日本の秋本番を体感したい~古都の秋・田園の秋「正倉院の玻璃(はり)の器に夢を盛る」「天鵞絨(ビロード)の階段続く稲穂かな」

9月から10月に入り、秋本番を体感したい季節になりました。長崎はくんちが始まったので、私は長崎におりますが、美しい日本を求めて旅をしたくなる季節でもあります。長崎の夏は暑いのですが、朝晩涼しくなったと思うと、虫の声が聞こえてきます。「虫すだく出島の庭を狭くして」出島を通りかかると、小さな庭から虫の声が聞こえてきました。江戸時代にもオランダ人はこの虫の声を聴いたのでしょうか。9月のお彼岸には、村里で柴を焚く煙と懐かしい匂いが広がっています。お墓には菊などの花が供えられ、香っています。「秋彼岸(あきひがん)青き煙を昇らせる」奈良・正倉院展はまだですが、奈良は秋と春がことのほか美しい古都です。東大寺戒壇院から正倉院を通り二月堂に至る道は、私の子供時代の遊び場でした。自然に感性が育ったのかも知れません。正倉院のペルシャで作られた厚い硝子の器にシルクロードの葡萄が盛られているのを思い浮かべます。「正倉院の玻璃(はり)の器に夢を盛る」そして、9月下旬の長崎県波佐見町の鬼木(おにぎ)棚田を見上げ見下ろし、棚田の柔らかな緑・山並みの濃緑・空の青のコントラストが目に焼き付いてきます。「天鵞絨(ビロード)の階段続く稲穂かな」「杖を突く人見ゆ棚田の稲穂垂れ」日本中高齢化が進みますが、棚田を作った人々の営みをいつまでも守りたいものです。

逕サ蜒・506654262218

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