仏像との対話~奈良国立博物館の国宝の素朴だが豪華な魅力

6月12日、大阪での仕事の合間を縫って奈良国立博物館を半年ぶりに訪ねました。同博物館は奈良公園の中にあり、周辺は鹿の数よりもはるかに多い外国人観光客が一杯でした。4月末にリニューアルオープンした「なら仏像館」の仏像は圧巻で、開館直後に行くと、照明を落とした館内は、一体一体の仏像が、語り掛けてきて、国宝と対話しているような錯覚に陥ります。東京や京都の国立博物館のように観覧者が並ぶということもなく、まるでお堂にいるかのような厳かな空間の中で、仏像と対峙できます。仏像が私の心を見透しているようにも思えます。観光客が多くお参りする世界遺産・薬師寺や元興寺だけでなく、小学生のころから、浄瑠璃寺・海住山寺など、貴重な仏像を生活の場として何気なく眺めて育ったので(子供故、文化財的価値もわからず)、自然に心に響くのかも知れません。奈良~平安時代に、身体の動きや顔の表情などこれだけ迫力のある仏像を造れたものだと思います。世間一般にはあまり知られていない素朴な文化財が多く眠る奈良はいつまでも静かな古都であってほしいと思います。(画像は奈良国立博物館・仏像館の外観。仏像は、行って見てください。写真では迫力が伝わりにくいです。) http://kikumoriatsufumi.com/wordpress/wp-content/uploads/2016/06/d667dd2988917c4e6ace2aa390fe8dc3-320×240.jpg

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温泉に浸かって考えたこと~ストーリーの重要性(地理と歴史)

2016.6.3夜、長崎歴史文化博物館で開催された「長崎学ネットワーク会議」理事会に理事として出席しました。懇親会では長崎純心女子大学片岡瑠美子学長(長崎の教会群などのご研究で有名)や長崎外国語大学の姫野順一所長(長崎の江戸末期からの古写真などのご研究で有名)と隣席になり、歴史研究に関する様々なお話を伺いました。明治日本の産業革命遺産(世界遺産)・長崎の教会群(同候補)とも、ストーリー(仮説)とそれを裏付ける遺産・資料がないと、万人が納得できる「意味付けされた歴史」とはならないと感じました。人生を振り返って、人文系は、地理派と歴史派に大別されると考えてきました。小学生の時から地理が好きな人は多くて、僕も、世界地図や日本地図を眺めていると時が経つのを忘れてしまい、国名・地名・地形などが自然に記憶できます。東大入試の地理の試験などは、まったく勉強しなくても、すらすら書いたことを覚えています。反面、歴史は、「ある事件が別の事件に影響を及ぼす」という因果関係がとても面白いのですが、その因果関係を記憶しないと日本史で点数が取れず、少し勉強したことを覚えています。大学在学中も専門の法律ではなくて、地理学の教授になろうと考えて西川教授・田辺助教授(当時)に相談した時期もありました(笑)。そのとき、「専門的ツールとしての法律・経済を勉強してからでも遅くはないよ」と教えられました。そんな僕も61歳で、「人生こそ壮大なストーリー(歴史の一部)」だと思います。(画像は神戸・北野の洋館群にて。歴史遺産の活かし方が課題。2014.9.20撮影)

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おはようコラム要約~「熊本地震の影響と今後の長崎県経済」

NBCラジオ「おはようコラム」2016.5.24放送分

4月14日夜から始まった熊本地震は、現在も断続的に続いており、被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。この経済的影響は、熊本県・大分県内の自動車・電機・フィルム等大企業や農業に大きな被害が出ており、しばらくは厳しい状況が続くと思います。長崎県が今後行うべきことは次の3点です。①同じ九州の県として地域連携の観点から熊本県等への水・生活物資・役所職員派遣など。②製造大企業がサプライチェーンを寸断される危険を回避して事業を継続するBCP(Business Continuing Plan)を構築することを支援するためにも、企業誘致の努力を継続。③防災拠点強化のために、役所や公共施設の耐震化・建て替えの早期の進展。長崎県は地震災害の比較的少ない県と言われてきましたが、万が一の備えは必要です。

(画像:小山薫堂氏プロデユース「熊本で待ってる」から。天草の老いた漁師が孫を連れて漁に出る途中、マリア像に手を合わせる美しいシーン。人間と神との対話。ヘミングウエイ「老人と海」を彷彿とさせる。)

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おはようコラム要約~「特定国境離島新法の衆議院通過に想う」

毎週水曜日午前8時25分にNBC長崎放送ラジオで、私とシンクながさきの各研究員4名が分担してお話ししている「おはようコラム」の要約版を、聴いていただいている方々からのご要望に応えてシンクながさきのホームページに掲載する予定ですが、まず、私のお話しした内容の要約をブログで紹介することにしました。なお、PCソフトをversion upしてからブログに画像が載らなくなったので、facebookに掲載します(世界遺産候補の五島市奈留の江上天主堂)。

2016.4.20
「特定国境離島新法の衆議院通過に想う」
4月8日、「有人国境離島地域保全・特定地域社会維持特別措置法(国境離島新法)」が、衆議院本会議で可決されました。内容は、①国境海域の人の住んでいる離島を、領海・排他的経済水域を維持する拠点と位置づけ、「有人国境離島地域」として、行政機関設置等に努めて無人化を防止、②本土からの航路距離が50キロ以上で、人口がピーク時から4割以上減少している15地域・71島を国の責任で社会維持に取り組む「特定国境離島地域」に指定、③航路運賃の低廉化・雇用拡大など図ることです。新法制定を機に、離島の人口減少・高齢化を緩和するためにも、雇用促進が不可欠であり、各国境離島による戦略・計画・事プロジェクトの実行が必要となります。特に観光業は、国境離島の資源の魅力を十分に生かせることから、外国人も含めた観光客誘致と「収益性の高い観光事業」に大きく舵を切る意識革命が、10年後の離島の将来を決することになると思います。

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温泉に浸かって考えたこと~人材を得ることの重要性

5月15日は、早朝の仕事を終えてから、いつものように9時半に稲佐山の「福の湯」に行き、炭酸泉10分、弱アルカリ泉20分、ミストサウナ10分や露店風呂でリラックスしました。新緑が美しい長崎の街の景色を見おろしながら、屋外テレビでNHKの番組を見ていると、日曜討論で消費税・社会保障問題を議論していたあと、「明日へ~マグロ漁に若者殺到・港町全力応援」というドキュメンタリー番組をしていました。福岡の水産高校出身の20歳の若者が気仙沼のマグロ漁船(延縄漁)に乗り込む姿を紹介していました。長期航海の後、港に戻ると真っ先に美容院に行き髪を切り、成人式の着物を着るシーンは時代の変化を感じました。受け入れる経営者側も、採用の前から、仕事の説明をキチンとするなど、厳しい労働の実態を伝えなくてはなりません。今はどの業界も人材獲得が難しくなっていますが、シンクながさきも、調査分析や計画策定の分野で地元長崎県に貢献したい、熱くて優秀な人材を常に求めています。(画像は、福の湯からの眺め。露店風呂からは駐車場は見えません。)

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長崎県立大学COC評価委員会に出席~「長崎のしまに学ぶーつながるとき・ひと・ものー」

5月12日午後、長崎県立大学佐世保校で学長・副学長出席の下で開催された、長崎県立大学COCプロジェクト評価委員会に委員長として出席させていただきました。これは、長崎特有の離島・半島など特色ある県土をフィールドとした教育・研究・社会貢献などを含む文部科学省COC(Center of Community)事業を、年度ごとに評価するものです。特に多くの学生に離島の方々とのふれあいを通して、離島特有の生活・社会・経済・環境等を学ぶ機会を与え、多大の成果を上げていただいたと思います。また、今では教育手法として確立して私自身も実践している、Active Learning・PBL(project-based learning)や、e-learningシステムを構築して、効率的・効果的な授業を行っています。COCの場合、地域コミュニテイに学生の学びの場や研究テーマを求めることが必要で、地域に根差す大学経営としても重要な活動だと改めて感じました。(画像は、COC27年度事業経過報告書の表紙。)

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雲仙市役所で洸陽電機・乾社長らとお会いしました~エネルギーの地産地消を進める成長企業

5月11日夕方、雲仙市役所で、㈱洸陽電機(本社:神戸市)の乾社長さんらとお会いしました(同市の広瀬章文環境水道部長ほか同席)。同社は、雲仙市で地熱発電事業を経営していますが、今後、木質・廃棄物バイオマスエネルギー事業を進める可能性があり、雲仙市長にお会いした際にお聞きし、改めてお伺いしたものです。詳しい内容はいずれ発表されるでしょうから、それまでは差し控えさせていただきますが、地熱・木材・農業廃棄物(農業残渣・畜ふん等)地域資源を用いた、「エネルギーの地産地消」を具体的事業化する企業です。私も東京・大阪で様々な成長企業を育成するお手伝いをさせていただいてきましたが、技術・ファイナンス両面でビジネスモデルを構築することに成功しておられ(継続性のある事業として)、独自性のある有望企業であると思いました。私自身、長崎県地球温暖化防止活動推進センター長として、また、五島市椛島沖の洋上風力発電プロジェクトの事務局や長崎県森林組合連合会研究会座長として、環境・エネルギー関連事業のご支援をさせていただいてきましたが、いよいよ中小規模でも採算のとれるモデルを作れる時代に入ったと思います。(画像は、洸陽電機乾社長と、雲仙市役所で。)

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長崎県情報産業協会で講演させていただきます~ICTで切り開く都市戦略・企業戦略

6月24日夕方、長崎県情報産業協会で「ICT(情報通信技術)で切り開く都市戦略・企業戦略」と題して講演させていただきます。これまで長崎総合科学大学・長崎大学を中心として進めてきた「ビッグデータ研究会」・「ながさきロボット研究会」の成果、私の長崎総合科学大学での「情報と社会」・「経営情報システム」(27年度)、「技術マネジメント(MOT)」(28年度)の講義にも触れながら、改めて「経営とICTのインターフェイス」をお話ししたいと思います。私はITの専門家ではありませんが、若いころ、三井住友銀行の「統合リスク管理システム」構築プロジェクトのPMを務めさせていただいたことがあり、技術と人(技術者)のマネジメントを考える原点となりました。その後は、企業・都市経営へのIT導入を進めてきましたが、3年位前から、観光・医療・福祉・物流分野のICTや、IoT、ロボット、フィンテックという未来の産業の重要なテーマの研究・実践に取り組むようになりました。情報産業協会の会員の皆さんのような専門家ではありませんが、社会や経営へのICTの活用の将来展望についてまとめることができればと思います。(画像は世界遺産・京都・天龍寺の庭園。2014.5.11撮影。池と山の間に断層があり、当時の庭師は自然の地形を活用してデザインした。画像解析でもわかる。)

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長崎県婚活サポートセンター事業が始まりました~県内の婚姻率アップに貢献したい

5月2日、平成28年度「長崎県婚活サポートセンター事業」を、ながさき地域政策研究所が4月に受託し、本格稼働しました。皆さんにご利用いただいている「めぐり合い事業」と並んで、27年度から「縁結び隊」(昔の仲人に当たる役割、長崎県が募集。)と婚活サポートセンター活動は行っており、28年度は、縁結び隊の充実やマッチングシステムの導入(ビッグデータ活用)、長崎に設置されるセンター本所(4名体制)と、県内3か所(県北・県央・島原)に設置される支所の立ち上げを行うことになります。県は県内に広域で相手探しを支援するインフラを提供し、市町は各自治体内で登録者と縁結び隊を増加させていくための協議会を設けていくことが必要です。私は、婚活サポートで成果を上げていくためには、民間団体・企業の参画が不可欠で、官民連携体制を早期に作りたいと考えています。なぜなら、企業にとっても社員の定着は重要なテーマで、社会全体にとっても、民間企業を中心とする正規雇用の拡大は結婚意欲を高めるとともに、女性人口を増やすことになるからです(統計解析研究による)。ぜひ、多くの県民の方々に利用していただけるようにしたいと思います。(画像は2016.5.7朝の霧に包まれた長崎港。松ヶ枝と出島岸壁に1隻ずつ国際観光船が停泊している。)

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佐世保競輪の経営改善~土地の有効活用で市民に愛される施設に

5月6日、佐世保市の観光商工部に来ていただき、佐世保市競輪事業の現状についてご説明いただきました。私は、平成25年度、佐世保市競輪事業経営等検討委員会の委員長をさせていただいたことがあり、平成26年3月、委員会の報告書を市・委員の皆さんとともに作成・公表しました。あれから2年が経過し、ナイターやミッドナイト競輪の導入が成功したこともあり、27年度から売り上げが急回復し、大変喜ばしいことと思います。大村競艇場の改革に続いて、佐世保競輪場も改善に向かい、市財政を支援することとなりました。競輪場の現場を運営してきていただいた方々のご努力にも感謝申し上げたいと思います。一方、今後の競輪業界を取り巻く競争激化・顧客ニーズの変化や施設の老朽化を考えると、経営改善から経営改革にレベルアップしておくことが、将来にわたる経営安定をもたらすと考えています。西九州自動車道みなとインターの近接地であるというメリットも活かして、市民の財産である土地をさらに有効活用して市民に愛される施設にしていただきたいと思います。期待しています。(画像は、平成26年3月公表の同報告書のあいさつ文)

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