地方都市に住む魅力とは(その2)~全国一豊かな食文化・素材の素晴らしさ

9月1日夕方、長崎市浜の町にある最近改装した吉宗(よっそう)に行きました。長崎県には七不思議(「寺もないのに大徳寺」など)がありますが、現代七不思議の一つに挙げていいと思うのが、「吉宗の茶碗蒸しは何故大きいのか」です。昨晩は吉宗の定番ともいえる「丼に入った茶碗蒸しと同じ大きさの丼に入った蒸し寿司」を食べましたが、普通茶碗蒸しは蓋つきの小さな器に入って出てきますが、「丼一杯のプリン」みたいな茶碗蒸しなのです。おそらく、江戸末期慶応2年(1866年)の創業以来、長崎では庶民的な味として、かつ「もてなしの街」として、「大きい」方が客人にとってインパクトがあるからだったのだと思います。長崎には「大きい」ことを良しとする文化があります。私が関わって推進してきた「鯨文化」もその一つで、鯨の力強さ・大きさをたたえて、正月や棟上げ等のめでたい祝い事に鯨を出すのが通例です。長崎はちゃんぽん・皿うどんの街と思っている人が全国には多いのですが、全く違っていて、全国一の食の街だと思います(大阪に次いで2番目かもしれませんが)。茶碗蒸しをまだ召し上がっていない方は召し上がってみてください。水産品・加工品の種類も魚種ごとの「かんぼこ」(蒲鉾のこと)があるなど豊富で、鱧(はも)の湯引きなども京都料理と思っている人が多いのですが、長崎の戸石・茂木や橘湾の鱧が京都に出荷されており、地元でも鱧料理が食べられます(京都の料亭で食べる価格の数分の一だと思います(笑))。地方都市に住む魅力の一つに、最高級の食材・料理が身近なことが挙げられます。人間一生に食べる回数は限られていますから、自然の食を楽しむことが人生を豊かにすると思います。(画像は吉宗の中庭。屋敷の中の中庭は、昔の「庭見せ」の影響かと思います。)

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