世界の資金の流れが変わった

10月26日早朝、インドが政策金利を0.25%引き上げ、同時にこれが最後の利上げとの宣言を行いました。これまでは中国・ブラジル・インドなど新興国への投資が旺盛で、併せてアメリカのQE2(金融緩和第二弾)政策の影響で商品等物価上昇が進行し、利上げなどの投資抑制策が講じられるほどでしたが、今は欧州財政危機・金融機関の資金繰り悪化を反映して、新興国からお金が流出しています。現時点では相対的に問題が少ない日本・アメリカなど通貨のしっかりした国にお金が向かっており、円高・ドル高となっています。欧州問題は近々一旦は緩和されて、リスク・オンの状態となり、欧州・新興国にもお金が戻ってくると思いますが、今後1年半にわたり、たびたび欧州問題が頭をもたげてくるため、不安定な資金の流れとなると考えます。10月25日アメリカのケースシラー住宅価格指数が期待外れに終わり、コンファレンスボードの消費者信頼感指数が悪化するなど、アメリカの景気が悪化する懸念がくすぶっており、FRBやニューヨーク連銀の主流派理事がQE3をほのめかすなど、さらに円高が進む可能性があり、日銀が今日明日に金融緩和を行っても余り効果がないことが予想されます。欧州問題・アメリカ経済が安定しない場合には、今後1年半の間に1ドル=45~50円まで円高が進行する事態も覚悟せざるを得ないと考えます(そうなって欲しくないですが)。ただ、冷静に世界経済を見れば、大幅なインフレにならない限り、長期にわたり成長が見込まれる新興国に資金の一部が必ず投資されると思います。

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