世界遺産推薦特別展「明治日本の産業革命遺産と長崎」を見に行きました~改めて長崎が日本の近代化に果たした功績の大きさに感服

6月1日長崎は長崎くんちの「小屋入り」の日。午後、長崎歴史文化博物館に「明治日本の産業革命遺産と長崎」展を見に行きました。長崎近代化遺産研究会理事でもある私としては、三菱の炭坑経営・造船の歴史を契約書等資料でたどることができる展示内容となっているのと、高島炭坑・端島炭坑の実態が採炭記録や報告書で裏付けられ、記録映画で見ることができたので、十分満足できる内容だったと思います。併せて行われたシンポジウムも拝見して、姫野順一先生(長崎大学名誉教授)の長崎製鉄所の古写真(模写図)の三つの煙突が、鋳物工場・鍛冶工場・轆轤工場のそれぞれの煙突だったとの説明を頂き、当時の製鉄の行程と、今までおぼろげだった製鉄から造船への展開が資料の裏付けを持って良く分かりました。(但し、日本の製鉄の中心は、長崎ではなく、国営八幡製鉄所に移っていきます。)世界遺産候補「明治日本の産業革命遺産ー九州・山口と関連地域」28構成資産の中で、長崎は8構成資産を占めますが、試験的な試みではなく、経営体として炭坑・製鉄・造船経営を行った唯一の地域であった(すなわち、民間企業として経営力があった)ことに、長崎の価値があると感じました。近代化遺産については、まだまだ研究されていない部分があまりにも多く、「近代経営史」的な観点から光を当てることが必要だと思いました。(画像は、シンポジウム風景。右から、姫野先生、長崎総合科学大学教授ブライアン・バークガフニ先生、三菱重工業㈱長崎造船所史料館長・横川清氏、長崎歴史文化博物館岡本健一郎研究員。)

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