「九州の公立大学の在り方を考える研究会」出席報告~九州地域戦略を作り実行できる体制をどう築くか

3月14日午後、九州経済連合会の「九州の公立大学の在り方を考える研究会」(座長:矢田俊文北九州市立大学前学長)の今年度最後の会合が開催され、委員として出席させていただきました。前半、文部科学省も大学統合・運営の参考事例としているカリフォルニア大学(UC)・カリフォルニア州立大学(CSU)について、国際東アジア研究センター所長の谷村秀彦氏から現地調査報告がありました。興味深い点は、UC・CSUはいわゆるアンブレラ方式の本部機構で、トップの人事権・政府資金の配分機能の経営戦略的意思決定・入学生の集中的選択を行う強力な体制となっていること、高等教育に関する政府機関が州政府には存在せず、大学本部が高等教育に関する政策的意思決定を行っていることが良くわかりました。後半は、「九州立大学構想平成24年度報告書」案が議論されました。私は、自分の経験を踏まえ、九州地域戦略を策定・実行するためには、県・市・町はもちろん、大学・シンクタンク・公設試・産業支援機関が連携して、実効性のある行動をとることが必要であることを申し上げました。最後に「九州の自立・道州制・公立大学」をどのように具体化していくか、25年度も引き続き構想を議論することとなりました。

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西日本新聞社モニター会議(最終)出席報告~新聞の役割の重要性を社会が再認識することが必要

3月8日午後、福岡・天神の西日本新聞社本社で、第28期モニター会議が開催され、出席しました。現状、同紙の読者層の大半を60歳台・70歳台が占めている事実から、いずれ読者層が減少することが予想されるので、どうやって若者層を取り込むかという問題提起が委員から出されました。これは、同紙に限らず、全国紙・地方紙等新聞に共通した課題ではないかと思います。実際、現役世代の男性や、増えている働く女性にとって、新聞を読む時間は極めて少なく、引退世代・専業主婦によって読まれるようになっていることは否定できません。これは、将来の読者層をどう確保するかという点で新聞社としての経営課題でもありますが、民主主義社会にとって「新聞は社会の公器(こうき)」という社会的側面をどう評価するべきかという視点も欠かせません。新聞はテレビ・ラジオと異なり、速報性は劣りますが、表面ではなくじっくり考えながら読むことや、深く知り、自分で判断するためには重要な媒体です。また、「社説」のように、社会に対して直接主張することも新聞に適した役割です。私は、毎日アメリカのWall Street JournalやNew York Timesの主だった記事には一通り目を通しますが、署名入りコラムや社説でジャーナリストの鋭い主張には「はっ」とさせられることが多いです。イギリスのThe EconomistやFinancial Timesにも同様の使命感と知性を感じます。また、「正しい日本語を伝える」という側面も新聞の重要な役割です。私は小学生のころ、朝日新聞の「天声人語」を書き写して短いながらも凝縮した日本語の美しさを感じていました。洋の東西を問わず、民族は言語によって支えられており、日本民族にとって、正しい日本語を日常生活で使うことが発展に欠かせず、新聞はこの点からも大きな役割を担っていると思います。このような点から、「新聞社は、一方通行的な情報の提供にとどまらず、若者・女性・子供など、これからの社会を担う各層に出向き、これらの重要性を感じてもらう努力をされることに期待したい」という提案を会議の最後に発言させていただきました。

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地方にこそ日本型IR(Integrated Resort)を~電通JIRフォーラムに出席

3月6日午後、東京・電通本社でJIRフォーラム「IRによるビジネス創出」が開催され、「アジア・九州統合型リゾート構想」をまとめた西九州統合型リゾート研究会有識者委員会・委員長として出席させていただきました。電通の岡部智カジノ&エンタテインメント事業部長とは1月にお会いし、多様なカジノリゾートにより、日本の観光資源を活かして持続可能性の高い集客施設を形成することが必要であることを3時間程度意見交換させていただきましたが、若年層・女性等国民各層に「目配りの効いた」素晴らしいフォーラムでした。冒頭、「モナコ公国のIR戦略」と題してモンテカルロSBMアジア統括責任者ブノア・バデュフル氏が、1863年の開業後150年を迎えたモナコ公国のモンテカルロ・リゾートが開業した契機が国家の財政難だったことを説明し、「持続性」のある「成長するIR」が重要なことを教えてくれました。同社はオテル・ド・パリを始めとする4つのホテル、アラン・デユカス他33のレストラン・バー、ヨーロッパ最大級のスパ、テニスコート(カントリークラブ)、ゴルフコース、5つのカジノなどを経営しています。ヨーロッパのカジノはギャンブルというより、社交場として発展してきており、日本にも風光明媚な地方にこのようなカジノを含むリゾートが欲しいと思いました。「日本型」という点について、日本の自然・伝統文化等を楽しんでもらうことに加え、その後行われたパネルデイスカッション「日本版IRがもたらすビジネス創出とは」で、大阪商業大学アミューズメント産業研究所長美原融氏は、「日本には製造業を含むハードな産業基盤はあるが、ソフトなマネジメント・マーケテイングノウハウがない。」と述べ、日本の良いところを活かし、足らざるを補うことの必要性を指摘しておられました。また、カジノを国の「成長戦略」に組み込む可能性もあることを述べられ、私が提案している「地方から見た成長戦略」と同じだと意を強くしました。(画像は、電通JIRでプレゼンしたブノア・バデュフル氏)

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次世代の「お金」教育は「プロとして働くことの重要性」から~年金不安世代の「長期投資」の重要性を考える

3月2日午後、福岡・博多で親しい経営者中野晴啓氏(セゾン投信㈱社長)と2年ぶりにお会いしました。このブログでは投資運用の話は極力避けていますが、私は日本証券アナリスト協会検定会員でもあり、若い時から、三井住友FGのALM(Asset and Liability Management)や証券運用企画に携わり、米国の年金運用会社アライアンスキャピタル社と業務提携(人材育成を含む)をまとめた経験があり、資産運用には強い関心があります。また、今でこそ脚光を浴びていますが、不動産価格の安定のために大手不動産会社と不動産投資信託(REIT)導入をして来た経験もあります。ただ、日本人は資産運用に適さない心情の人が多いのが実態だと思ってきました(これまでの年金運用のパフォーマンスを見れば一目瞭然です)。中野社長は「長期投資」をビジネス化して、現在約700億円の資金を運用していますが、私は次世代を担う若い顧客層に大幅に、安い手数料で「直販」の投信を販売してきた地道な経営者として信頼しており、今後のグローバル投資・国内投資の市場を変える可能性があると思います。2011年1月29日には、私からの提案を受けてくださり、長崎でも講演していただきました。今回、中野氏とお会いした際に、子供の「お金」教育をどうするかという点について、「お金の基本は{働くことの尊さ=プロフェショナルであることの必要性}を子供に教えることが先決で、多様な労働からお金を得ることを教えることが、現在の日本には不可欠だ。東北地方の学校で講演した際に、全体に白けている中で、長距離トラックの運転手の子供と話していた時に、父親の仕事がいかに世の中に無くてはならない、プロフェッショナルな仕事かを教えると、子供の目が輝き、将来就きたい仕事について語り始めた。」と話しておられたのが印象的でした。日本を明るい国にするには、「働くことの重要性」を子供の時から教えると、「お金の使い方や貯金」にも正しい理解ができるようになると思いました。(画像は挨拶中の中野社長)

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九州医歯工連携分野アライアンス研究会に参加しました~日本の医療福祉機器製造は出遅れている

2月28日午後、九州産業活性化センターからのご紹介で、九州半導体・エレクトロニクスイノベーション協議会(SIIQ)のアライアンス創出促進事業「第一回医歯工連携分野アライアンス研究会」に出席しました。冒頭、経済産業省九州経済産業局新産業戦略課鉾屋一敏氏から「医療・福祉機器産業の現状・課題・参入の方向性について」お話しいただき、日本の医療機器市場約2.4兆円の中で、日本が強い分野(輸入品シェアが低い品目)は市場成長率が低い(あるいは縮小している)分野で、世界から大きく遅れていることを統計で示して頂きました。また、その日本の中でも九州の生産額比率は8.2%と低く、今後伸ばしていくことが不可欠と思いました。医療機器製造は大分・宮崎に見られるように、大企業しかできないと思われがちであるが、中小企業が参入すべき分野であることも良くわかりました。その後、産業医科大学(北九州市)産学連携・知的財産本部橋本正浩講師から、「医工連携のすすめ~産業医科大学とのアライアンスは必要か~」と題してお話しをいただきました。手術器具・リハビリ機器・内視鏡・聴診音解析・血管年齢測定・予防医学等幅広い分野で、産学連携(特に中小企業と)がおこなわれていることがわかりました。病院等ニーズと技術シーズのマッチングの方法についても示唆を与えられました。現在、シンクながさきで「長崎県医療福祉ニーズ発事業創出支援事業」を県と一緒に実施していますが、成果を上げる方法について、ヒントを多く得ることができました。今、中学卒業・元オリンパスの社員でアメリカでの大腸内視鏡・心臓カテーテル販売で巨万の富を得た日本人、大根田勝美氏(1937年生まれ)の自伝的な本を読んでいますが、先進的医師と一緒に商品開発に取り組み、病院等に効果的な使い方を提案できれば大きなビジネスとなると思います。

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ながさきsuisan・ウインタースクール開催~「生産者と消費者をつなげる」をテーマに、コーデイネーターとして出演させていただきました

2月27日夕方、「ながさきsuisan・ウインタースクール」が開催され、「新たな活路の探求と発見~消費環境変化を捉えた地域の活性化推進教室」というパネルデイスカッションで、コーデイネーターを務めさせていただきました。パネラーは、水産庁漁港漁場整備部計画課課長補佐山崎雄一郎氏、長崎県水産部参事監田中郁也氏、公益財団法人海外漁業協力財団周衛東氏、㈱JCKフレンズ代表張景子氏、元佐世保市相浦漁業協同組合専務理事田渕次郎氏の5人でした。中国人2名からは、長崎県の水産品を中国・韓国・香港等に輸出する、あるいは海外からの観光客の土産用商品の開発などの提案をいただきました。また、田渕氏は、「九十九島かき」を全国ブランドに高めたキーパーソンで、産地と消費地を結びつけるために、各種マスコミをを動かした経験を語ってくれました。水産業の振興には、生産者が消費者のニーズをとらえた出荷や商品開発をすることが必要ですが、流通・販売の現場を知らないことが多いので、どうすればいいか、意見を出し合いました。私からは、消費者が求める①安心・安全な食、②使いやすい・食べやすい食、③付加価値のあるブランド食といった視点で考えることが重要だと、蒲鉾などの加工品の例を上げながらお話しさせていただきました。農業も同様の視点から考えることが必要です。懇親会で、周氏とゆっくりお話しできましたが、「中国から見て、日本の農業は零細過ぎて生産性が低く、このままでは農村維持も厳しくなるのではないか、中国でも農業の集約化・大規模化を図っているので、後継者が多い」と話しておられました。安倍政権の「成長戦略」の中で、農業の生産性向上策も議論されると思います。(画像は、水産庁漁港漁場整備部防災漁村課本田直久課長=前長崎県水産部長=の講演風景。)

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皆で考えよう「身近な貢献」セミナーin Nagasaki開催~企業の社会貢献は「地域とともに成長する」姿勢から

2月24日午前、第四回「県民ボランテイアフェステイバル」(長崎・出島交流会館)の中で、「皆で考えよう「身近な貢献」セミナーが開催され、㈱CONYJAPAN小西正行社長の「社会を変えるお金の使い方」、㈱メモリード吉田茂視社長の「社会を支える社員、心を育てる企業、伸びる地域」の講演の後、「壱岐子供劇場」武原由里子代表を交えてパネルデイスカッションが行われました。吉田社長は、五島のコンカナ王国(温浴・宿泊施設)を維持し、葡萄栽培からワイン製造までを行い、離島の雇用につなげることや、受刑経験者の雇用など、地域貢献を中心に据えた企業経営を永年やっておられます。また、稲佐山麓の「坂の町」の土地区画整理事業や、斜面地の「縦道」だけでなく「横道」の必要性を主張されるなど、長崎の住環境を整備するために行政に対する提言・実践も積極的に行っておられます。企業とNPO法人・ボランテイア団体との連携・協働や社会貢献の典型的な形は「雇用」だということを、講演していただいた二人のカリスマ経営者が共通して述べておられます。今回、私がこのテーマで講演を依頼しても受けてくださる方が余り長崎におられなかったということは、今後も小さいところからでも、「企業の社会貢献・寄附文化醸成」活動を続けることの重要性を物語っていると思いました。(画像は、「身近な貢献」パネルデイスカッション風景。右から、武原氏・吉田氏・小西氏・菊森。)

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企業経営研究会in長崎開催報告~小西正行氏講演会で企業成長と社会貢献について考えた

2月23日夜、長崎歴史文化博物館1階会議室で小西正行氏講演会「企業を成長させる秘訣~15年間で50億円企業を作り上げた社長の発想」が開催され、会場が満員になりました。今回は、「長崎の企業を元気にしたい」との私の呼びかけに応じて長崎に来ていただきました。小さな工務店の後継者がリフォーム分野で16年間増収を続け、売上50億円、粗利率35%以上の企業を作り上げた過程を70分でお話しいただいたので、皆さんからは実践的で貴重な話を聞いたとの声が多く寄せられました。「ニッカポッカを履いて現場を飛び回っていた自分が、営業回りや経営までやらなくてはならなかった」というくだりには、うなづいている方もいました。起業家が陥りやすい「今だけ・カネだけ・自分だけ」から脱却し、「50年・100年後もあり続ける企業」を目指し、「理念浸透型経営・脱歩合給・新卒採用(24年度:60人)」によって、従業員とともに成長企業への道を着実に進んでいる姿からは、成長性のみならず、地味な堅実性を感じられた人も多かったのではないかと思います。雇用こそが企業にとって最大の社会貢献であることを教えてくれています。講演の中で、①既に進出して事業のみならず学校建設などの社会貢献をしているカンボジアからベトナム・ミャンマー・インドネシア等アジアへの展開を図る、②企業経営理念「CONY WAY」により、「10年後1,000億円企業を目指す」との発言もあり、企業はお客様や社会から支えられて成長できることを改めて強く感じた内容でした。

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「身近な貢献フェスタ」を大村市で開催します~勝谷誠彦氏・CONYJAPAN小西社長・狩野ジャパン社長が講演します

2月23日午後1時から、長崎県大村市のインターナショナルホテルで「身近な貢献フェスタ」が開催されます。これは、地域のために頑張っている人達の活動を寄付で支える仕組み作りや企業の地域への関わり、何とかしたいと想う人たちの関わりをテーマにしたフェスタです。東日本大震災で多くの募金・寄附が集まりましたが、まだまだ日本に寄附文化が定着しているとは言えません。明日は㈱CONYJAPAN小西正行社長、㈱狩野ジャパン狩野喜治社長の2名のカリスマ社長による体験を踏まえた講演、「たけしのTVタックル」、「たかじんのそこまで言って委員会」等のコメンテーターとしてお馴染みの勝谷誠彦氏の特別講演(トークショウ)が行われます。また、オープニングに「総合福祉戦隊ケアレンジャー=長崎県上五島町の高齢者福祉の実技を見せる実務家」ショウ(今回は社会貢献の大切さを寸劇で見せる)が行われますので、ご家族揃って見に聞きに来てください。障がい者が作った工芸品・グッズの販売や、地産地消商品の販売(天正夢カレー、えたり=カタクチイワシ=販売、椿製品、ちゃんぽんスープの無料試食など)も行われます。(主催:長崎県、協力:大村市、企画運営:ながさき地域政策研究所)

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九州・アジア統合型リゾート構想を説明させていただきました~三つのタイプのカジノ・リゾートを日本に

2月20日午後、長崎経済同友会で九州・アジア統合型リゾート構想について講演させて頂きました。同構想は、九州と海外の交流の歴史・独自文化や、環境配慮型の「スマート・エンターテイメント施設」を目指すことを基本コンセプトとしています。欧米・アジアの先行カジノ・リゾートの事例を見るにつけ、全国に対し、三つのタイプのカジノ・リゾート、すなわち、①大都市圏モデル、②地方広域活性モデル、③離島振興モデルの必要性を提唱していくべきであると思います。九州・アジア統合型リゾートは、②のタイプで、県域を越えた複数の自治体の連携と調和をもとに地域振興を目指したいと思います。会場の出席者からは賛同の意見と同時に、早期に中・南九州も含め、九州全域をカバーする組織を作るべきではないかなど、今後の進め方について前向きの意見が出されました。(画像は、私が2007年1月に、マレーシアのゲンテインハイランドを訪問した際のもの。標高2,000㍍の山の上に展開されたカジノ・リゾートで、6つのホテル・カジノ・テーマパーク(テーマは「熱帯雨林」)・ゴルフ場・コンベンション施設・レストラン・ショップ等から成る。) 画像マレーシアカジノ

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