浮立による街作り

6月2日東長崎で「ひがなが活性化協議会」が開催され、私も「地域資源を活かした地域作り」と題して、特に伝統芸能の活用と浮立について短時間の講演をさせていただきました。浮立(ふりゅうと読む)とは、佐賀県を中心に、福岡県、長崎県に分布し、田楽と念仏踊の要素が多分に認められるものです。東長崎には間の瀬狂言(県指定無形民俗文化財)、矢上平野浮立、蠣道浮立など、長い歴史を有する浮立が今も続けられています。同協議会では、事業の一つとしてこれらの伝統芸能を活用した地域活性化を図ろうとしています。特に間の瀬狂言は、根治平と与五郎の掛け合いが面白く、赤い衣装を着た子供たちが演じる猿にお酒を飲ませて拍子を取らせるという滑稽で当時としては斬新なストーリーになっています。この狂言はもともと京都から来たと思われ、関西弁が混じっていますが、珍しい伝統芸能だと思います。私は、三重県伊賀市島ヶ原村(藤原密教の寺で、奈良の東大寺二月堂・三月堂の原型となった正月堂で生まれた)に生まれ、奈良市で育ち、子供の時から慣れ親しんできたので、神楽、雅楽、能(金春流)・狂言、猿楽には大いに関心がありますが、伝統芸能でコミュニテイの一体感を醸成し、維持・継承にかかる費用の一部を自主的に作るためにも、観光振興に役立てることが必要になると考えます。

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