再度五島市奥浦地区に伺い一泊しました~慈恵院は現代の少子化対策の原型

8月28日早朝の九州商船ジェットフォイルで五島市奥浦地区を訪問し、国土交通省の「小さな拠点づくり」以降の地域活動を視察しました。私が訪問したのは、この地区の方々の地域づくりに対する意識の高さと実績に敬意を表しているからです。最初に半泊(はんどまり)の濱口夫妻から、五島市景観計画・世界遺産海上ツアー・大学高校との連携計画を2時間位伺い、午後は五島市役所磯沖出張所長から、「おくうら夢の街作り協議会」の活動内容を2時間じっくり伺いました。地域は現状だけを見ても分からず、100年位の歴史を見ると、将来の可能性が見えてきます。堂崎教会の脇の小さな森の中に堂崎民俗資料館がひっそりと佇んでいますが、ここで神学生に対する教育が行われていました。また、少し離れた場所に「慈恵院」跡がありますが、当時「間引き」を回避するために、シスター達が子供を預かって育てたという歴史があります。また、その費用を捻出するために、精米所を経営し、自立できる施設・地域を目指したようです。地域の未来は、地域資源を如何に活用するかで決まりますが、活用できるかどうかは、歴史に根付いた住民の意思と人材によります。来年、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」が世界遺産に登録されたら、構成資産ではありませんが、堂崎天主堂にも多くの観光客が訪れるでしょう。しかし、教会建築の素晴らしさを見る以上に、その背後の人々の営みを理解し、社会システムとして、生まれてから亡くなるまでの地域の人々の生活を支える仕組を作り上げてきたことに思いを致すことも重要ではないでしょうか。少子化・人口減少対策の知恵はそこにも眠っています。(画像は、五島市堂崎教会。2015.8.28撮影。小雨が振っていた。)

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