長崎でのゆったりした日々~「朝霞軍艦島の影重く」「万緑や球児の声して露店風呂」

都庁での会議など東京での慌ただしい日々と比べて、長崎ではゆったりした時間が流れています。こんなに重層的な歴史文化や宗教の足取りが見られ、こんなに美しい地形・自然なのに、なぜか落ち着く「祈りの町」長崎。多くの観光客の人気と同様、世界遺産である軍艦島(端島)と旧グラバー住宅は、その中でも別格です。「朝霞軍艦島の影重く」軍艦島は世界遺産「明治日本の産業革命遺産」を代表する遺産の一つで、幕末~明治以降、日本の近代化や繁栄を石炭で支えました。その歴史は、戦争を挟み、時代を生きた人々の重さを感じさせます。原句は、「春靄が晴れて波立つ軍艦島」です。軍艦島海域は波が高く、靄が晴れると、朝日に光る軍艦島が現れ、白波が打ち寄せて、イルカの大群が時々通り過ぎます。一方、長崎には未来を創る「元気」も感じます。稲佐山の中腹にある「ふくの湯」の露天風呂に浸かり、眼下を眺めていると、グランドで野球少年の歓声が聞こえます。「万緑や球児の声して露天風呂」。この子らも高校を卒業したら大都会に行ってしまうかと思うと、ちょっぴり寂しくなりますが。

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