美しい上五島の潜在力を再認識しました~離島振興法改正に向けた準備(その3)

12月21日、朝から小雨が降る中を、井上和弘理事・高橋弘一文化財担当にご案内いただき、文化的景観に選定されている「崎浦の五島石集落景観」を視察しました。文化的景観とは、文化庁が選定する、「地域における人々の生活または生業および当該地域の風土により形成された景観地で、我が国民の生活または生業の理解のため欠くことのできないもの」(文化財保護法第二条)です。崎浦は、砂岩質の「五島石」を用いた採石業・石材加工業に基づく文化的景観で、高さ6尺の腰板石を備えた家屋群が海辺に不思議な景観を作り出しています。何故家や昔の馬小屋の周りを腰板で覆ったのか良く解っていませんが、床下の通気が悪くなる反面、水や小動物の侵入から家を守り、保存食としてのかんころ(サツマイモ~「かんころ餅」として食べる)の貯蔵のためではないかと思いました。道路はもちろん、家の庭が石畳になっていたり「孕(はらみ)神社=「パワースポットで、子を授かる大変ありがたい神社)」の鳥居や高い民家の石垣など、石をふんだんに使った贅沢なインフラ投資を江戸時代から行った地域で、ユネスコ世界遺産候補の石造りの「頭が島天主堂」なども、石材加工技術に支えられたものと考えられます。(画像は、家屋の腰板石。鉄製の釘で止めてある。)

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