5月5日、長崎歴史文化博物館で、長崎の食文化を伝えるために開催された「端午の節句の行事食」を料理研究家脇山壽子先生の解説でいただきました。①飯は「小豆ご飯」(餅米ではない)、②汁は「更紗汁」(ふき・落とし蒲鉾、味噌仕立て)=味噌汁の中に模様のように具が入っているもの、③お煮しめは、ふき、破竹、干し鱈、結び昆布、落とし蒲鉾、④酢の物(省略)、⑤菖蒲酒(省略)、⑥菓子(唐あくちまき、鯉菓子)でした。お煮しめは、「ふ」の字の付くもの(「富」(商人)「武」(士=さむらい)から来た)とすることが多く、破竹は成長が早い、干し鱈は「ふく」とも呼ばれた、など、それぞれ「理屈」があるところが面白いと思いました。行事食はその土地の食材を使う、日本古来の食事で、「縁起を担ぐ」だけでなく、魚・海藻・豆・野菜など栄養学的にも合理性があると思いました(例えば、小豆はポリフェノールや食物繊維が多く、健康食)。なお、南蛮文化・中国文化の影響を強く受けている長崎でも行事食のだしは鰹と昆布から取ります。「地産池消」食でもある行事食は、土地の食文化を伝えるための重要な食事です。また、このような食事をしていれば、肥満からくる癌・糖尿病など成人病も予防できると思います。(画像は、「お煮しめ」、器は亀山焼。)

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