椿による島おこし

7月8日、五島市の中尾郁子市長にお会いした際、資生堂が主力のヘアケアブランド「TSUBAKI」に五島列島の椿油を新たに配合して、髪の保湿効果を高め「艶髪」を作る商品の販売を開始した話題が出ました。7月からのテレビコマーシャルで「五島」とは表示されていないが、五島の風景が採用されています。長崎県の椿油の生産量は年間19klと全国トップクラスですが、椿で有名な地域は大島など他にもあり、全国的にあまり知られていません。これを機に、五島列島を「椿」で情報発信し、世界遺産候補となっている「長崎の教会群」へとつなげていきたいと思います。五島市では、平成21年3月に「つばき」振興計画(「日本一の椿の島づくり計画)を策定し、椿油の生産量を5年間で14klから21klへと1.5倍に増やす計画を打ち出しています。椿油のブランド化により、椿油の販路拡大を図り、雇用創出と耕作放棄地解消を目指しています。椿油は主として、化粧品と高級食用油の二つの用途があり、オリーブと似ています。化粧品だけでなく、高級食用油の分野でも、五島ブランドを作って販売することにより、原料ではなく、加工の付加価値分を地域が得ることができます。地元の加工業を育成し、他の椿産地との競争力のある商品開発を行うことが、今後の方向性として重要です。私は以前、理容・美容業関連企業と親しく、カネボウさんと長崎県の椿・びわを使った化粧品・石鹸の開発を検討したことがあります。その時は、カネボウさんが企業再生をすることになり、実施できませんでした。今回は、資生堂のブランド力・販売力により、五島の椿を全国に売り出すことができた重要な一歩です。このチャンスを活かし、五島列島の食や観光を含めたブランド化を図っていきたいものです。

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