今日島原市に講演のため行きます

3月7日夜7時、島原中心市街地街作り推進協議会主催の講演のため島原市に行きます。島原市で講演をするのは、2010年11月に島原市の横田市長のローカルマニフェスト検証のため、元三重県知事の北川正恭氏と一緒に伺って以来です(この時は島原青年会議所主催)。今日は雲仙の温泉街で事業をされている田浦元氏と一緒に行きますが、テーマは「島原半島が取るべき戦略と商店街振興」です。前半の「島原半島が取るべき戦略」については、①交流人口の獲得(観光振興)、②物産振興、③新たな定住人口獲得、④全国への情報発信、を中心に極めて具体的な戦略提示と進め方のお話しをさせて頂きます。

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避難の三原則~3・11に想う「地域を守るために」

3月11日が近付いています。悲しいことは思い出したくないものですが、避難の方法だけは語り継がなければならないと思います。昨日紹介した谷川彰英著「地名に隠された東京津波」によれば、東日本大震災で、岩手県釜石東中学校の生徒たちが小学校の児童などを引率して高台に逃げて、同地区の小中学生約3,000人が無事助かったということです(181ページ)。この防災教育の指導をされたのは群馬大学の片田敏孝教授で、中学生に対し、「君たちは助けられる立場でなく、助ける立場にある」ということを繰り返し指導したそうです。高齢化が進む地域では、大人たちは仕事に出ていて不在、いるのは高齢者ばかりで、中学生が地域を守らなければならないことを教育していたというのは、感動すべき話であり、また、長崎県を含め、日本の各地に通用することではないかと思います。片田教授の「避難の三原則」は、①想定にとらわれるな、②どんな状況でも最善を尽くせ、③率先避難者になろう、の三つです。自然災害は常に「想定外」を生み出します。「想定外」と言って行動を起こさなければ(逃げなければ)死んでしまいます。大自然の前では人間なんて弱い存在なのですから。

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災害と住む場所

私は若いころから、地理や地図が好きで災害と住む場所に関心を持ってきましたが、長崎から東京に行くたびに「大地震があってほしくない」と思います。特に、昨年3月11日の東日本大地震と津波、その後も続く余震(東京でも感じる)を見ると、怖さが先に立ってしまいます。昔の方々は「どこに住むか」を良く考えていたのだなあと感心させられることが多いです。東京のみならず、地図や地名を見ると、その土地の過去が解ります。今は川や池を埋め立てて人が住んでいても、地名はごまかせないのです。東日本大震災後の高台移転を昨年4月上旬に岩手県・宮城県知事(および県庁)に提言し、専門誌にも提言書「東日本大地震からの復興に向けた長崎からの提案」を掲載させていただきましたが、あくまでも自然にできた高台を活用すべきです。5㍍程度の盛土の上に新しい街を形成する案が出されているようですが、海に近い平地に「盛土」することは望んでいません。神奈川県などの丘の上の住宅地に住む危険性を感じて来たからです。本年1月に谷川彰英先生(元筑波大学副学長)の「地名に隠された東京津波」という本が出されました。「地図おたく」の私には同じ問題意識の本で、災害に興味のある方は是非一読をお勧めしたいと思いますが、巨大災害には自然災害の面と人災の面があることにも触れています(影響が大きいのでブログでは紹介しませんが)。私の東京の自宅は四谷の左門町にありますが、谷川先生の本によれば、「御府内備考」の「四屋」から転じた地名で、「内藤新宿」(最近NHKの「ブラタモリ」でも紹介されていた)と言われた新宿御苑(内藤清成の屋敷跡)と明治神宮外苑に挟まれた標高20㍍以上の高台で、仮に関東大震災級の地震と10㍍の津波があっても地盤に問題はないそうです。

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39年ぶりの駒場キャンパス

社会人になってから仕事や研究で東大に行っても法学部・経済学部のある本郷キャンパスだけだったのですが、3月3日、39年ぶりに駒場キャンパスを後輩と訪問しました。鬱蒼とした森に囲まれていた駒場寮(旧一高寮)は新しい図書館と商業集積・カフェになっていて、学食もモダンな生協食堂などに変貌していました。本館の煉瓦作りの校舎・銀杏並木・グランド・数本の松の木だけが当時を思い出させてくれました。学生たちが慶応・上智などと違い、なんとなくあか抜けてないところは変わってないなと思いました。駒場周辺の学生街も店が入れ替わっていましたが、定食屋だった山口屋が民家に変わり、「みしま」がタコ焼き屋に変わり、繁盛していました(大きなタコが入って12個350円)。神泉から松濤の住宅街を抜けて渋谷に出ました。昔は渋谷駅近くのコンパ屋で飲みすぎて噴水の池に飛び込んだ学生も多かったのですが、おしゃれな渋谷で今はそんな粗野な学生はいないのだろうと思いました。

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桜の季節間近になると思いだす桜坂

この時期になると長崎県西海市松島を思い出します。JALの機内誌3月号の音楽も「桜」特集でした。以下は長崎新聞に私が書いたコラム「うず潮」2009年10月の再掲です。
十月下旬、私は長崎県地域振興部地域政策課の地域活性化人材育成支援事業(地域アントレプレナー)のアアドバイザーとして、西海市大瀬戸町松島を六年ぶりに訪問しました。松島はJパワーの島として有名ですが、地元で地域活性化に取り組む渋江一文氏に案内してもらい、島内を一周し、周囲16kmの小さな島ながら、地域資源の玉手箱のような島だと気づき感動しました。もともと炭鉱の島であり、四坑跡の赤レンガの廃屋が残っていますが、江戸時代には深沢家による鯨組で栄えたり、大村藩御料牧場があり馬が飼われていたことはほとんど知られていないのではないかと思います。最近では、むしろ福山雅治氏の名曲「桜坂」の原型になったのではないかと思われるような美しい桜並木や、同氏が取り上げて若い女性の間に密かなブームとなっている五島灘を望む「日本一小さな公園」が名所となっています。
渋江氏の自宅は内浦湾に近接した静かな入り江を望む丘の上にあり、入り江ではシーカヤック等のマリンレジャーや松島火力発電所から出る温水により珊瑚が生息する海底を楽しむことが出来ます。昔からそば・小麦を耕作した島なので、そば・うどんを軸にした農業体験と食の開発を行うこともできます。後は資源を活かすキーパーソンと人材ネットワークを作ってコミュニテイビジネスのような具体的事業を起こすことが必要です。
幼い頃から松島で育った若者と、松島に仕事で来て住んでいた若者が同じ松島の女性を好きになり、一緒に桜坂で花見をする。松島で育った若者は東京に出てホテル王として成功する。松島に仕事で来ていた若者も東京で有名な歌手となる。二人の男が六十歳を過ぎ、若い頃を振り返り、一人は松島でリゾートホテルを建設し、一人はそのホテルでコンサートを催す。そして、二人が若い頃好きだった共通の女性と一緒に、薄紅色の桜が吹雪のように舞い散る桜坂で再開する。松島にジェフリー・アーチャーの「ケインとアベル」のような物語があれば、誰もが訪れたくなると思います。「桜坂で会おう」が合言葉となる日を夢見て。

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玄界灘の宝石箱・壱岐市観光振興計画ができてきた

2月29日午後、壱岐市観光振興計画策定委員会が開催され、委員長として出席いたしました。今回でほぼ計画が完成しました。基本コンセプトとして、「玄界灘の宝石箱~壱岐・粋(いきいき)アイランド」を軸として調整することになりました。今回の計画の最大の課題の一つは、ワンストップの「新たな観光街づくり組織」を作る点にあります。これまで、壱岐市観光協会と壱岐体験型観光受入協議会がありましたが、いずれも任意団体で、行政が補助金を支給する相手方としては運営体制が脆弱でした。離島外の旅行会社や修学旅行を考えている全国の学校等から見て便利で安定した観光振興団体を作ることが不可欠です。壱岐市にとって、これまでは農業・水産業・製造業(焼酎・水産加工等)が中心でしたが、高齢化に伴い一次産業の担い手が減少する中で、より付加価値の高い産業へとレベルアップを図ることが必要で、観光業は離島である壱岐市(大都市福岡から1時間余りの地の利)にとって最も有望な産業です。壱岐には、離島の温泉旅館として全国的に有名な「平山旅館」のような、JAL国際線ビジネスクラス以上の機内食を1万食提供できるだけの潜在能力があります。今必要なことは島全体が観光に取り組む意識改革で、観光振興団体もその第一歩として重要です。私は島内の若者の中から同団体の会長や事務局長が出てくれたらいいと思いますが難しい場合は全国公募したらいいと考えています。小値賀島の成功例もあるし、全国にはさまざまな価値観を持った若者・熟年者がおられるので、適任者が必ず見つかると思います。私の人生経験からすると、地域社会や企業(組織)にとって必要な人材は「本当に必要になった時」に現れるものなのですから。

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不動産投資信託(REIT)市場と上手に付き合う

今朝の東京12チャンネル「モーニングサテライト」で、アメリカの中古住宅価格指数が上昇したとのニュースが取り上げられ、不動産投資信託(REIT)指数も上昇しているが、商業用不動産の空室率はまだ高く、不動産市場が今後も順調に回復するかどうかはわからないという解説がされていました。私もREIT市場は他の市場と同様、常に注視しています。それは、日本のREIT市場は不動産市場を的確に反映していますが、投資家の資産選択上、導入当初投資家が期待したような「ミドルリスク・ミドルリターン」には必ずしもなっていなくて、小型株以上の価格変動性(volatility)があるため(市場の非効率性=market inefficiency)、独特の投資手法が必要となってくるからです。1999年、私がさくら総合研究所金融クラスター長だった時、三井不動産からの依頼でREIT市場が我が国経済と不動産市場に与える影響を研究し、我が国の第一号ファンドとなった日本ビルファンド(NBF)を組成する準備をしたことがあります。その時の結論は、REITは不動産市場の市場効率性(efficiency)を高め、市場を活性化させるということでしたが、当時の予想通り、国内外の投資ファンドが日本の不動産をREITを含めて購入し、東京を中心として都市部の不動産価格を上昇させることになりました。NBFで2%台まで価格上昇したのを覚えています。当時アメリカのREITは、居住用・商業用・オフィスなど分野別にそれぞれ専門特化した市場が大きく発達していて、我が国にもいずれこのような市場を作りたいと思って研究をつづけ、その後、日本住宅普及協会(日本住宅金融公庫)から、今では当たり前になった居住用不動産(residence)の証券化の研究を依頼され、アメリカのワシントンDCでファニーメイやフレデイマックを研究しました(その後リーマンショックでこれらの政府系金融機関は救済の対象となりました)。私は金融機関にいた人生を振り返り、実物資産の証券化(デリバテイブを含む)に取り組まざるを得なかったと思いますが、時に実物資産と金融資産が乖離することがあり、投資家は常に様々なチャンスとリスクに直面していると言えます。

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県庁舎跡地活用アイデア・ワークショップが行われます

23年度県庁舎跡地活用アイデア・ワークショップ運営委託業務を扇精光㈱が県から落札され、私がワークショップ司会進行役としてお手伝いすることになりました。ワークショップは3月10日(土)・17日(土)の午後の2回開催されることになっており、毎回30名が定員となっています(申し込み用紙は各8日・15日必着)。私は以前「県庁舎跡地活用懇話会」委員(副委員長)を務めさせていただいたことがあり、委員の一人として私案を提示させていただき、提言書にも盛り込まれていますが、今回は全く新しい発想から、土地活用のアイデアが出されることに期待したいと思います。県庁跡地は「岬の教会」「長崎奉行所西役所」「海軍伝習所」「長崎県庁」と時代を超えて、長崎を象徴する場所だけに、「長崎の精神」を未来に継承できるようなプランが出てくるといいなと思います。その点で、若い世代の斬新な企画アイデアがあって欲しいと思います。(画像は出島から見た県庁跡地の模型・長崎県庁所有)

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長崎新聞記者取材~「課題と向き合う・県の新年度事業」

2月20日、長崎新聞の山里悠太朗記者から24年度長崎県予算案について取材を受け、主として「中国」関連予算に関して意見を求められました。県は中国関連に予算を重点配分していて、他県に比較してメリハリのついた(特徴のある)予算案になっています。2月22日の紙面では21面「課題と向き合う・県の新年度事業」の最後の部分に「ながさき地域政策研究所の菊森淳文常務理事は「行政だけでなく多面的な交流が必要。交流から産業につなげなければならない」と指摘する。」とコメントが引用されていました(画像参照)。

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長崎上海航路を考える~NBCラジオで取り上げます

2月29日、長崎上海航路の定期航行が始まります。丁度29日朝8時25分から毎週水曜日私がお話させていただいているNBCラジオの「おはようコラム」が放送される予定で、三回シリーズで「上海航路を考える」コラムにしたいと思います。上海航路は大正12(1923)年2月長崎ー上海間の「日華連絡船」が開設され、「長崎丸」「上海丸」(総トン数5,200トン、1等定員155名・3等定員200名)が就航し、旅客重視の貨客船で、大正13(1925)年5月に神戸に延長されました。当時と現在とでは長崎の交通上の位置付けや経済力は全く違いますが、「本州の西端」から「アジアの入り口上海への中継点」に意識が変われば、長崎を大きく発展させるチャンスになると思います。いわば、上海航路をどう活用できるかによって、経済的ポジションまで大きく変わる岐路に立っていると言えましょう。ニュース報道等とは異なり、シンクタンカーらしい「醒めた眼」でじっくり上海航路を考えたいと思います。

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