IR(特定観光複合施設)が目指す新時代のグローバル観光

6/20朝9時から、東京・丸の内ビル8階の東京駅を見下ろすホールで、不動産証券化協会主催の座談会が行われ、シンクながさき理事長、九州・長崎IR有識者委員会座長として、出席させていただきました。内閣府から出された基本方針によれば、大規模なコンベンションMICE施設・大規模なホテル・全国への送客のための施設等、5種類の施設を組み合わせて新たに建設する必要があります。東京は別として、日本の他の都市には、それだけの規模の施設が大幅に不足していることは事実で、それを収支面で可能とするために、国家戦略として、カジノを含むIRを設置しようとする動きだと思います。実務的には、大規模な施設を地方に作ることは様々な議論が出てくると思われますが、観光のレベル(観光客数・観光諸費額・観光客のレベル)を引き上げるには、またとないチャンスだと思います。特に、九州と北海道は、極めて豊富な観光資源(大自然・歴史文化・食材・料理・エンターテイメント等)の素材を有しています。IRとは、日本の地方の観光を掘り出し、世界から人を呼ぶために、絶好の仕組みだと思います。九州・長崎は、日本史の中でも、アジア・西洋の文化と文明を真っ先に受け入れてきた地域で、国際交流の中心地です。九州地域として、空港・道路・港湾等のインフラの不足分を整備することで、IRを運営し、地域を発展させ、日本の各地に観光客を送客することが可能だと、座談会の皆さんのご意見をうかがっていて、感じました。

次に、IRに不動産証券化協会が関心を寄せているのは、MGMリゾーツ・インターナショナルがIR内のホテルやコンベンションセンターなどをポートフォリオに入れた不動産投資信託(REIT)、MGMグロース・プロパテイズを、アメリカで上場したことです。私自身が若い時に、日本のリート導入の不動産市場・経済に与える影響を大手不動産会社からの要請で研究していた経験があり、その有用性は現在のジャパンREIT市場の成長を見れば明らかです。当時は、バブル崩壊後の不動産市況の悪化から抜け出せず、日本経済が再生の活路を模索していた時代でした。REITの活用ができれば、ファイナンス面で事業主のリスクの一部を軽減し、安定した経営を目指すことができると思います。

私が座談会で強調したことの一つは、IRの設置・運営を通じて、多くのIoT/ロボット/AI/5Gなどの技術を活用して、国内外の企業・大学・高等専門学校等と連携して、グローバルレベルの新しい観光産業と人材の育成を行うことができるという点です。また、九州及び日本の地域資源の魅力を引き出すことによる観光の高付加価値化、例えば、歴史の重みを感じさせる一泊10-20万円以上の宿泊施設に、世界中から観光客が来る時代がすぐそこまで到来していることも、お話させていただきました。(Facebookの記事も一緒にご覧ください。)

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