井伊直虎(なおとら)が教えるもの~公(おおやけ)に尽くす「ファミリーの存続」という経営戦略

現在、NHK大河ドラマで、井伊直虎の物語が放映されています。「井伊家伝記」を原典とする感動のストーリーが展開されていて、私のような経営戦略家・地域経営専門家としても、大変教訓に満ちた歴史的事実だと思います。井伊家の歴史の最初の部分は、今川家の支配下、小野家を通じた管理が行われ、讒言(ざんげん)もあり、直満・直義が自害、直親までもが謀殺され、直平も毒殺され、当時家を後継できる男子がいなくなり、最後の砦として龍潭寺に出家していた直虎(次郎法師)が女性として、1565年女地頭となるのです。この後、直虎は1569年の今川家が滅亡に至る前に、情報収集により、徳川家に接近し、直親の子供直政を育てあげ、直政が1575年、家康の小姓に取り立てられます。直政は家康の側近として活躍し、1602年、42歳の若さで亡くなりますが、1604年井伊家は彦根に転封され、直勝が彦根城を築城し、大老・井伊直弼(なおすけ)に至る井伊家繁栄の基礎を作ります。井伊直虎が女性でありながら、家を守り、繁栄に導いたことは、結果として「ファミリーの存続」という経営戦略を実行したことになります。井伊直弼は、幕末、日本のために開国を進め、「桜田門外の変」で暗殺されます。これこそ、直虎・直政から続く、「公に尽くす」という使命感に裏付けられた日本人としての生き方で、260年にもわたる井伊家の経営戦略だったのではないかと思います。

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