長崎県近代化遺産の研究を強化し文化財としての正当な評価を~長崎・佐世保・対馬を軸に

4月10日、これまで長崎県の近代化遺産を広く研究してこられて全体像を俯瞰できる立場にある長崎大学の岡林隆敏名誉教授とゆっくりお話しする機会を得ました。岡林先生は、今も佐世保市針生(はりお)の無線塔などの文化財登録を進めておられ、①長崎市内の遺産(「九州・山口の近代化産業遺産」の構成資産を含む)だけでなく、②佐世保市にある軍事(防衛)遺産や県北の炭鉱・鉄道・橋梁等遺産、③対馬の軍事(防衛)遺産を優先させるべきとのご意見でした。このブログでも取り上げてきたように県内の様々な近代化遺産はそれぞれの立場から関心のある部分は研究されていますが、まだ文化財登録されていない遺産も多く、正当に評価されているとは言えない状況です。少し時間がかかっても、岡林先生のおっしゃるように、日本の近代史に与えた影響の大きいものから研究を進め、保存・維持管理費用を捻出するためにも適切に観光等に活用していくことが必要になると思います。4月14日の長崎新聞25面の解説「九州・山口の近代化産業遺産群」にも取り上げられているように、「保存や管理」が課題ですが、これらは、イギリス・ドイツ等海外の世界遺産に登録されている近代化産業遺産に共通にみられる課題で、各国では克服してきています。施設と同様、文化遺産にも「経済性」面が求められているような気がします。(画像は4月13日からおこなわれている長崎県佐々町の映像会に展示されている炭鉱画像のパネル。)

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