中国経済と長崎県(NBCラジオ2017.2.8放送分要約)~米中の経済関係が世界経済を左右する

日本経済・長崎県経済は、戦後の歴史を見ると、造船・観光の両面で、中国の影響を大きく受けて来ました。そこで、中国経済と長崎県の今年の動向について見たいと思います。
中国経済は、昨年は実質GDPで6.7%の成長で、今年はやや鈍化して6.5%成長と予測しています。中国は産業構造を転換中で、民間設備投資が過剰設備の解消のため抑制しているほか、不動産価格も頭打ち傾向が見られます。今年の中国経済の懸念材料は、アメリカの保護貿易ムードの高まりです。中国の輸出額は、2012-2014年に増加しましたが、その後は減少傾向です。中国のアメリカ向け輸出シェアは、18%と高いため、トランプ大統領の通商政策が最大の懸念材料です。
長崎県経済が中国経済の影響を最も受けるのは、今年は観光で、円高・人民元安になると、日本や長崎県を訪れる中国人観光客数が減少することになりかねないと思います。そこで、中国経済がどうなっても観光収入が減らない「強い観光県」となることが必要で、そのためには「競争力のある国際観光都市」となることが必要です。現在、長崎市はインバウンド観光(外国人観光客誘致)のために、DMO(Destination Management Organization)を設置する準備を進めています。DMOとは、その地域の観光資源に精通し、地域と協働して観光地域づくりを行う法人のことで、今後の観光推進の中核となることが期待されます。瀬戸内DMOで進められている、瀬戸内海クルーズや水上飛行機の活用による遊覧飛行もヒントになると思います。

(この記事は、NBCラジオが聞けない全国の地域からのご要望によりブログに掲載しています。)

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