日ごろから親の介護の問題を話し合っておこう~日本社会にとっても避けて通れない課題

ゴールデンウイークに田舎に帰る方々も多いと思いますが、医療福祉政策をテーマの一つとしている私は、親の介護について話しておく必要があると考えています。とは言っても、若い方々には余り関係がなく、55歳以上の問題で、親が80~85歳以上になり、疾病・介護対策が必要になる年代です。これは、これまで日本の歴史で経験して来なかった高齢化が進んでいるためで、社会が初めて直面する課題で、財政が厳しくなり、高齢者医療制度・介護保険制度の見直しが必要になっているので、個人にとっても、社会にとっても、ますます重要な問題です。日本社会には「親を大事にする」という風土があり、一方では介護のために大きな経済的負担が生じたり、介護する側の子供が仕事を辞めざるを得なくなったり、重い病気になって介護どころではなくなることもあり、極めて具体的な問題です。親が比較的元気な75歳くらいから少しずつ話し合い、要介護状態になった時にあわてなくて済むようにしておくのが良いと思います。私の場合は親の方から話がありました。方法としては大きく分けて、①子供が親を引き取る、②親が今の家に住みながら介護サービスを受ける、③グループホーム・老人ホーム等施設介護を受ける、の三つの選択肢がありますが、満足の行く対応をするためには、子供も相応の精神的・肉体的・経済的負担を負いますから、時間のある時にゆっくり家族・兄弟で話し合っておくのがベストだと思います。和田秀樹著「人生を狂わせずに親の追いと付き合う」なども、介護の現場を見ている精神科医が書いた本として、個人がこの問題を考える際の参考になると思います。まず個人にとって重い問題なので、政策議論については、また別の機会に委ねます。(画像は美しい長崎港の夜景。4月26日から帆船祭りが始まります。こんな美しい土地で老後を送るのもいいですよ。)

 

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