お料理に京都の歴史の厚みと新しいことへのチャレンジ精神を感じました

8月9日大雨の降る中、日本ホスピタリテイマネジメント学会の理事・評議員・顧問の合同会議が京都で行われ、夜、老舗料亭・松井本館(柳馬場(やなぎのばんば)・六角下る(ろっかくくだる))で行われた懇親会に出席させて頂きました。松井旅館の女将・松井節子氏によれば、同社は、「81年の歴史しかなく、京都では新参者に過ぎない」と謙遜されていましたが、「おもてなし」を大切にした接客や従業員教育を重点的に行っている、著名旅館・料亭です。伝統的な料理の中に、新しい要素を盛り込むことが必要とされており(守破離)、この日出されたお料理にも見て楽しい、食べて楽しい「ワクワクするような」メニューが幾つかありました。それよりも驚いたのは、人材育成方法で、美濃吉の佐竹力総社長のお話とも共通していましたが、人材不足の状況下でも、管理が難しい中途採用は極力減らし、新卒採用を基本として、「瓶ビールの栓の抜き方も知らないような(瓶ビールを見たこともないような=ビールは缶だけだと思っている)新入社員」に一から「おもてなし」を教育しているそうです。詳細は企業秘密でしょうから、ここには書きませんが、退社する人も多いので、キャリアパスを描いて、仕事へのやりがいをいかに醸成するかを重視しているそうです。京都の老舗料亭ともなれば、外国人の固定客が多く、中国語・韓国語では十分な言葉の対応ができないので、全て英語のみの外国語サービスを行っているようです。新しいことに挑戦しなければ老舗は守れないことが良く分かりました。(画像は松井本館の京野菜を寒天で閉じ込めて切り子の器に入れた涼しげな夏の一品。目で食べる食事。)

 

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