熊本地震からの復興を成し遂げたその後(NBCラジオ「おはようラジオ」2017.4.7放送)

長崎県の経済は、着実な回復を続けています。昨年4月14日、熊本地震が起こり、多くの方々が被害に遭われました。熊本地震は、九州全体に大きなマイナスの影響を及ぼしたと考えられます。九州経済調査協会のレポートによれば、①製造業の設備等資本ストック被害額6,400億円、そのために生産額540億円減少、②民間消費は1,900-2,300億円の減少、③九州を訪れる宿泊旅行客による観光消費額360億円減少です。
九州経済は一時的には落ち込んだものの、現在は急速に回復しています。長崎県経済にも、次の影響が出ました。①宿泊旅行者数が、昨年4-6月は前年比30%以上の減少となったが、今は12%程度の減少、②個人消費のうち、乗用車新車登録台数が、昨年5-6月は前年比15%の減少となったが、今は7%程度の増加、③民間設備投資は、昨年4-8月は前年比30%の減少となったが、今は8%程度の減少。
熊本地震からの復興を成し遂げましたが、長い目で見て経済力をつけることが必要です。第一に、観光は重要産業ですが、地震などの災害に弱い傾向にあります。29年度も外国船寄港数の増加や外国人観光客の増加により回復基調は続くと思いますが、円高要因等、楽観は許されません。第二に、個人消費は雇用者所得が昨年12月からプラスに転じており、物価も安定していることから、緩やかな回復を続けると予想します。今のうちに、製造業・観光業のバランスのとれた産業構造を形成することが、「地震に強い長崎県経済」を作ることになると思います。

この記事は、NBCラジオを聞けない地域の方々からのご要望に応えるため、要約をブログに掲載させていただいています。

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