人間の行動をビッグデータ分析すると常識が変わる可能性もある~実証研究と企業経営にどう生かすか

4月26日午前のさわやかな空気を入れようと自宅の窓を開けていると、神宮球場から歓声が聞こえます。昨夕、飛行機の中で、マーラー交響曲第2番「復活」第5楽章を聞きながら、普段読めなかった本「データの見えざる手―ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則」を半分読みました。これは、㈱日立製作所中央研究所の矢野和男氏の著書で、人間にウエアラブルセンサを着けて行動(たとえば、腕を動かす行動)をビッグデータとして集積し分析すると、我々エコノミストが統計学の前提としていたポアソン分布ではなく、ボルツマン分布(U分布、ボルツマンはオーストリアの物理学者の名前)を描き、どんな人間でも一定の量の行動をしているという法則性を発見したことが書かれています。これを応用すると、例えば、身体行動の活発な職場ほどハピネス(主観的な幸福度)レベルが高く、生産性も高くなるなど、私が学んできた経営学の幾つかの命題が、データで裏付けられることがわかります。ビッグデータ分析により、経済学・政治学・社会学・心理学等の人間行動を扱う学問の根拠が明確になり、場合によっては「常識」が覆される日が来るかも知れません。

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