理想とする人間の生き方を教えてくれる作品~KTN歴史ドキュメンタリー「彫琢の日々~彫刻家・冨永直樹の生涯」

2月1日早朝、KTN(テレビ長崎)で今年1月24日に放映され、番組審議会の対象番組でもある「彫琢(ちょうたく)の日々~彫刻家・冨永直樹の生涯」のDVDを鑑賞しました。これは、長崎県出身の彫刻家・冨永直樹氏(1913-2006)の人生を描いた作品で、2006年4月11日、94歳で心臓発作で亡くなるその日まで、「彫刻家」と「会社員(電話機の意匠顧問として沖電気・三洋電機の工業デザイナー・常務取締役)」という二つの役割を担い、それぞれに貢献と後進の育成に努めた人生が良く表現されています。夫婦で過ごし、アトリエを建設したのが四谷という点で、私の東京の住まいにも近く、親近感を覚えました。私は奈良育ちなので、小学校の時から東大寺南大門の運慶・快慶の仁王像や東大寺三月堂の日光・月光菩薩像など日本の彫刻に親しみ、20歳代からルーブル美術館やロダン美術館を訪問してきましたが、西洋式彫刻を身近に感じたのは、仙台の宮城県立美術館で佐藤忠良(さとうちゅうりょう)の作品を見たときでした。そして、長崎県に来て、北村西望氏とその弟子冨永直樹氏の存在を知ったのです。冨永氏の「彫刻家である前に一人の人間であれ」という言葉は、「人間の痛みや喜びが分かる」という点で、どのような専門的な職業に就く人にも通用するのではないかと思います。私が「理想とする人間の生き方」だと感じたのは、「人生は人との出会いの連続で、自分が強い信念を持って生きていればチャンスを活かすことができる」ということを教えてくれるからです。それぞれの年齢でこの作品を見ることにより生き方を学べると思い、特に若い方々や学校の先生には「夢を育み実現する」という意味で、見てほしいと強く思いました。(画像は、私が子どもの頃日本の仏像に関心を持つ契機となった東大寺大仏と如意輪観音。2013.10.19撮影。)

 

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