アメリカで不動産価値を高める内装

2月13日のモーニングサテライトで、アメリカで不動産価値を高める「ステージャー」と言われる内装業者の存在が、不動産不況で大幅に低下している不動産の流動性を高めていることが紹介されました。手数料115万円程度(3LDKの場合)でマンハッタンのコンドミニアムの価格を200万ドルから400万ドルに引き上げることができるので、ニーズが大きくなっているとのことでした。ステージャーは、インテリアデザイナーと異なり、不動産仲介業者と契約することが多く、内装・家具設置等をレンタルで行うそうです。日本の不動産市場の最大の問題は、流通市場が発展していないということなので(このため、買い替えがスムーズに進まない=買値と売値が開き、不動産購入が「ギャンブル」になってしまう)、ステージャーのような流動性を高める(物件の価値を高く感じさせる)演出が重要です。家具・カーテン・床材を変えるだけで価値が変わるならば、一定の条件のもとで、日本でもこのような事業が成り立つのではないかと思います。

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梅屋庄吉と孫文~若き日の約束

2月9日昼、私が委員長を務めさせていただいているKTN(テレビ長崎)番組審議委員会が開催され、「若き日の約束~孫文を支えた梅屋庄吉~」が審議対象となりました。梅屋庄吉は長崎に生まれ、香港で写真業で成功した後、東京でニッカツを創業し、孫文の辛亥革命を約1兆円の資金で支援し続けた人物です。梅屋庄吉は若い時に貿易商を営んでいた父親の船で上海に渡り、そこで中国が欧米列強諸国に支配されるみじめな姿を見て、心を動かされます。孫文が人民のための革命を起こした時に梅屋庄吉は支援することになります。長崎県も日中友好の象徴として、辛亥革命100周年の昨年、銅像を中国に送っています。私は「長崎の隠れた偉人」だと思いますが、資料がほとんど残っていないため、ひ孫の小坂さんの資料や証言に頼らざるを得ない中で、ドキュメンタリが制作されています。このため、どうしても不明な点を推測でつなぐ小説家的な作業が必要となります。番組としては、非常に良くできていて、「梅屋庄吉と孫文の関わり」を表現する歴史軸と、「梅屋庄吉の事業成功と社会貢献活動」の人物軸を上手く交差させています。閉塞感が漂う日本で、次世代を担う日本や長崎の子供たちに、このドキュメンタリを見て、世界を舞台に活躍する若者に育って欲しいと思いました。

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建設業経営の講演

2月9日午後、長崎県中小建設業協会主催で「建設業の繁栄のためにー今後の環境変化と経営発想」と題して講演させていただきました。内容は、①長崎県・建設業界の長期予測、②企業の経営革新(特に建設業)、③建設業に見る成長戦略と経営革新、⑤今後伸びる市場、⑥専門工事業の発展のために、でした。講演会の後の懇親会でも個別企業の社長の方々から多角化など経営戦略や企業の後継者(息子)の教育方法などの質問が相次ぎました。全国的に建設業の業況には厳しいものがありますが、復興需要など、土木建設の基礎ニーズが増加しつつある中で、技術・経営両面に優れた建設関連企業が地域に求められています。経営者は2003年に私が中小企業庁からの依頼で中小建設業の成功事例を研究して出版した本「革新の経営力ー工務店はサービス業だー成長する建設会社の秘訣を探る」(建築資料研究社)を再度読み返していただきたいと思いました(建設会社の経営戦略の基本から始めて、CM=construction managementなど、当時としては最先端の経営管理手法についてもメインで取り上げています)。(画像は講演会会場となったセントヒル長崎(地方公務員共済による施設)のロビーに再現した懐かしい昔の小学校の教室風景)

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長崎の鯨食文化を守る会役員会

2月8日夜、私が理事を務める長崎の鯨食文化を守る会役員会が長崎市銅座町の「とんぼ」で開催されました。「クジラ食文化を守る会」(会長:小泉武夫氏)が母体となって特定非営利法人を設立するので、会員となってほしいとの依頼を受けており、会員になるかどうかを協議しました。今までの日本鯨類研究所や日本捕鯨協会と異なり、完全な民間団体なので、NPO法人の目的・活動内容等が書面ではわからず、実際にどの程度の活動を行うのか(行えるのか)、確認してから会員となるかどうか決めたらいいということになりました。このほか、長崎の鯨食文化を守る会としては、平成24年度長崎市と共同イベント(次世代の食文化を担う子供向けなど)を開催することにすることになりました。

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九州の成長戦略とは?

2月7日午前、福岡で国関係機関の方々に対し、九州地域の自律的・持続的発展に向けての経済構造作りについて私の考えを述べさせていただきました。いわば、「九州の成長戦略」を作ることですが、私は国家レベルと地域レベルの議論を分けるべきであると思います。国家レベルでは、平成23年10月に経済産業省がまとめた「新たな経済産業構造と成長戦略の検討について」という文書がありますが、私は日本が人口減少・少子高齢化する中で、①「輸出産業モデル」、②「金融立国モデル」、③「技術・投資型モデル」を組み合わせ、しかも①から②③へと比重を変えていくことが必要であると考えてきました。①を汎用品について進めると、産業立地が海外に行かざるを得ず、③の付加価値商品製造を国内で進めるとともに、海外企業買収等で将来の収入を得ることが必要です。②は「金融仲介」分野では一定の成果を上げることが可能ですが、英国のような「金融投資型・ウインブルドン型」の金融立国は人材がいないことから無理で、アジア向けの「貸金業モデル」が国際化の限界ではないかと思います。③を進めていく際に、既存の産業分類だけではない、「産業融合型経済構造」が新しい成長分野になる可能性が大きいと思います。例えば、農業の六次産業化(農業・製造業・サービス業の融合)や農水産業バイオ事業、医工連携(医療福祉と工学の融合)はまず、国内ニーズに応える産業として成長する可能性が大きく、将来的には輸出できると思います。ただ、これを進めるためには、現在の行政縦割り補助金や、従来の産学官連携モデルでは限界があり、これらを総合産業へとシフトさせるための複数の専門知識を有するコーデイネータ(プロジェクトまたは産業マネジャー)が不可欠ではないかと考えます。このテーマは大きいので、次回地域における成長戦略について取り上げたいと思います。

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集客都市長崎を作ろう

福岡財界・福岡市は、「集客都市福岡」の旗印の下、新幹線を活用した関西からの誘客を図るほか、国際観光船誘致やアジアからの誘客に注力する方針を今後明確に打ち出すと聞きます。これは世界の人口動態・経済成長を考えれば当然の戦略です。長崎も同様で、「交流都市」から積極的な「集客都市」へのバージョンアップを図るべきであると思います。長崎は全国・九州の他の地域にはない特異な歴史・文化、地理的優位性を持っていますが、新たな集客戦略として、①学会・コンベンション誘致、②定期航路と国際観光船のダブル集客のほか、長崎に来る理由を作り出す③「新中国人企業街」建設(神戸のポートアイランドにある新中華街と似た目的を有する、2011年11月3日の長崎新聞にも提案)、④医療福祉都市構想、⑤海洋産業研究都市など、長崎の「強み」を活かして「弱点」を克服する戦略を推進することが重要と考えます。その根底になくてはならないのは、「人間を大切にする」風土で、これが他都市と異なる長崎らしい文化を支えていると思います。「平和」の研究・啓発なども長崎の歴史を踏まえた世界への情報発信ができる主題であると思います。私は、「平和」「人間と自然との共生」など人類普遍の価値に立脚し、後世に伝える都市こそが、一過性でない「集客都市」を形成するための核心ではないかと考えます。

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喧噪と静寂の間で

2月5日夜、私はお客さんと一緒に長崎市銅座町の「こま津」に食事に行きました。まわりはランタン祭り(春節=中国の正月)終盤でごった返していましたが、銅座町に一歩入った料理屋の奥の部屋は物音ひとつ聞こえない静けさがあり、ゆっくり食事できました。ここは先代のおやじさんの時から年2回来る店ですが、知り合いのお医者さん達から勧められて行くようになりました。息子さんも東京会館で修業されていたようです。見た目も香りも味も二手間かけ、節分にちなんだ深い懐石料理が印象に残ります。器も三河内焼きなど地元の陶器を使っています。奈良春日山原始林の「月日亭」の料理にも似ています。私は9年前からランタン祭りの中心である新地中華街の中に住んでいて、ベランダから下の十字路を通る観光客や蛇踊りを見ることができますが、祭りの期間中はあまりにも人通りが多く落ち着きません。長崎は「喧噪と静寂」の街で、おくんちも精霊流しも全国的には「静かな祭り」と思われがちですが(精霊流しについては、さだまさし氏の歌のイメージの影響が大きい)、大きな誤解で、うるさいくらいの大音響が街中に響き渡ります。「喧噪のなかに魂の静寂を感じる」、哲学的な町です。(画像は「ふぐの湯引き梅肉和えとあんこうの肝」です)

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ソーシャルビジネス創出支援事業報告会開催

2月4日午後、長崎市立図書館で「長崎県ソーシャルビジネス創出支援事業ビジネスモデル実証実験業務委託団体活動報告会」が長崎県とながさき地域政策研究所によって開催されました。会場は満員で、ソーシャルビジネスに関する関心の高さがうかがわれました。㈱フラウ主婦生活総合研究所代表濵砂圭子氏に「ソーシャルビジネスについて」と題して講演をして頂いた後、23年度ビジネスモデル実証実験業務委託団体8団体が活動報告をしました。①社会福祉法人ふるさと、②特定非営利活動法人フリースクールクレインハーバー、③特定非営利活動法人アクロス五島、④合資会社吉田屋、⑤星野建設㈱、⑥㈱WAM Tuning、⑦㈱小値賀観光まちづくり公社、⑧有限会社松環舎の各団体です。発表終了後、九州経済産業局地域経済部地域経済課の松田一也課長、長崎大学経済学部山口純哉准教授、前掲濵砂圭子氏と私が総評をさせていただきました。私からは、「離島・半島のハンデイを克服するためには、行政が観光・物産など持続可能な地域にするための道筋を示すとともに、民間団体も、自立できる経営を確立することが目標です。今日報告された団体は、もう一息で自立可能なビジネスモデルを確立されつつあり、国・県・市町・地域の皆さんが温かく見守っていただきたい」と総評し、締めくくりました。(右上の画像は㈱小値賀まちづくり観光公社小高秀克氏のプレゼン風景)

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医療技術専門家川端先生が来崎

2月3日午後、医療機器技術情報協会代表である川端隆司先生を東京から長崎にお呼びして、長崎県の医工連携の具体的な機器・技術についてご意見をお聞きしました。川端先生は、私が委員を務めさせていただいている社団法人中小企業診断協会本部に相談して医療・福祉分野の専門家を紹介して頂いた中で、長崎県が現在抱えている技術分野にぴったりだと考えた方です。元日本ゼオン医療器材研究所長・生産技術部長で、人工心臓・PTCAカテーテル・消化器外科・栄養関係製品・人工皮膚等の開発や特許申請のご経験があり、この分野の第一人者です。全国で医療福祉機器製造販売分野で成功していると言えるのは、三重県・兵庫県くらいで、全国的にはまだまだ産業化できていません。ながさき地域政策研究所は、23年度「長崎県医療福祉ニーズ発事業創出支援事業」を受託させていただいており、県内の医療・福祉施設や同分野につながる技術を有している企業、全国の医療福祉機器を製造・販売するメーカーや商社、川端先生のような技術専門家のネットワークを形成しつつあります。

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学会論文特別賞へのお祝いありがとうございました

1月28日、高輪で日本ホスピタリテイマネジメント学会から特別賞をいただいた論文「長崎における国際観光客の観光行動とホスピタリテイを高める地域政策」(Recommended Strategies for Improving the Quality of Tourism Hospitality based on a Research of the Behavioral Patterns of International Tourists to Nagasaki)に対し、多くの方々からお祝いのメールやお手紙をいただき、ありがとうございました。今後も、日本や長崎の発展に少しでも役立つ論文や事業を微力ながら行っていきたいと思います。なお、今回の論文作成に当たり、英語の要約を、米国ハーバード大学ビジネススクール講義の同時通訳者として有名な、長崎総合科学大学工学部准教授であられる山田聖剛先生にお願いいたしました。画像のお花は九州教具船橋副社長からいただいたものです。併せてお礼申し上げます。

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