東望荘で講演

11月19日、長崎の東望荘(社会福祉法人敬天会が指定管理)で「浮立(ふりゅう)とくんちの街作り」と題して講演させていただきました。昨日から続いた大雨のため、高齢者の方々が集まるか心配でしたが、多くの方に足を運んでいただきました。内容は、①長崎の浮立、②くんち(長崎くんち、矢上くんち)、③長崎の鯨文化、④長崎上海航路についてでした。くんちは浮立から発展したものであり、矢上くんちが長崎くんちの小川町の中尾獅子踊り(唐子踊り+獅子踊り)に影響を与えながら発展したという流れを説明しました。日本でも長崎・佐賀地域特有の文化遺産なので、地域で守り伝えてほしいとお願いしました。

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外国語指導助手招致による英語教育

11月18日、長崎県立長崎東高等学校の外国語指導助手招致による英語授業を視察させていただきました。これは、私が副委員長を務めさせていただいている、長崎県政策評価委員会で「外国語指導助手等招致費」を検討するための参考として行ったものです。東高等学校は、県内でも進学校で知られており、英語授業に臨む先生も生徒も質の高さを感じました。外国語指導助手(ALT)は2名(James,Jean)で、授業はrole playing形式で行われました。テーマはdirectionsで、街の地図を見て、目的地までどう行くかを説明する練習でした。実践的で、自分が旅行に行った際や、外国人が長崎を訪れた時の街案内にも役立つと思いました。日本の実践的外国語教育はアジア諸国の中でも取組が進んでおらず、英語・中国語については、今後日本が国際経済社会の中で生きていくために、日本語・日本文化教育と並んでもっと注力すべきだと思いました。私自身は英語も十分話せないまま25歳の時にTOEFLE・GMATの点数だけでアメリカの経営大学院に留学したので、英語自体の勉強の苦労をせずに、英語で経営学・経済学の学習をできたのが良かったと思います。反面、生活英語に最初の2か月くらいは苦労したことを覚えています。

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キトラスという名の拠点~1年を振り返って

福岡に総合的アンテナショップ「キトラス」が開業して1年が経過しました。設置の原点に帰るため、2010年10月長崎新聞「うず潮」に私が公表したコラムを再掲いたします。
 十月二日、長崎・佐世保・雲仙三市によるアンテナショップ「キトラス」が福岡市博多区川端商店街の入り口に開店しました。これは二年前、私が長崎市に提案し、賛同を得て、三市と当研究所で検討・準備を重ねてきた企画です。若い時に、私の職場に近い東京・有楽町の鹿児島県のアンテナショップが物販と飲食を合体した店として長期にわたり成功を収めてきたのを目の当たりにしてきたことがきっかけでした。そこでは、当時から居酒屋風の店で薩摩揚げや黒豚を手頃な価格で食べることができる店で、金曜日など若いサラリーマンであふれていました。関西出身の私には鹿児島の蒲鉾や黒豚が珍しく、食のレベルの高さを感じていました。これは物販だけの店では達成されなかったことだと思います。
 一方、レストランの経営を考えた場合、物販で新鮮なうちに売れ残りそうな食材をすぐにレストランで付加価値の高い料理に使うことが、効率性を高め、黒字維持のために有効であることは、農産・水産直売所や自然食レストランの経営事例が示している通りです。
 一定のコストを掛けてでも長崎県の常設の物販拠点を持つことは広告料と割り切れば可能ですが、地方公共団体の財政が厳しくなる中で、できるだけ持続可能な業態つくりが求められています。そのためには、やる気と能力のある民間企業に参画していただいて、経営を効率化することが必要になります。従って、キトラスは小さなアンテナショップですが、全国の他の同様の施設にはない組合わせ(物販・飲食・観光)と経営モデルを採用した先端的な拠点なのです。
 また、表に見える物販(小売り)だけでなく、全国で最も成功している沖縄県物産公社のビジネスモデルを参考にして、福岡の流通に精通したコーデイネーターを採用し、三市の産品の卸売(大手流通向け販売)拡大のための販路拡大も同時に進めています。
 三市を始めとして、まず福岡市場でキトラスを拠点としながら、物流・人流を拡大していくか、壮大な実験が行われようとしています。皆さんも是非行ってみてください。

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長崎にコンベンションシテイを

現在長崎市でのコンベンションの研究を行っており、以下は2010年10月長崎新聞「うず潮」に掲載された私のコラムの再掲です。
長崎は江戸時代から国内外の交流によって発展してきた都市です。長崎市のコンベンション年間開催件数は平成10年以降、約1,000件で推移しています。ここで、コンベンションとは、「人が非日常的に、モノ・情報・文化などの共通目的を持って一定の場所に集合する催し」と定義されており、対象範囲も広いため、経済効果(=経済波及効果+建設効果+運営効果)が一般的な観光よりも大きいので注目されています。現状長崎市では、300人未満規模が75%と、大規模コンベンションが少なく、また県内大会が61%で、全国大会が16%にとどまっています。私は、長崎市を交流文化都市として再構築し、新たな発展の起爆力を高めるためにも、コンベンションを軸とすることが不可欠であると考えています。しかも、国内人口が減少する中で、飛躍的増加が期待できる国際観光客を誘致する手段として、国際コンベンションにも段階的に注力することが必要であると思います。そのためには次の四点に早々に着手することが条件となります。
第一に、コンベンション戦略の構築です。長崎が元々有する資源のみならず新しい魅力創出により、コンベンションを誘致できる街にするという戦略が必要です。過去の輝かしい歴史だけでは将来に向かってコンベンションを誘致することは出来ません。医学・福祉・環境技術・平和の次世代への継承など、常に新しいテーマを長崎が求めて発展することが、全国や世界から注目される条件となります。そしてこのような発想の転換に立脚した新たな戦略を構築し、実行することです。
第二に、誘致体制の整備です。地域の受け入れ組織のワンストップ化を図るためにも、県・観光連盟・市・長崎国際コンベンション協会の方針の統一と協力体制が必要になります。また、国際コンベンションについては、ビッドペーパーを作成できるような誘致準備チームの整備も必要であると思います。
第三に、市内施設の整備です。より大規模な内外コンベンションに対応できる多機能型ホール(駅前再開発等)や駐車場、ホテル等の施設整備が必要です。特に国際コンベンションに対応できるようなホテルへの転換を図っていくことも重要だと思います。
第四に、情報発信です。今後は、長崎市の紹介や、誘致体制、施設、助成金等支援策等の情報を海外に向けても発信していくことが必要となります。

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「新しい公共」を発展させよう

平成23年度長崎県から「新しい公共」に関する二つの業務を私が所属する財団法人ながさき地域政策研究所が受託させていただきました。すなわち、①寄附文化醸成事業、②異分野NPO等交流事業です。①については、県南・県北で、寄附文化醸成のための講演会+シンポジウム+意見交換会を開催いたします。また、新聞・TV等メデイアを通じた広報や、ITを活用した寄附行為促進の調査・研究も行います。②については、NPO等・企業・大学等の多様な主体が直接、相対する場を提供し、交流会を開催するとともに、ITを活用したネットワーク構築・交流の場を提供します。私は3年前からNPO等活動で先行してきた関西の当財団客員研究員との共同で事例調査を行い、毎年1件ずつNPO等の経営、市民ファンドの提言、新しい公共のあり方についての研究論文・提言書を公表してきており、平成22年度は、「日本の中間支援組織の課題とその将来像」を公表しました(平成23年4月7日長崎新聞に記事として取り上げられました)。今回の受託を機に、「新しい公共」を成功させたいと思います。

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企業経営に投資家の視点を

日本がどこまで資本主義の国家であるかは別にして、資本主義体制をとる限り、企業の経営者は投資家にとって魅力ある企業にすることが必要であるし、また、その努力が資本の効率的運用を通じて、望ましい経営に導く可能性が高いことは言うまでもありません。もちろん従業員を大切にしなければ、資本だけでは良い経営はできません。「バフェットからの手紙2010年版」は投資するに値する企業像について、①優秀な経営者、②資本配分・収益の再投資の柔軟な実施、③株主視点で事業経営を行う企業文化、を上げています。①優秀な経営者とは、ここでは、「強い忠誠心を持って好きだから仕事をする経営者」です。「良い人を雇い、管理はしない」ということもその表れです。②資本配分・収益の再投資の柔軟な実施とは、定期的に各事業の価値を比較しながら、類似事業を行う上場企業の価値とも比較しながら、価値を算定し、その結果によって資本配分を行います。バフェット氏の例では、シーズキャンデーやビジネスワイヤーの投資収益から、BNSF(サンタフェ)鉄道買収のための資金をねん出したのです。③株主視点で事業経営を行う企業文化とは、単なるサラリーマンではなく、オーナーの目を持って事業経営を行うことです。そして、企業文化は自己増殖するもので、官僚的な行動がさらなる官僚制を生じさせるし、過度に立派なオフィスは傲慢な行動を誘発します。バフェット氏が経営するバークシャーハザウエイ社の本社賃貸料は年間27万ドルだそうです。株主のお金を自分のお金と同じように大切に扱い、株主を犠牲にして経営者だけにメリットのあるストックオプションや自社株式の割り当ては行わないなどの行動に反映されます。日本の企業が国際競争力を維持しながら成長するためには、こうした投資家の視点が不可欠ではないでしょうか。

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長崎県広報外部評価委員会出席

11月15日、長崎県の広報外部評価委員会が開催され、委員長を務めさせていただきました。テレビ番組(県政番組・情報番組・民放の情報生番組とのタイアップ)、県民だより、ながさきにこり等について評価・議論いたしました。全般的に高い評価を得ましたが、基本的に長崎県外向け情報誌「ながさきにこり」(内容は20ページ)は特にグラビア・記事ともに県外から評価されており(「オンリーフリーペーパー」東京都渋谷パルコ内からの取り上げ申し出など)、委員会でも評価する意見が多く出されました。「人」・「食」・「温泉」に県外の方々が興味を持つことが多いので、今後も県内の優れた観光資源・スポットを紹介する特集を続けていただきたいと思います。また、編集企業・ライターの情報収集力・時間には限界があるので、県内各地からも、県外に掲載してほしい観光資源などを「ストーリー」を添えて県庁に連絡してほしいと思いました。

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明るい未来のある国を作ろう

株価は一国の将来を示してくれる時があります。2008年9月のリーマンショック後の株価の長期推移を米国と日本で比べてみると、それが良くわかります。米国株式はドル建てで見ると上下動を繰り返しながらも上昇トレンドを描いているのに対して、日本株式はレンジ内を上下するだけで、今年に入ってからは右下がりトレンドを描いています。これには急激に進行した円高や3月の東日本大地震の影響もありますが、相対的な政策格差(例えば、米国や中国の徹底した財政拡大と日本の慎重な財政拡大、米国の徹底した金融緩和と日本の慎重な金融緩和)が、20年間にわたるデフレ傾向・円高を招いている可能性があります。また、米国は移民受け入れや規制緩和等により、労働力制約のない経済、効率的な経済、企業経営のガバナンスと情報開示により、ウオーレン・バフェット氏が「バフェットからの手紙2010年版」に言う「人類の可能性を最大に解き放つシステム」を有しています。資本主義という枠組みにおいて米国の経済システムが優れていることは言うまでもありません。ただ、米国の実際の経済運営や金融手段(デリバテイブ・証券化手段等)の使い方には問題も残されています。日本は日本独自の方法で、明るい未来のある国を作らなければ、子孫に引き継げないと考えるべきです。そのためには、成熟国なりに一定の経済成長と国民の富の形成が促進されるような経済・産業政策を取ることが必要です。

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運を天に任せるとき

11月12日の早朝、JALで長崎から東京に向かっている時でした。瀬戸内海の上空から下を眺めていたら、自分が乗っている飛行機のすぐ下を別の飛行機が斜めに横切っていくのが見えました。ニアミスではなかったと思いますが、人間はいつどうなるか解らないと思うと同時に、覚悟を決めて運を天に任せないといけない時があり、その時に心の平静を保つことが大切です。9年前に長崎県に来た際に、崎戸町の町営船で平島・江の島に渡った時のことです。海が荒れて3メートルの波が白波立っている中を、その船に乗らないといけなかった私は、覚悟を決めて、トビウオのように高速船が浪間を飛んでいく中で必死で椅子にしがみついていました。人生には自分の力や努力ではどうしようもない局面があります。私のまわりだけでも、大病して地獄から生還したり、警察に誤って逮捕され勾留されたりする人がいました。その時に覚悟を決めて悲嘆にくれず、いかに耐えながら次の準備ができるかが人間の価値を決め、成功へと導きます。私の場合は亡くなった祖母が守ってくれていると思うと恐怖心が収まりますが、人によっては信仰が救ってくれる場合もあると思います。2011年はもうすぐ暮れようとしていますが、大地震・洪水など災害の多い年でした。人智を超えた出来事に、人間は翻弄されざるを得ません。災害時も心の平静を保ち、冷静に非常口から脱出したり、安全な方向に逃げたりすることができて、命が助かった人もいます。私のように臆病な人間は、毎週神社にお参りに行くことで、いざという時の備えをしているのかもしれません。

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ホスピタリテイ新時代ー学会研究発表でコメンテーター

11月12日、東京のLEC東京リーガルマインド大学千代田キャンパスで開催された日本ホスピタリテイマネジメント学会理事会出席と関東支部研究発表でコメンテーターを務めさせていただきました。「ホスピタリテイ」が日本の「モノ作り」と並んで重要な価値として世界から注目される中で、同学会の評価が急速に高まっています。それは、観光はもちろん、医療福祉分野や交通・商業の接客分野だけでなく、環境・安心安全等現代的な課題の解決に直接結びつくからかもしれません。まさに国際的な学会への脱皮が求められる中での理事会・研究発表会だったと思います。私がコメントさせていただいたのは、日本大学短期大学部商経学科の佐藤聡彦准教授の論文「ジョン万次郎とホスピタリテイー文化を超えた敬意ー」でした。ホスピタリテイの表出のための「対等性」と、米国における「平等」と「自由」の検証事例として地味ですが重要な論文だと思います。若い研究者の方々にはこのように、意欲的な論文作成をお願いしたいと思いました。

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