7月7日七夕の日の午前、長崎歴史文化博物館で「歌川国芳展」を見ました。浮世絵の魅力は限られた空間でテーマを力一杯に描いている点です。国芳は、美人画・役者絵も多く描いていますが、水滸伝・三国志・猫といった奇想天外でユーモアにあふれた「戯画」に特徴があります。猫や動物が人間のように着物を着て社会生活を営む版画は、江戸時代における「鳥獣戯画」に当ると思います。ただ、鳥獣戯画ほど社会風刺色は強くありません。国芳の作品はモチーフが独特・大胆で、代表作「宮本武蔵の鯨退治」で鯨と宮本武蔵を結び付けて巨大な鯨を剣で刺すという発想自体が凡人のものではなく、江戸時代にあっては「奇人」の部類に属していたのではないかと思います(笑)。江戸の「粋(いき)」(質素で美しい生き方・所作、美意識・格好よさ)については、明治時代からの日本橋室町の理容店「理容大野」の大野悦治社長に教わったことがありましたが、長崎は江戸とは異なった外国文化の影響を受けた「おしゃれ」「美的哲学」が根付いている土地柄です。長崎の人々には、今回の展覧会を理解しやすい土壌があるのではないかと思いました。(画像は、江戸文化を代表する寄席の新宿末廣亭入口。2012.4.8撮影。) Pokies

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