ロンドンオリンピックの開会式に思う~国の成り立ち・歴史を大事にしよう

7月28日朝5時から、ロンドンオリンピックの開会式をテレビで観ました。英国がイングランド・北アイルランド・ウエールズ・スコットランドの四つの国から成る立憲君主国家であることの説明から入り、英国の美しい田園風景を会場に設営し、英国が農業国から出発し、産業革命を経て製鉄・造船等の工業国になり、海外から多くの移民を受け入れ、多民族国家として発展していく姿を描いた演出、ポピーの花を手向けて二回の大戦で亡くなった人々に哀悼の意を表する姿、子供病院(エリザベス女王も支援している)や世界に先駆けた健康保険制度など福祉国家であることの紹介など、最初の1時間くらいの間に国の成り立ち・歴史を人々の生活を基盤にして凝縮したストーリーにして語る演出は、「国家と人間への愛」が語られ、エコノミストとして感銘深い内容でした。その後ヘリコプターでやってきたの007、テムズ河からやってきたデイビッド・ベッカム氏など、英国らしい奇抜なアイデアも面白く感じました。経済面で英国を参考にすべきは、成熟経済に向かう中で、国家として経済の柱を何に据えるのかという点です。生産年齢人口の急速な減少を日本人だけで支えるのか、英国のように移民を受け入れるのか、健康保険や年金を支えるだけの経済基盤を英国のように金融業・知的財産でまかなうことができない日本はどうするのか、英国のように日本はどこまでグローバル化できるのか、その際に必要となる人材をどのように育成するのか、一時間の間に多くの課題が頭を駆け巡りました。それぞれに対する解決策はあり、後はどう実行するのかが問われているのです。(画像は著作権の問題を生じる恐れがあるので外してあります。)

カテゴリー: 世界日本経済, 経営   パーマリンク

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