美しい上五島の潜在力を再認識しました~離島振興法改正に向けた準備(その4)

12月21日午後、雨が降る中を、ユネスコ世界遺産候補「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の構成資産の一つである「頭が島教会」(明治43年着工、大正6年完成)を訪れました。ここは、キリシタン迫害が終わって再び島へ戻り住んだ信者たちが、周りをすべて高い山に囲まれた入り江に海に向かい、自ら切り出した砂岩を積み上げて造った石造りの教会堂で、内部はハンマービームと折り上げ天井に花柄をあしらい優しい雰囲気を醸し出しています。教会から海に近いところに墓地があり、墓石に十字架が使われているものが多いです。ここに至るには、島の馬の背に作られた道路から海岸に向け急な坂を下りなければなりません。かつて、隠れキリシタンは、安全な陸路のない地を求めて、海から入り江入り江に集落を形成したものと思われます。上五島の教会の多く(外海(そとめ)や平戸・根獅子(ねしこ)もそうですが)は、秘境とも思えるような山や断崖絶壁によって隔離された地にひっそりと建設されています。教会の静かなたたずまいからは想像もつかないほど、隠れキリシタンたちは自分の命と生活を守るために安住の地を求めていたのではないかと思います。これは貴重な文化財である前に、今も敬虔な信者たちの信仰の場所であることを忘れてはなりません。(画像は裏から見た頭が島教会。)

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