長崎の季節はいつの間にか梅雨から夏へ~「大村の海銀漢をひと呑みに」「夏の月床にまあるく褥(しとね)かな」

7月1日、長崎から佐世保の長崎県立大学に向かう途上、大村・東彼杵・千綿を通過するときに、雄大な大村湾を背にした田園風景が日の光を浴びてまぶしく見えました。昨日までは梅雨、今日からは一気に暑くなり夏が来ました。七夕も近いです。「大村の海銀漢をひと呑みに」「天の川吞み込んでいる大村湾」世界最大級の閉鎖性水域で波静かな大村湾が、降り注ぐ満天の星を受け止め、大きな口を開けて呑み込んでるように感じました。人間は雄大な風景を目にすると、発想が一気に広がります。エジプトの天文学者もこの光景を目にしたら、感動したでしょう。日常が小さく見えます。「夏の月床にまあるく褥(しとね)かな」部屋のベッドに寝転んでいると夜半の月が床に明るく映っているように見えます。夢とうつつの間に幻想的な月の光が部屋に注ぎ込む、ああもう夏が来たのかと感じる日常です。「紫陽花に風起こり部屋抜けていく」梅雨の最後、蒸し暑いので窓を開け放つと、部屋の前の紫陽花(長崎を代表する花)を通り抜けた風が涼しく感じられます。大自然と小さな自然、非日常と日常の両方を人間は取り上げたくなります。

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井伊直虎(なおとら)が教えるもの~公(おおやけ)に尽くす「ファミリーの存続」という経営戦略

現在、NHK大河ドラマで、井伊直虎の物語が放映されています。「井伊家伝記」を原典とする感動のストーリーが展開されていて、私のような経営戦略家・地域経営専門家としても、大変教訓に満ちた歴史的事実だと思います。井伊家の歴史の最初の部分は、今川家の支配下、小野家を通じた管理が行われ、讒言(ざんげん)もあり、直満・直義が自害、直親までもが謀殺され、直平も毒殺され、当時家を後継できる男子がいなくなり、最後の砦として龍潭寺に出家していた直虎(次郎法師)が女性として、1565年女地頭となるのです。この後、直虎は1569年の今川家が滅亡に至る前に、情報収集により、徳川家に接近し、直親の子供直政を育てあげ、直政が1575年、家康の小姓に取り立てられます。直政は家康の側近として活躍し、1602年、42歳の若さで亡くなりますが、1604年井伊家は彦根に転封され、直勝が彦根城を築城し、大老・井伊直弼(なおすけ)に至る井伊家繁栄の基礎を作ります。井伊直虎が女性でありながら、家を守り、繁栄に導いたことは、結果として「ファミリーの存続」という経営戦略を実行したことになります。井伊直弼は、幕末、日本のために開国を進め、「桜田門外の変」で暗殺されます。これこそ、直虎・直政から続く、「公に尽くす」という使命感に裏付けられた日本人としての生き方で、260年にもわたる井伊家の経営戦略だったのではないかと思います。

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東京イトーキコンベンションを視察~仕事の効率化を促すオフィス。佐々木常夫氏の「働き方改革」講演も。

6月22日午後、東京・京橋イトーキ・イノベーションセンターで行われた「SYNQAプレミアムセミナー」に参加しました。1時間ほど、「働き方改革」に通じる、効率的・快適なオフィス環境のラボ(実証実験)を拝見しました。個人で集中して作業する空間・チームデイスカッションで共同して知恵を出す空間と大きく分かれます。14時から、佐々木常夫氏の「個人も組織も成長するための働き方改革」と題した講演で、タイムマネジメント(生産性向上)はすべての基本、ワークライフバランスを実現する仕事術、ワークライフバランスに成功した企業の例、自分と人を活かすマネジメント、実践七つの習慣など、20-40歳台の若い方々に向けて、東レ及び東レ経営研究所社長時代など自分の経験を中心に語っていただきました。同氏は、奥さんのうつ病、長男の自閉症など、私が経験していない苦悩を抱え、限られた時間で働かなければならなかった環境下で編み出したノウハウという側面もあると思いました。私も同様の講演を全国で依頼されることがありますが、佐々木氏ならではの言葉も沢山あります。「強くなければ仕事はできない、優しくなければ幸せにはなれない」「戦略的計画立案は仕事を半減させる」「プアなイノベーションより優れたイミテーション」私にはとても言えない内容もありました(笑)。若者にとっても、ベテランにとっても有意義な講演だったと思います。

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飛行機で読んだ一冊⑪~「本物の大富豪が教える金持ちになるための全て」

6月20日夜、長崎から東京に移動する便で読んだ一冊が、フェリックス・デニス著「本物の大富豪が教える金持ちになるための全て」でした。ブログでこの種の書籍を紹介することは、躊躇われるのですが、数多ある啓発本と全く異なり、この本は、自らの経営者として、投資家としての経験を、成功だけでなく失敗も率直に自己分析して書いてあるので、大いに参考になります。普通は、最も重要なことは、書きません。私自身、このブログでも過去6年間にわたって取り上げてきた通り、20歳台のころから多くの成功した経営者や投資家と何度も会って、様々な教訓を得てきましたが、各人の置かれた状況や事業分野は異なるものの、成功者には共通点があります。「死の床に就き、金持ちになる秘策を短い時間で伝えなくならなくなったら、私は、次のように言うだろう。①秘訣の半分は「所有」すること。②残りの半分は抜きんでた仕事をすること。」(p.245)著者のフェリックス・デニス氏はイギリスを代表するメデイア王・出版王ですが、①に関して同氏が最も重視するのは、事業でも株式でも1%でも多くの所有をすることであるといいます。②に関して、「抜きんでた仕事」をすることの意味は、(ア)良い人材が集まること、(ィ)間違いが減ること、(ウ)資産や事業の価値が高まること、(ウ)そのほうが楽しいこと、と言います。つまり「量と質」の両方を求めているのです。成功を目指す多くの日本の若者や経営者の皆さんに、「真実の言葉」を読み取っていただきたいと思います。

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小池都知事への報告書手交に出席~知事の言葉「築地のブランドは大切にしていきたい」

6月13日午後2時40分、都庁第一本庁舎7階の記者会見室に小池知事が黒い洋服をまとって現れ、小島座長の隣に立たれました。小島座長から、報告書を受け取られ、私以外に梶田・佐藤・森高の各専門委員が並び、山のごとくいろんな高さでカメラを構えた記者からのフラッシュを3回、浴びました。テレビのスタジオでの照明に慣れている私も、余りのまぶしさに、しばらく、小池知事のお顔がよく見えなかったほどです。今日の報告書手交は、数ある私の経験の中で、CMEのレオ・メラメド会長や松下電器産業(パナソニック)の故松下幸之助氏やアリババ・ドットコムのジャック・マー会長にお会いした時と同様、生涯忘れられない思い出となると思います。
思えば、昨年9月29日の市場問題PT第一回会議で初顔合わせをして以来10か月半が経過し、この間に10回の公式(公開)会議が開催され、豊洲移転の可否・築地市場改修の可能性・豊洲と築地両市場の将来像などが幅広く議論されてきました。やっと報告書を小島座長中心にPTとしてまとめてほっとしています。

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紫陽花のLINE吟行~「シーボルトおたきの悲恋の濃紫陽花」「紫陽花や子ども育ちしマリア園」

6月11日に俳句の先生や仲間と、「紫陽花(あじさい)」をお題にして、LINEグループ上で吟行を行いました。句数は2句。紫陽花と言えば、長崎のシーボルトとお滝さんの悲恋の物語です。原句は、「外国船シーボルトも見た紫陽花や」。国際観光船から降り立つ外国人も、昔のシーボルトのように、長崎の紫陽花を眺めたのでしょうか。ただ、この句では、外国船・シーボルト・紫陽花と材料が三つもあって多すぎます。「紫陽花や子ども育ちしマリア園」長崎の南山手にあるマリア園は、全国から子供が集まる児童養護施設(乳児院)で、様々な境遇の子供の成長を見守るように、紫陽花が青や黄の花を咲かせています。親はどんな気持ちで子供をマリア園に連れて来たかと思うと紫陽花の淡い色が涙にすら見えるのです。でも、子供たちには、新しい人生があります。礼拝堂のマリア像に見守られながら、子供たちはこの施設から巣立っていきます。

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「生涯活躍の街を訪ねて~兵庫県三木市の例」(NBCラジオ「おはようコラム」2017.6.9)

5月下旬、兵庫県三木市の「生涯活躍の街」緑が丘地区センターを訪問し、職員の方から、お話をお伺いしました。「生涯活躍の街」とは、内閣府が進めている政策で、東京圏等を始めとする大都市地域の中高年齢者が希望に応じ、地方や「街なか」に移り住み、多世代の地域住民と交流しながら、健康でアクテイブな生活を送り、必要に応じて医療・介護を受けることができるような地域づくりのことです。全国で10か所指定されており、近畿地方では三木市のみです。
三木市緑が丘地区は、昭和45年ころに大和ハウスが中心となって造成された神戸市のベッドタウンで、平成27年人口が8万人、高齢化率が30%ですが、平成72年には、人口が半分の4万人、高齢化率が45%と、急速に人口減少・高齢化が進むと推計されている街です。
三木市の「生涯活躍の街」構想の要点は、①戸建て住宅団地の再生、②住み替えや移住の促進、③高齢者の生活支援、④鉄道(神戸電鉄)を維持、の4点です。また、三木市では、「郊外型住宅団地ライフスタイル研究会」を立ち上げて、産官学協働で生活の利便性を向上させるサービスを研究しています。研究会のメンバーは、関西学院大学・関西国際大学・大和ハウス・コープこうべ・神戸電鉄・神姫バス等です。
長崎県内でも、壱岐市・西海市で「生涯活躍の街」構想が進められています。長崎県も、都市近郊・離島・農山村地域それぞれで高齢化が進んでおり、まだまだ「生涯活躍の街」が必要だと思います。

(このブログは、NBCラジオが聞けない地域の方々からのご要望があるため、概要を掲載させていただいております。)

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雲と海の世界~「入梅や女神大橋雲垂れり」「雲海を割って都庁に降り立ちぬ」「海を割り燕飛び立つ豊洲かな」

6月5日の都庁市場問題プロジェクトチーム会議が終わり、長崎の大波止に帰ってくるといつもの長崎港が待ち受けてくれていました。梅雨に入り、長崎港の入り口にそびえる女神大橋に雲がかかったり晴れたりを繰り返しています。「入梅や女神大橋雲垂れり」。この季節は、全国的に梅雨空で、空からの景色も雲と海だけになります。飛行機で長崎と東京の行き来は雲を跨ぐように、2時間の空の散歩の世界。「雲海を割って都庁に降り立ちぬ」。豊洲・築地市場問題は、僕なりに一つの方向性を出せたと思います。まるで、モーゼの「十戒」(旧約聖書・「出エジプト記」)のように、人類を救うために、神様が海を左右に割って大きな道を用意してくれたかのような壮大な気分になりました。「海を割り燕飛び立つ豊洲かな」。本当は「カモメ」と言いたいところですが、カモメは季語にはなりません。豊洲が俊敏な燕のように高く舞い上がり、発展する将来像が見えています。

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東京都庁市場問題プロジェクトチーム会議第10回(最終会議)に出席~第一次報告書案について

6月5日午後2-4時、東京都庁で市場問題プロジェクトチーム会議第10回がマスコミ公開・インターネット中継の下で開催され、専門委員として出席させていただきました。前回に引き続き、テーマは「第一次報告書案について」で、報告書をまとめる最後の案になりました。卸売市場の在り方・豊洲市場移転案・築地改修案の三部構成となっており、論点整理と、豊洲・築地の将来像がまとめられています。会議の中で、私は、前回に引き続き、豊洲・築地両市場の将来像、中央卸売市場の経営戦略・経営組織・市場会計等の「市場経営」について、コメントをさせていただきました。(画像は6/6日本経済新聞朝刊記事の一部)

1.豊洲市場は、建設済みの施設を使って、「IT化された物流センター」として発展する将来像を描ける。インターネット取引や大手流通業との取引拡大など、「他市場への転送量」・「市場外取引量」(報告書案p.48)が今後も増加する可能性が大きく、この需要を取り込むことによって豊洲市場の取引量もビジネスチャンスも拡大する。築地市場は、「市場内取引量」を対象として、戦前から確立された「築地ブランド」(背後地の銀座・赤坂等の料理屋等に支えられてきた日本の魚食のブランド)を活かした、卸売市場を維持・発展させることができる。ただし、市場内取引量はすでに減少を続けていて、これを早々に底打ちから増加させる必要があり、そのためには、東京オリンピック・パラリンピックを控え、世界に発信する日本食の殿堂・「食のテーマパーク」として発展させることが将来像として必要になる。この点で、豊洲は「量」、築地は「質」を求める市場となる可能性が大きい。

2.これを実現するために、豊洲市場は、物流センターとしてのIT化を、輸送サービスの利便性(トレーサビリテイの担保や荷役の生産性向上)・環境負荷軽減(運行実績管理や輸送管理)を目指して進めることが必要である(P.46)。一方、築地市場は、「卸売業者と多様な卸売業者のネットワーク」という「強みを生かす経営戦略」を実行するために、「市場内取引」を維持・増加させる方策が必要であり、そのためには、①市場経営・企業経営の努力、②卸売・仲卸業者の業界改革、③仲卸業者の新規参入の検討、④卸売・仲卸業者の外資参入の検討を行うことも必要になろう(p.47)。

3.今後の中央卸売市場の発展のためには、市場経営のガバナンスの確立が最も重要で、東京都自体が、市場の経営戦略を中央卸売市場全体と各11市場について策定し、実行計画を始めとするPDCAサイクルを行い、そのために、経営組織を整備することが必要である。中央卸売市場には、経営戦略を企画立案決定する外部有識者も構成員とする「市場経営戦略委員会」(仮称)、その執行機関としての「市場組織」、卸売市場が適法・適正に運営されているかを監査する「市場監査委員会」(仮称)を設置することが望ましい(P.41)。市場経営を維持するための市場再編も、水産・青果・食肉の3つの分野ごとに検討することも必要ではないか(p.43)。

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温泉に浸かって考えたこと④~日本人の得意は柔軟な発想「『福の湯』は街の天辺(てっぺん)山郭公(ほととぎす)」「天辺(てっぺん)の名湯で聴く時鳥(ほととぎす)」

6月4日、久しぶりに長崎でゆっくりした時間を得たので、早朝から福の湯に行きました。温泉は体を温めて免疫力を高め、血圧を下げ、様々な病気の治療に使われます。薬草を湯に入れたり、薬草を煮立てて水蒸気にして浴室で吸い込むというのも治療に使われます。「夏蝶の来て薬湯に身を染むる」夏の蝶ですら疲れて薬湯に浸かりに来ています。ここの温泉は、露天風呂から送電塔の頭を越して眼下に街を見下ろすことができて、鳥や仙人になった気分です。「天辺(てっぺん)の名湯で聴く時鳥(ほととぎず)」「『福の湯』は街の天辺(てっぺん)山郭公(ほととぎす)」鳥や仙人になると、東京都の豊洲問題も、豊洲・築地いずれかというのではなく、それぞれの特徴・強みを活かした土地利用を考える、「第三の道」を考えることも一策だと思うようになります。もちろん、法律や経営・会計の問題をクリアしなければなりませんが、これも工夫次第だと思います。世界の中で、日本人の得意(強み)は柔軟な発想です。僕は頭を坊主にしていることもあり「一休さん」(一休宗純)をLINEなどのキャラクターにしていますが、「その橋わたるべからず」など、頓智が楽しいですよね。一休さんも軍師も、難しい問題や局面程、頓智が必要になるような気がします。

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