調査捕鯨停止命令~江戸時代から地域に伝わる鯨食文化は継承したい

3月31日17時(日本時間)からオランダ・ハーグの国際司法裁判所が判決文を読み始め、日本による南極海での調査捕鯨は国際捕鯨取締条約に違反するとして反捕鯨国のオーストラリアが中止を求めた訴訟で、日本の調査捕鯨は条約に違反すると認定、今後実施しないよう命じました。同日19時前に共同通信の記者からお電話を頂き、私の本件についてのコメントを申し上げました。国際法上の議論はさておき、日本の西海捕鯨・流通の歴史は江戸時代から地域に定着しており、鯨料理は正月や棟上げなどハレの日の「鯨料理」の形で、「食文化」として継承されています。地域に残る食文化は継承されるだけでなく、長崎市などでは観光資源としても活用されています(長崎県は全国の鯨肉の1割以上を消費し、長崎市内の多くの居酒屋では鯨料理を安価に提供しており、「鯨を食べるなら長崎に」と言う観光客も多くいます)。「長崎鯨食文化を守る会」を立ち上げたのも、地域の食文化を用いた地域振興を図るべきだと考えたためで、行政の協力もあって、一定の成功を収めていると思います。このブログには詳しく書けませんが、長崎県・福岡県・佐賀県の近海ではジェットフォイルが鯨にぶつかったり、私自身、軍艦島(端島)の周辺をイルカ(体長5㍍以内のクジラ)の巨大な群れを船から何度も目撃しており、多く棲息していて、今も九州北部の人々は鯨とともに生きていることが良く分かります。今後、近海捕鯨をどう考えるか、商業捕鯨を行っている諸国からの鯨肉の輸入をどう進めるか、議論と検討が必要と思います。(画像は私が協力させていただいた、2005年9月出版の書籍「長崎のクジラ商・日野浩二の人生」。日野氏は日本の鯨肉販売の「生き字引」と言われている。)

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