新上五島町北魚目の文化的景観と教会群~キリシタン文化の原点が刻まれた地形

2月21日、新上五島町にご案内いただいて、国選定重要文化的景観「北魚目の文化的景観」と江袋教会を視察しました。この地域は、馬の背のように細長く伸びた半島のような地形に、既存の漁業を営む集落と、キリシタンとして移住してきて農業を営む山村集落とが併存しており、独特の景観を形成していますが、同町世界遺産推進室高橋弘一主査のご説明では、「200年ほど前、北魚目に移住した農民は山間部に集落を形成し、集落に教会堂を形成するようになった。一方、元々海辺の集落に住んでいた漁民は仏教を守っていた。」そうです。山村集落での生業は、さつまいもを中心とする農業で、今も「かんころもち」が保存食として作られています。北魚目は、私が初めて訪問した時から感じていたのですが、現代の秘境の様な地勢で、現在も12集落で住民が生活を営んでいます。山の中腹で古い家を守る90歳以上の高齢者の方々はいつまで居住できるのだろうかと思いました。「離島探索の極致」とでも言える、上五島の美しい地形と独特の集落形成と信仰の象徴としての教会群は、日本だけでなく世界から関心を集めています。(画像は、上五島北魚目・江袋集落の全景。海に迫る急峻な山の中腹に教会堂が建築された。)

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