大分県中津市の一日~耶馬渓と中津城の桜「つつじ浮く青の洞門足すくむ」

4月1日、大分県中津市に行きました。日田市から耶馬渓に入り、青の洞門を見学(画像)。山あいでまだ寒く、禅海和尚が掘ったとされる大岩の周りに山桜の白い花とつつじの紫が対照的でした。「つつじ浮く青の洞門足すくむ」それから中津市に入り、奥平家の居城であった中津城の桜がちらほら咲いていました。奥平家第11代昌高は、日本の蘭学の発展に貢献したことでも知られています。「中津城花見の宴の早々と」中津市から山国町に清流の川沿いを移動する際に、谷合の麦畑で麦がきれいに生えそろっていて鮮やかに光っていました。「麦青む坊主頭の畑かな」中津で最も印象的だったのは、福澤諭吉旧居と福澤記念館でした。福澤諭吉は決して裕福な家庭に育ったのではないが、中津藩士から旗本になり、政治ではなく教育に注力し、慶應大学はもちろん、専修大学・一橋大学・北里研究所の創設にも尽力した近代教育の祖であると思いました。その起爆剤となったのが、三度にわたる洋行で、科学技術だけでなく外国の政治経済の実態を見て、オランダ語から英語への転換を図ったことが、その後の日本の外国語教育に大きな影響を与えたのではないかと感じました。

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長崎県立大学編集の本の書評~「創る×まち 育てる×ひとー地域創造と大学」

3月31日、東京の日本離島センターからの依頼で私が書評(画像)を執筆した「季刊しまNo.249ー島の教育と地域づくりⅢ」を送っていただきました。本とは、長崎県立大学編集委員会編「創る×まち 育てる×ひとー地域創造と大学」です。書評の中で、「大学ならではの学術的・教育的な観点から新規性」を三点指摘させていただきました。第一に「しまに学ぶ、しまと結ぶーCOC(Center of Community)での学生の学び」、第二に「長崎県農業の生産額の増加」を発見させる教育、第三に「長崎市・佐世保市のこれまでと未来ー産業特性から見た都市構造の変遷」です。また。県内各市町の8事例が紹介されており、その中で、焼き物の里・波佐見町での15年以上にわたる官民の協働が、波佐見焼の再興や企業誘致(キャノン)、温泉の復活、ホテルとレストランの開設に結実したことを取り上げさせていただきました。私も「朝飯(ちょうはん)会」に出席し、地域づくりについて児玉さん・深沢さんたちと議論したころが懐かしく思い出されます。地元の方々が意識を持ち続け行動することで、地域は大きく発展します。書評の最後を次の言葉で締めくくっています。「大学の使命ー研究と教育を、次世代育成に活かす地域創造に期待したい。」

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飛行機で読んだ一冊⑨「金子兜太の俳句入門」~上野の桜は一分咲き

3月29日長崎から羽田に向かう早朝便で読んだのが、金子兜太「俳句入門」でした。1919年生まれで元日銀マンの著名な俳人ですが(1958年長崎支店に勤務しています)、作句の基本を学習するには、最高の本だと思います。韻文と散文の違い、切れ字・二物衝撃・短さと強さなど、実際に使える内容です。このブログ登場いただいている大分県中津市の私の俳句の大先生から勧められていましたが、やっとゆっくり読むことができました。3/29の夕暮れ時、上野の東天紅で食事をするために、上野の池の周りを通り過ぎているときに、まだ一分咲きくらいの桜を発見しました。最初に作ったのが「花つぼみ夕闇迫る上野池」でしたが、単なる説明かと思い、「ビル影に夕闇迫る花つぼみ」に変えて、大先生に送ったところ、「花固しビルの高さに闇が来る」と変えて送っていただきました。今年のような気候を「春寒」ということや、夕闇が迫れば当然に影ができるから「ビル影」が説明になっていることなど、コメントをいただきました。また、最初の句は「三句切れ」になってるので、「花は蕾夕闇迫る上野池」に修正していただきました。助詞「は」の一文字が入るだけで意味や趣が大きく異なります。僕は、散文の世界に育って、「長崎の池上彰」を目指していますが(笑)、韻文である俳句って本当に難しいですね(画像は、長崎の八坂神社の桜2013.3.30撮影)。http://kikumoriatsufumi.com/wordpress/wp-admin/media-upload.php?post_id=5941&type=image&TB_iframe=1

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東京都庁市場問題プロジェクトチーム会議第7回会議に出席~豊洲市場における液状化対策について

3月29日午後2時から4時半まで、東京都庁市場問題プロジェクトチーム会議第7回会議が、マスコミ公開の下で開催され、専門委員として出席させていただきました。今回のテーマは「豊洲市場における液状化対策について」でした。私の方からは、「豊洲市場の敷地内について、液状化対策が行われているが、首都直下型地震が起こった場合に、市場機能を守るための周辺地域からのアクセスを含めた地震対策・事業継続計画(BCP=Business Continuing Plan)をどこまで検討しているのかを質問させていただきました。その後、小島座長から、「市場問題PTのとりまとめに向けた課題と今後の検討スケジュールについて」が説明され、その中で、築地市場改修案が座長私案として説明されました。改修工事のみで500億円、衛生管理・コールドチェーン等にグレードアップを含めた場合800億円の工事費用が検討案として示され、豊洲移転案と併せて両方の案を今後検討することになります(画像は、日経新聞3/30朝刊社会面記事)。http://kikumoriatsufumi.com/wordpress/wp-admin/media-upload.php?post_id=5937&type=image&TB_iframe=1

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英語教育を考える~長崎県だからこそ理想の英語教育ができるという話をさせていただきました

最近、高校教育に関する委員会で、英語教育についてお話する機会があり、恥ずかしながら私の高校での英語教育体験・留学時代の体験をお話させていただきました。私は奈良市の公立中学を卒業後、大阪教育大学付属高校に入学しました。幼稚園から高校まで一貫教育が行われている高校(実験校)で、高校から入ると、英語のレベルが全く異なり、ショックを受けたのです。それは、入学試験で求められる読み書きの能力ではなく、ヒアリングや話す能力でした。中学・高校一貫教育をするメリットは、特に数学と英語に現れます。私は、数学は大好きで得意でしたが、英語は大の苦手でした。生徒数が少ない高校では、英語の特別教育を行い、全国から生徒に来てもらうことが可能です。もう一つはアメリカに留学した時の経験です。学校教育や普段の生活など「英語を使わざるを得ない環境」に追い込まれれば、3か月もたてば、聞き取り・会話などはすぐにできるようになります。「英語で考える」(英語で論理を組み立て、表現できる)ことができ、日本語で考えて英語に翻訳しなくてもよくなります。生徒数が少ない高校では、合宿などを通じて、英語しか使えない環境を作ることが可能です。私は、プログラムの作り方次第では、長崎県の離島・過疎地の高校で、質の高い英語教育を実現できると考えています(画像は25歳でシカゴに留学していた時のもの)。http://kikumoriatsufumi.com/wordpress/wp-admin/media-upload.php?post_id=5930&type=image&TB_iframe=1

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KTNリポート「番組審議会便り」に出演~骨肉腫の高校生を扱った「笑って進むよ」ほか重いテーマの3番組の審議結果を報告

3月26日早朝、3/23に収録したKTNテレビ長崎「番組審議会便り」が放映されました。今回は、「変わる長崎の街のカタチ」「小説『沈黙』の旅~遠藤周作と長崎~」「笑って進むよ」の3番組で、いずれも重いテーマです。地方の民放がここまで重いテーマを扱うのは珍しいと思います。最後に司会者から「最近のテレビをご覧になられて感じることやご要望がありましたら一言お願いします。」と聞かれて、今回の審議番組の一つ、がん患者の高校生「夢華さん」の明るい姿を描いた「笑って進むよ」に触れて、次の言葉で締めくくりました。

今回の「笑って進むよ」のような番組は、がんなどの病気を克服しようとする人に勇気を与えると思います。どんな人でも、がんにならないとは言い切れない。そんな場合に、明るい「心の持ち方」がその人自身を救うことになりますが、同時に、周りの人が正しい理解をして、明るく前を向いて歩く人に温かいまなざしを向けて、チャンスを与え、協力することが、結局、助ける人をも救うことになります。そんな「助け合う」社会を作るための番組がほしいと思います。

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「佐世保・北松の近代化産業革命遺産調査研究」報告書を完成させました~「保存と活用」がテーマ

3月25日、長崎県学術文化研究費補助金対象事業「佐世保・北松の近代化産業革命遺産調査研究」報告書を完成させました。本研究は、長崎近代化遺産研究会の菊森・原田・宮川が中心となって、佐世保・北松の炭坑・鉄道・橋梁を中心とする近代化産業革命遺産を研究したもので、特に鉄道に着目し、旧世知原(せちばる)線・旧臼ノ浦(うすのうら)線・旧柚木(ゆのき)線の3線を中心とし、炭坑開発・石炭積み出し港までの輸送経路・沿線の関連近代化遺産を整理しました。その結果を踏まえて、世知原線・臼ノ浦線沿線の観光開発を提案しています。佐世保市は、日本遺産「鎮守府(ちんじゅふ)」に認定され、本研究は、その構成資産27件の一つ、「松浦鉄道㈱鉄道施設群」に密接に関連しています。佐世保は、長崎と同じ産業革命遺産であっても、明治以降の富国強兵政策に沿った軍港整備により、急速に発展した経緯があります。本研究は、県への提出を経て公表したいと思います(画像は、佐々川にかかっていた旧臼ノ浦線の鉄橋跡)。http://kikumoriatsufumi.com/wordpress/wp-admin/media-upload.php?post_id=5920&type=image&TB_iframe=1

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i-ConstructionのTOTAL MASTERS玉里社長が長崎に来てくれました~建設分野のロボット技術

3月25日早朝、いつものようにPCのメールをチェックすると、TOTAL MASTERSの玉里芳直社長(30歳代後半)から「ドイツのハノーバーで行われたCeBIT(日独共同開催の展示会で、コンピュータ部品の見本市)から福岡着で戻ったから長崎に行きます。」とのメールが昨晩20時半頃入っていて、安倍首相他と会っている画像が添付してありました。CeBIT2017は3/20-24開催されました。「今からだとほとんど会えない」とは思いつつ、「今日は長崎にいるからいつでもどうぞ」と返信しておいたら、9時半頃、長崎市大波止の事務所に突然お越しいただき驚きました。昨晩は長崎に泊まったと言っておられました。TOTAL MASTERSは、三重県桑名市の企業で、土木・建設業界で労働者不足を補い、生産性向上・省人化を実現するために、ロボット・IoT技術を用いてi-Constructionをゼネコン等に提供する企業で、経済産業省からも注目されています。2月25日に学会理事会で東洋大学の久留島先生から紹介されお会いしたのが初めてでした。今日は、1時間くらいしかお話できませんでしたが、ドローンやロボットを建設現場に活用するという若い経営者の発想と、年の半分は海外にいるという行動力に驚かされました(画像は玉里社長と)。http://kikumoriatsufumi.com/wordpress/wp-admin/media-upload.php?post_id=5915&type=image&TB_iframe=1

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「長崎市中央部・臨海地域」都市再生委員会出席~長崎を大きく変えるプロジェクト

3月24日午後、長崎県・長崎市共同による、「長崎市中央部・臨海地域」都市再生委員会がマスコミ・傍聴者公開の下で開催され、委員長に選任されました。長崎市中央部・臨海地域には、長崎駅周辺エリア、松枝周辺エリア、まちなかエリア(新大工・浜町・銅座)、中央エリア(出島復元・新長崎市庁舎・県庁舎跡地)といった、今後の長崎の街を大きく変える再開発等のプロジェクトが含まれています。委員からは、①新幹線開業により観光客がどの程度増えるか、②新幹線・在来線で長崎に着いた観光客が、バス・路面電車にどうアクセスするか、③エリア間の回遊をどう進めるか、など多岐にわたる質問が活発に出されました。交通面や人の動線検討に課題が残るとはいえ、巨大な開発計画のほとんどを一挙に説明していただき、大変有意義な委員会でした。

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黒川紀章氏との思い出~建築界の巨人の言葉を振り返る

3月19日、建築家の故黒川紀章氏のことを私が書いたコラムが見つかりました(全国理容総合研究所HP)。長崎県壱岐市「一支国(いきこく)博物館」の設計が彼の遺作となりました。長崎県壱岐から、福岡港・ハイヤー・福岡空港・全日空ジャンボ機最先端の席・羽田空港まで、ご一緒した際に、延々と黒川先生が私に語ってくれた時の思い出です。2007年10月に亡くなられましたが、建築界・都市設計界での業績とともに、世界観・教育観には、学ぶべきものが多いと思い、以下に再掲させていただきます。

黒川紀章さんとの出会い
4月26日、私は初めて日本を代表する建築家黒川紀章さんとじっくり話をする機会を得ました。私は、長崎県壱岐で行われた、原の辻遺跡の委員会で、コーデイネーターを務め、委員の一人として、長崎が好きな黒川さんを県が呼んだのです。彼は世界的な建築家で、マレーシアの国家顧問になるなど、建築のみならず政治や経済のあり方にも興味を持たれる、幅の広い人です。考えてみれば、超多忙な黒川さんが、長崎の離島で開かれる委員会に出席してくれるなど、想像もつかないことです。彼は、原の辻遺跡という、奈良県の明日香にも匹敵し、わが国でも例を見ない「弥生時代の国際交流センター」に興味を持ち、これをどう守り育てるかに関心があったのです。壱岐は「魏志倭人伝」に出てくる「一支国(いきこく)」で、東アジアとの交流が盛んに行われ、古代へのロマンを感じさせる島です。 壱岐での委員会が終わり、全日空で東京まで同行する間に、色々な話をすることが出来ました。日本は再生できるのだろうかとの質問をした際、彼は、「内部の論理が強過ぎて、外の意見に耳を傾けない日本は、自らの力では改革できない。もう私の生きている間には変革することは出来ないだろう。あなたの年代に期待したい。」と言われました。「日本は本当に人材を大切にし、ハイテク化を図ろうとしているのか、疑問に思うことがある。日本では、経済産業省も文部科学省もIT(情報技術)とバイオは分離して考える傾向にあるが、アジアやアメリカでは、ITは遺伝子構造の解明を通じてバイオと密接に関わっている。これが何故理解されないのか。」「国の教育審議会の委員になり、大学を改革するにはどうしたら良いかとの議論はするが、大学関係者当事者が決めるために、自分たちが不利になることはやらない。例えば、大学の先生の半分は英語が自由に話せる人や、外人を登用すべきであると唱えたが、未だに外人の教授は極めて少ない。このため、大学は最も怠慢な社会になっている。」「日本は戦略的な考え方のできない国だ。国も地域も企業もコンセプト(全体を導く方向性や戦略)作りなしには発展できないのにも拘わらず、取捨選択して、一定の方向性を出すというリスクを伴うことができない。」ご自分の経験を踏まえた、色々な意見が出ました。今では、外国政府から呼ばれる方が多いそうです。

私は、コンセプトこそが、国・地域・企業にとって重要であると考えます。組合もサロンも、戦略なしには生き残れない時代が来つつあります。例えば、理容総研は、「営業支援型の組合」「若い人を大切にする組合」というコンセプトを提言しています。後は組合員の方々が、その実現に向けて、どこまで真剣に実行できるかに掛かっていると思います。新しい時代に向け、一歩踏み出す勇気を持ちたいものです。

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