i-ConstructionのTOTAL MASTERS玉里社長が長崎に来てくれました~建設分野のロボット技術

3月25日早朝、いつものようにPCのメールをチェックすると、TOTAL MASTERSの玉里芳直社長(30歳代後半)から「ドイツのハノーバーで行われたCeBIT(日独共同開催の展示会で、コンピュータ部品の見本市)から福岡着で戻ったから長崎に行きます。」とのメールが昨晩20時半頃入っていて、安倍首相他と会っている画像が添付してありました。CeBIT2017は3/20-24開催されました。「今からだとほとんど会えない」とは思いつつ、「今日は長崎にいるからいつでもどうぞ」と返信しておいたら、9時半頃、長崎市大波止の事務所に突然お越しいただき驚きました。昨晩は長崎に泊まったと言っておられました。TOTAL MASTERSは、三重県桑名市の企業で、土木・建設業界で労働者不足を補い、生産性向上・省人化を実現するために、ロボット・IoT技術を用いてi-Constructionをゼネコン等に提供する企業で、経済産業省からも注目されています。2月25日に学会理事会で東洋大学の久留島先生から紹介されお会いしたのが初めてでした。今日は、1時間くらいしかお話できませんでしたが、ドローンやロボットを建設現場に活用するという若い経営者の発想と、年の半分は海外にいるという行動力に驚かされました(画像は玉里社長と)。http://kikumoriatsufumi.com/wordpress/wp-admin/media-upload.php?post_id=5915&type=image&TB_iframe=1

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「長崎市中央部・臨海地域」都市再生委員会出席~長崎を大きく変えるプロジェクト

3月24日午後、長崎県・長崎市共同による、「長崎市中央部・臨海地域」都市再生委員会がマスコミ・傍聴者公開の下で開催され、委員長に選任されました。長崎市中央部・臨海地域には、長崎駅周辺エリア、松枝周辺エリア、まちなかエリア(新大工・浜町・銅座)、中央エリア(出島復元・新長崎市庁舎・県庁舎跡地)といった、今後の長崎の街を大きく変える再開発等のプロジェクトが含まれています。委員からは、①新幹線開業により観光客がどの程度増えるか、②新幹線・在来線で長崎に着いた観光客が、バス・路面電車にどうアクセスするか、③エリア間の回遊をどう進めるか、など多岐にわたる質問が活発に出されました。交通面や人の動線検討に課題が残るとはいえ、巨大な開発計画のほとんどを一挙に説明していただき、大変有意義な委員会でした。

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黒川紀章氏との思い出~建築界の巨人の言葉を振り返る

3月19日、建築家の故黒川紀章氏のことを私が書いたコラムが見つかりました(全国理容総合研究所HP)。長崎県壱岐市「一支国(いきこく)博物館」の設計が彼の遺作となりました。長崎県壱岐から、福岡港・ハイヤー・福岡空港・全日空ジャンボ機最先端の席・羽田空港まで、ご一緒した際に、延々と黒川先生が私に語ってくれた時の思い出です。2007年10月に亡くなられましたが、建築界・都市設計界での業績とともに、世界観・教育観には、学ぶべきものが多いと思い、以下に再掲させていただきます。

黒川紀章さんとの出会い
4月26日、私は初めて日本を代表する建築家黒川紀章さんとじっくり話をする機会を得ました。私は、長崎県壱岐で行われた、原の辻遺跡の委員会で、コーデイネーターを務め、委員の一人として、長崎が好きな黒川さんを県が呼んだのです。彼は世界的な建築家で、マレーシアの国家顧問になるなど、建築のみならず政治や経済のあり方にも興味を持たれる、幅の広い人です。考えてみれば、超多忙な黒川さんが、長崎の離島で開かれる委員会に出席してくれるなど、想像もつかないことです。彼は、原の辻遺跡という、奈良県の明日香にも匹敵し、わが国でも例を見ない「弥生時代の国際交流センター」に興味を持ち、これをどう守り育てるかに関心があったのです。壱岐は「魏志倭人伝」に出てくる「一支国(いきこく)」で、東アジアとの交流が盛んに行われ、古代へのロマンを感じさせる島です。 壱岐での委員会が終わり、全日空で東京まで同行する間に、色々な話をすることが出来ました。日本は再生できるのだろうかとの質問をした際、彼は、「内部の論理が強過ぎて、外の意見に耳を傾けない日本は、自らの力では改革できない。もう私の生きている間には変革することは出来ないだろう。あなたの年代に期待したい。」と言われました。「日本は本当に人材を大切にし、ハイテク化を図ろうとしているのか、疑問に思うことがある。日本では、経済産業省も文部科学省もIT(情報技術)とバイオは分離して考える傾向にあるが、アジアやアメリカでは、ITは遺伝子構造の解明を通じてバイオと密接に関わっている。これが何故理解されないのか。」「国の教育審議会の委員になり、大学を改革するにはどうしたら良いかとの議論はするが、大学関係者当事者が決めるために、自分たちが不利になることはやらない。例えば、大学の先生の半分は英語が自由に話せる人や、外人を登用すべきであると唱えたが、未だに外人の教授は極めて少ない。このため、大学は最も怠慢な社会になっている。」「日本は戦略的な考え方のできない国だ。国も地域も企業もコンセプト(全体を導く方向性や戦略)作りなしには発展できないのにも拘わらず、取捨選択して、一定の方向性を出すというリスクを伴うことができない。」ご自分の経験を踏まえた、色々な意見が出ました。今では、外国政府から呼ばれる方が多いそうです。

私は、コンセプトこそが、国・地域・企業にとって重要であると考えます。組合もサロンも、戦略なしには生き残れない時代が来つつあります。例えば、理容総研は、「営業支援型の組合」「若い人を大切にする組合」というコンセプトを提言しています。後は組合員の方々が、その実現に向けて、どこまで真剣に実行できるかに掛かっていると思います。新しい時代に向け、一歩踏み出す勇気を持ちたいものです。

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長崎県美術館「夢の美術館」展に行きました~東山魁夷「凍池」の表現力に驚き

3月19日午前、長崎県美術館の「夢の美術館ーめぐり合う名画たちー」を鑑賞しました。ちょうど、壱岐市の特別養護老人ホーム「壱岐のこころ」の鬼塚裕司施設長の誕生日なので、鬼塚ご夫妻と一緒に行きました。これは、福岡市美術館・北九州市美術館名品コレクション展でもあり、両館のリニューアル工事に伴う休館により実現したものです。モネやダリやウオーホルなど、名だたる画家の作品が多い充実した展示でした。その中でひときわ目を引いたのが、東山魁夷の「凍池」でした。冬の池で、端から中央にかけて凍っていく様子を描いた絵画で、日本の冬の風景の美しさを感じる作品でした。私は、郷里の三重県伊賀市にある正月堂の脇の小さな池と猫柳の樹を思い出していました。美術館には、25歳の時からアメリカやイタリア・フランス・スウエーデン等世界の美術館巡りをして、優れた作品を肌で感じていたので、関心がありました。忘れることができないのは、2008年12月佐世保市で「新美術館整備基本構想検討委員会」の委員長を務めさせていただいた時のことです。佐世保市の島瀬美術館をより充実させる方針で検討していましたが、実現できなかったことは未だに残念な思い出です。文化施設や新庁舎は、市民・県民の機運が盛り上がり、財政的に多少のゆとりがある時に建設するのがベストで、タイミングを失すると、なかなか建設に着手することが難しいと思います。印象派のコレクションで世界的に著名なシカゴのArt Instituteには、毎月通っていたことがあり、子供たちが床に座って本物の絵を模写する光景を見ていただけに、「市民に親しまれる、次世代を育成する」美術館経営が求められていると思います。

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観光地に住むということ~長崎の中華街から世界を展望する

3月18日、昼食時に長崎の魚・野菜を提供する地産地消レストランで食事をしていたら、外国人の団体が入ってきて、すぐに満員になってしまいました。15年前はローカルな観光地であった長崎に住んで、東京と生育地・奈良を行き来する私にとって、ここ2年位で長崎も奈良も居住環境が大きく変化したと感じます。それは、街中に外国人(欧米人もアジア人も)が増えて、地域住民の行くお店に観光客が来るようになっていることです。レストランや量販店やスーパー銭湯などは、観光客が行かない時間帯に行くという配慮が必要になります。地域経済にとっては、大変ありがたいことです。私は長崎の中華街に住んでいても(何故中華街に住んでいるのか、よく聞かれます。)、海外の外交・経済・金融情報は、海外サイトにwebでアクセスすれば、十分に入って来て自分で世界経済の予測も作成できますし(一部は講演に使ったりマスコミに公表しています)、世界中の市場と取引もできます。「ローカルがグローバルとつながる」時代が来たことを痛感しています。とはいえ、自分で見聞きし、生の情報を得るためには、国の機関や外国などに実際に行って人と会い、体験しないとわからないことも多くあります。「グローバルなチャンスは格段に高まるが、一流のサービスや核心を突いた情報の重要性は変わらない」とでも言えるのでしょうか。事業も、ますます「コモデイテイからハイエンドへ」が求められると思います。http://kikumoriatsufumi.com/wordpress/wp-admin/media-upload.php?post_id=5899&type=image&TB_iframe=1

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飛行機で読んだ一冊⑧「革命的福祉経営戦略」~福祉施設経営者に必要な戦略発想

3月15日夜、長崎から東京に移動するskymark(ヤマトジェット=宇宙戦艦ヤマトのシート)の機内で読んだのが、栗原徹氏(社会福祉法人エスポワールわが家理事長)著「革命的福祉経営戦略」でした。栗原氏は、日本社会福祉事業大学院福祉マネジメント研究科(修士)卒で、日本信販㈱(現三菱UFJニコス)専務取締役のあと、外資系企業のコンサルテイングを行ってきた方です。この本は、社会福祉法人における経営戦略の理論と実際を整理して説明した好著で、私が2000-2001年に書いた、「工務店はサービス業だ」(建築業)や、「21世紀のサロン経営」(理容・美容業)の介護福祉業界版の経営戦略書です。3月16日夜、東京から長崎に戻ってテレビを見ていたら、NHKの「クローズアップ現代+」で、「老人ホームに空きが?増える入居待ちの裏で」という番組が放映されており、特別養護老人ホームの稼働率が96%で(20,000人分空いている)、サ高住(サービス付き高齢者住宅)の中には経営破たんしているところもあるという事実を紹介していました。福祉施設経営に大きな経営環境の変化が押し寄せており、経営の巧拙が問われる時代になってきています。

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豊洲市場問題の教訓(NBCおはようラジオ2017.3.15放送要約)~人口減少時代の公共投資の在り方を考える

3月15日朝のNBC長崎放送ラジオのコラムで、「豊洲市場問題の教訓」と題して、人口減少時代の公共投資の在り方について、お話させていただきました。2月23日東京都庁からテレビ中継された第6回市場問題プロジェクトチーム会議で、私が「市場会計と減価償却の扱い・豊洲市場の経営リスクについて」をプレゼンしたことに関し、地方の施設整備の在り方の参考になります。東京都に比べて財政が豊かでなく、人口が減少する長崎県のような地方において、今後公共投資を行う場合、次の二点に留意することが必要であると思います。①公共施設を建設する場合、その後50年間程度の、修繕・維持管理コスト(ライフサイクルコスト)を含めた事業計画を作って、将来の財政を圧迫するような過大な投資は控えること、②公共施設整備に関する建設費や維持管理コストなどの情報を県民・市民に分かりやすく開示し、みんなが施設の利用に努め、役立つ施設を大切に長く使うこと。長崎市の市民病院や市立図書館のPFI(民間事業体が資金調達を行って公共施設を運営する手法)導入などは、公共施設に民間的経営手法を取り入れた点で評価できると思います。(画像は、私のプレゼン風景。東京都庁のHP都政改革本部で動画公開されています。)

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2018年度診療・介護報酬の同時改定に向けた経営戦略フォーラムに出席させていただきました~神戸会場は満員の盛況

3月12日午後、神戸メリケンパークオリエンタルホテルで開催された、日経健康セミナー「2018年度診療・介護報酬の同時改定に向けて2025年を見据えた医療・介護の経営戦略」フォーラムに出席させていただきました。ASK梓診療報酬研究所・中林梓所長と全日本病院協会西澤寛俊会長(社会医療法人恵和会理事長)の、今後の大幅な制度改正に対応するための中長期戦略の講演は、地域医療・福祉機関の経営アドバイザーや委員を務める私にとっても、大変刺激的な内容でした。地域医療構想・医療計画・かかりつけ医制度・在宅医療など、私が現在関わっている、医療機関経営アドバイスや、長崎地域包括ケア教育外部評価委員会とも直接リンクする内容でした。政府の今後の医療・介護報酬制や医療・福祉制度自体の改革によって地域医療福祉が大きく変わる中で、公立病院・民間病院とも経営戦略の見直しが不可欠になります。特に、200床以下の民間病院の経営戦略が、地域医療を守るという観点から重要になります。急速な人口減少・高齢化がここまで日本の医療・福祉機関の形を変えてしまうのか、まさにこれからが正念場だと強く感じました。(画像は、神戸港。会場となったオリエンタルホテルから見える。)http://kikumoriatsufumi.com/wordpress/wp-admin/media-upload.php?post_id=5877&type=image&TB_iframe=1

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JAL大西会長がブランド戦略と感性~「感動の経営」を

3月7日朝の東京12チャンネル「モーニングサテライト」の中で、JAL大西会長が、ドナルド・A・ノーマン著「エモーショナル・デザイン」に触れ、「自社の立て直しにはブランドの作り直しが大きな役目を果たし、ブランドは『感性』に訴えるものが多い」というお話をされていました。私は、JALに年50回以上乗っていて、顧客サービスの向上には、「感性」と「機転」が重要だと感じています。多くの若い職員や街の若い方々を見ていて思うのは、まず、お客様の本当のニーズや変化に「気付くかどうか」が重要で、気付かなければ何も進まない。次に気付いたら「行動を起こす」ことが必要となりますが、どう行動を起こしたらいいか解らないという方が多いのではないかと思います。接客業であれば、これがサービスの本質だと思うのですが、私の講演や研修では、ノードストロム・ウエイ(絶対にノーとは言わない百貨店)やSAS(スカンジナビア航空)の「真実の瞬間」や京都の老舗料亭などに触れながらお話をしています。JALの話に戻すと、2年前の8月12日、JAL1841便の機長のアナウンスは、今も心に残っています。日航機墜落事故の時にまだ生まれてもいなかった若いパイロットが、事故に言及し、安全運航の話をするとは思いませんでした。どんな企業・団体も、「感性から感動に」発展させることができれば、事業を成功に導くのではないかと思います。(画像は、東京・原宿でのサプライズの誕生パーテイー。2017.1.9)

(以下、2014.8.13の私のブログ再掲) 8月12日早朝、羽田から長崎に向かうJAL1841便に乗っていた時、機長の操縦席からのアナウンスで、「今日が日航機墜落から29年にあたる日です。私がまだ生まれてもいない、入社もしていない時の事故ですが、このような悲劇が二度と起こらないように、万全を期したいと思います。」と、お決まりの言い方ではなくて、パイロットのたどたどしく、詰まりながらの言葉で語られたことに驚きました。もちろんそのようなアナウンスをすることは会社として方針は出ていたのでしょうが。この事故を振り返ると、なぜか、坂本九さんと住友銀行の調査部長が乗っていたことを思い出します。

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飛行機で読んだ1冊⑦~「美しき日本の残像」・わが心の「残香の茶会」

2月23日の東京都市場問題PTの第6回会議に出席するために長崎から羽田に移動する飛行機の中で原稿を書く合間に読んだのが、アレックス・カー「美しき日本の残像」でした。日ごろ、論理的な学術論文や、実務的な本を読んでいると、ふと、みずみずしい日本語や日本の風景に接したくなります。私が長崎・奈良・東京を愛して3地点で活動する理由は、ここにあります。アレックス・カー氏とは、小値賀島・平戸で何度かお会いして、日本人以上に日本の風土・文化を愛している人だと衝撃を受け、2008年2月の平戸・松浦家から茶席の客人として招かれた時のことを鮮明に覚えています。下に、その時の思い出を長崎新聞にコラム「残香の茶会」として掲載しています(2011.7.30ブログに掲載)。自分の書いた昔の文章は読みたくないものですが、不思議なことに、これだけは何度読んでも記憶がみずみずしく蘇るのです。「美しき日本の残像」は、日本古来の美意識や思想が柔軟であることに、外国人の目を通して気づかされます。「山の人と平野の人との違いです。孔子が『かしこい人は水を好む、やさしい人は山を好む』と言ったように、世界のどこにおいても、山には心の優しい人が多いのです。(中略)それに比べて今の日本人の頭のかたさは対照的です。長い幕府政治、明治から昭和初期にかけて続いた軍国主義、そして現代の教育のシステムによって作られたものだと思われます。」(第二章祖谷)私が「残香の茶会」に書かなかった、茶会での出来事があります。当主松浦章さんが、正客アレックス・カー氏に、書を所望したときに、茶会が行われた禅寺の襖を外し、床に置いて、箒のような大きな筆で書を書いたのです。字は「乾坤一擲」でした。韓愈の詩「鴻溝を過ぐ」にある、武家茶の席にふさわしい字であったと思います(乾坤一擲とは「運を天に任せ、一世一代の大勝負に出る」の意)。この夜の鎮信流の茶会のことは、一生忘れないと思います。(画像は、熊本県湯前町で講演した際の宿泊施設で。2016.3.2)

(以下は私のブログ再掲2011.7.30)

私が長崎新聞のコラム「うず潮」に月一回寄稿させていただいて、来月で早くも丁度8年になります。この中で、松浦家当主松浦章氏(現在藤沢在住)との「稀有な経験」は今も心に残っています。以下のコラムは2008年3月に掲載されたものです。
二月下旬の満月の夜、平戸市の禅寺で鎮信流の残香の茶会が開かれ、ご招待いただきました。私は奈良育ちですが茶会は30年以上出席したことがなく作法や正座など不安で一杯でした。正客である日本文化研究家のアレックス・カー氏や亭主の松浦氏に優しく教えていただき、何とか四時間余りの茶会を有意義に過ごすことが出来ました。月明かりを頼りに苔むした石段を上がり門をくぐると、蝋燭の光だけの客室に通されました。枯山水の庭に月光が降り注ぎ、日頃電燈になれた暮らしを営む私には、眩く美しく感じられました。まず江戸時代から変わらぬ山海の伝統料理が四つのお膳で運ばれ、昔の平戸に思いを馳せました。次に茶室に移り濃茶をいただきましたが、驚いたのは、二つの獅子の掛け軸と、花活けの三メートルはあるかと思われた凛とした竹と可憐な一輪の花でした。明らかに侘びさび茶とは異なり、客人を威嚇するような掛け軸と花活けに、かつて交渉や敵状視察の場として使われた「大名茶」の名残を感じました。最後に別の茶室で薄茶をいただきましたがここでも御簾の向こうで茶を立てるため、客人からは見えないという特徴がありました。
茶会の話題の一つが「平戸の再生」で、平戸の交流人口を増やす観光振興の行動を起こすには、地域の人々が我が住む街の魅力を再発見し、リーダーを中心として街作り運動を実際に起こすこと、外部の人の力を借りてでも平戸の魅力を世界に情報発信することが必要であると話しました。街作りのリーダーとこれを支える人材が現れる地域は発展するという客観的事実があります。また、住民の街作りの動きに呼応して、行政がカネや情報の面で支援し、官民協働を進めることも重要です。
異空間にタイムトリップしたような寒い禅寺を出た私達は、あたかも幻の世界から現実に引き戻されたかのように、平戸海上ホテルの森司社長らと平戸瀬戸が望める温泉で身体を温め、リラックスして酒を飲みなおしました。残香の茶会の残香とは、梅の残香というよりも、江戸時代に物産振興などで地域の発展を願った大名の残香ではないかと思いました。

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