新幹線と専門家の拠点

11/20、東京の自宅から栃木県小山市の住宅地にあるAI/IoT/ロボット企業のラボラトリーを訪問させていただくため、東北新幹線に久しぶりに乗りました。東京駅からわずか40分程度の時間距離で、ハイテク・ラボを訪問できること自体、頭脳企業が立地できる、新幹線効果というべきものだと思います。ラボには、世界的な企業の生産ロボットやIT機器が並んでいました。改めて感じたのは、新幹線の定時運行、時間の正確性でした。企業には広大な敷地を必要とする工場が必要な企業もありますが、企画・研究開発のウエートが高い企業もあります。必ずしも、大都市部にすべての企画・研究開発機能を集中させる必要もなく、1時間以内くらいで人が移動できれば、問題がない企業もあるでしょう。長崎新幹線が開業すれば、博多駅から大村市まで1時間で行けることになりますから、従来から申し上げているように、東京から2時間で来られる既存の長崎空港と合わせて、研究開発型のまったく新しい企業立地が生まれてもおかしくないと思います。

似たような例は、地方の中核病院にも言えます。15年くらい前に、福島県郡山市の南東北病院を訪問し、病院側からお話を伺った時でした。ここは、当時陽子線治療ができる数少ない民間病院でしたが、東京の医師に週単位で通ってもらうことができ、新幹線で専門医に来てもらいやすい立地がとお聞きしたのを覚えています。新幹線が地域医療をも変える可能性があります。

また、私が30歳の時(今から35年くらい前)、日本の将来の高齢化の急速な進展と年金市場の拡大に備えるため、アメリカの東部・西部の大手年金運用会社や、著名投資顧問会社を訪問したことがあります。ニューヨークのマンハッタン・ミッドタウンにあるアライアンスキャピタルやロサンゼルスの中心街にあるキャピタルグループ等、大手年金運用会社もありましたが、投資顧問会社の中には、ニューヨークから鉄道で1時間くらいの距離の海に面した一軒家で、屋敷の背後がヨットハーバーになっているような、閑静な場所にある企業もありました。この時、「自分も、このような地方や郊外での生活がしたい」と思ったものです。CME(シカゴ商業取引所)のレオ・メラメド会長や、ウォーレン・バフェット氏(オマハ)にお会いした際にも、地方都市で住んで仕事することのメリットを感じていました。

大都市から1時間程度で行き来できれば、静かな環境で仕事をした方がいい仕事は数多く(週に1度東京に出ることができる)、R&D型のハイテク企業、専門的病院、投資運用会社等がそれにあたると思います。関東・関西・九州等の地方都市は、快適な居住ができる、適度な人口・環境に恵まれているところが多いと思います。現在、多くの若者が、長崎県を始め、地方に移住していただいています。この流れとともに、今後の日本の産業を担う若い方々が、明るい未来を感じながらICT等成長産業に従事できる環境を、地方側も整備していかなくてはならないと感じました(画像は2019.11.20早朝)。

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