政策を排した全国とは異なり、地方には一定の「産業政策」が必要だと思います。

私は、1995年前後から、ベンチャー・創業企業の経営指導をさせていただいてきました。ネットによる新しいビジネスモデル企業、顧客志向の建設業等、企業と一緒に自分も成長してきたと思います。その背景には、25歳以降、シカゴ・ニューヨーク・シアトルで経験したアメリカ企業とのビジネスや情報収集があったと思います。例えば、25年前にアメリカを調査した、信用度スコアリングと金融の証券化は、住宅ローン・消費者金融のスコアリングや、それをベースとした証券化、REIT(不動産投資信託)は、日本でも日常業務となっています。そして、何よりもアメリカから学んだことは、「チャレンジする」こと、「イノベーションが価値あることだ」ということだったのかも知れません。

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