南島原ひまわり観光協会10周年記念パネルデイスカッション「世界文化遺産を活かした街づくり」

2018.6.25/16:30から、一般社団法人南島原ひまわり観光協会設立10周年記念事業「世界文化遺産を活かした街づくり」に、ファシリテータとしてお招きいただきました。6/29-7/1に予定されているユネスコの審査委員会を前に、「原城跡」を構成資産として有する南島原市は、大いに期待が高まっており、パネリスト・会場一体となって、熱いデイスカッションが繰り広げられました。

原城跡は、遠くから見ると、天守閣があるわけではなく、ただの丘に見えますが、1637年島原の乱というキリシタンを中心とした農民一揆と幕府軍の勝利を機に、220年以上にわたるキリシタン潜伏の歴史が始まることになります。立てこもった3万人以上の農民が、原城で亡くなり、しかも、幕府は、城の痕跡をできるだけ残さないように、石垣を破壊しました。その後、幕府は小豆島等からこの地への移住政策を進め、入植させるという特異な歴史をたどることになります。原城跡の発掘が行われ、破壊された石垣や階段、おびただしい人骨とともに、十字架・ロザリオ等が出土しています。この発掘の様子を、「有馬キリシタン遺産記念館」のレプリカで見ることができます。

パネルデイスカッションでは、各パネリストのお立場から、ガイド・民泊・食・交通・天草との連携ツアー等の点が議論されました。協会では、南島原観光の「10年後のあるべき姿」として、「無い物ねだりではなく、あるもの磨きで観光地づくりを目指す」という観光戦略が策定されています。私の総括は以下の通りでした。協会・パネリスト・会場の皆さん、大変御苦労さまでした(画像は、原城跡から海を望む。)。

○総括

1.世界遺産は郷土が誇る「世界の遺産」:世界への情報発信力を高める。

2.世界からの観光客誘致受け入れ体制:

(1)広域的な観光ルート化:長崎・南島原(島原半島)・天草の連携

(2)ガイダンス機能の充実:「有馬キリシタン遺産記念館」を中心としたガイダンス機能

(3)民泊受け入れ能力の向上:農林漁業体験民泊~修学旅行生・インバウンド両面戦略

(4)観光と物産の融合:観光と農水産品の「リピーターづくり」~「ふるさと宅急便」

3.地域を挙げた観光・物産推進機構=DMO:「観光地経営」や「地域経営」ができる組織

4.次世代への継承:保存と活用を一体として行う。そのための次世代への継承。

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