現在、日本の食産業(農林水産業・食品加工業・外食産業等)の「質」が大きく変わろうとしています。国内でも高齢化に伴い、食料の量から質(安全安心・地産地消など)への転換が進みつつありますが、ここ40年位の長期トレンドとして世界に和食が「健康食」として受け入れられつつあります。和食は40年位前からのニューヨークの寿司店の繁盛から始まり、現在ではアジア各国での日本料理店・居酒屋・ラーメン店の進出・展開が続いています。私は和華蘭(わからん)文化のメッカ長崎に住んで10年になりますが、病気をしてから、中華や洋食でなく、栄養のバランスやカロリーの点から、極力、油が少なく野菜・魚が多い和食を食べるようにしています。また、納豆・味噌・醤油・漬物など発酵食品が多いのも免疫力を高めるために有効です。日本人は和食が合うような体質になっているのかも知れません。和食のもう一つの魅力は盛り付けや彩(いろどり)などの料理の「美しさ」です。世界的な健康ブームは、医療費・介護費等社会保障関係費用の圧縮に必要性から、特に先進国では今後ますます盛んになるでしょうから、日本の農産物や水産品・加工品・日本料理の輸出、日本料理店の海外展開が進むことが予想されます。これは、日本からの輸出を増やすことにもなり、食産業にとって大きなチャンス、「成長戦略」の一つとなります。また、日本食への関心が高まれば、日本への観光客も増え、別の成長戦略にもつながります。中華料理が世界中で食べられていると同様、和食が「世界の食」となる日も近いのではないでしょうか。(画像は、長崎県佐々町の回転寿司屋「ミラクルあおば」での食事。佐世保市相浦(あいのうら)から近く、県北の農業地帯だけにさすがに魚と野菜の料理が多い。2013.8.21撮影。)

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