長崎県教育振興懇話会に出席~委員として広く「教育」に関する意見を申し上げました

2月26日午後、マスコミ公開の下で、第五期長崎県教育振興懇話会第4回会議に出席し、江頭会長(長崎県社会教育委員会・委員長)からご指名をいただきましたので、昨年11月に提出していた「意見」(下記)を10分程度で申し上げました。私は自分の人生経験を振り返り、小中学校・高等学校教育に関しては素人ですが、大学・大学院教授として教育にかかわっている観点から、「地域社会と教育」についてお話させていただきました。

1.どのような環境でも生き抜く学力・思考力・行動力を有する「知恵のある」「たくましい」子供を作る教育~予測困難な変化の激しいこれからの社会を生きる子供を作ることが必要だと思います。

2.「郷土愛」を育み、「地域や住民を大事にする」ことが人間としての価値であることを体得させる教育~コミュニテイ活動・祭りへの参加・高齢者施設訪問やボランテイア活動など、学校教育・社会教育の両面が必要だと思います。長崎市・大浦諏訪神社の「子供コッコデショ」にみられるように、「地域の子供をコミュニテイが育てる」という考え方を広げていかないといけないと思います。五島市・壱岐市にみられるように、子供が進学・就職のために離島を出るときに、「帰って来いよ」と言え、子供が帰って来たいと思う地域を形成することが必要だと思います。

3.グローバル化する世界の中で、日本人としてのidentityを持ちつつも異文化を理解し、世界の人々と協調・協働できる人材を作る教育(自由に使える生きた語学教育を含む)が必要だと思います。「グローバルに生きる」ためには、軸足を郷土や国、それらの文化に置いていなければならない、すなわち、グローバルと地域は、一人の人間にとって表裏二面だと思います。

4.家庭の事情で十分な教育を受けられない才能ある子供にも教育機会を提供し、社会で才能を伸ばす人間重視の教育~科学・スポーツ・音楽等「才能はお金では買えない」という世界の考え方を取り入れることが必要だと思います。

5.IoT・ロボット・AI・生命科学など科学技術を理解し、生活や社会を豊かにするために活用できる子供を作る教育が必要だと思います。人口減少・高齢化が進展し、生産年齢人口が減少する中で、地域の課題解決のために、これらの科学技術を使うことが不可欠になっていきます。

6.他人と協働して社会に役立つ「価値を創造する」子供を作る教育が必要だと思います。「価値を創造する」ためには、既存のものを学習し、自分独自の新たな視点で他人や社会に受け入れられるような行動を起こすことが必要になります。

7.「教育の働き方改革」が課題になっていますが、国(内閣府)の「働き方改革」とは、時間外の問題だけでなく、「働ける方の有効活用」(教育を受けた国民総動員=教育に国費を投入してきたという事実)という側面もあることに鑑み、教員OBや民間人の起用(一定の教育を受けた方)も含めた「働き方改革」を進めることが必要だと思います。

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