世界遺産・地域の財産を次世代に伝える技術ー湯前町「山北幸物語」を読んで~漫画か動画か?

3月31日発行の、熊本県湯前町の下村婦人会市房漬加工組合「山北幸物語ー繋ぐ」(画像)をじっくり読んで、「先人の足跡を次世代にいかに伝えるか」を考えさせられました。これは、3月1日湯前町で講演させていただいた際に、鶴田正巳町長からいただいたもので、全国の「地産地消」・「加工品開発」の先駆けとも言える、山北幸(やまきたさち)さん(1913-2013)の生涯を描いた漫画です。「市房漬」を商標登録して、昭和23創刊の「暮らしの手帖」(今では年配の方しかご存じないでしょうが、僕の家には送られてきていました。)に昭和46年、下村婦人会の特集が組まれたのを契機として、鶴屋百貨店で商品販売が開始され、昭和58年皇太子・美智子妃が商品をお買い上げになったストーリーが漫画で描かれています。私が最も関心を抱いたのは、「暮らしの手帖」の編集長から「歯の弱い年配者でも食べられるようにしたら」と言われ、捨てていた漬物の端を切り刻んで「きりしぐれ」という商品を創ったことです。僕が全国の物産開発をお手伝いする際も、消費者・バイヤーの目を通すことが必須と考えています。「放置すれば忘れ去られてしまう先人の貴重な体験」を次世代に伝えるには、「ストーリー」と「手段」が必要だと考えてきました。僕が大学や講演会やテレビで話すような「講話」もいいですが、漫画や動画も優れたツールだと思います。この漫画を若い研究員に読んでもらったところ「昭和な香りがする」と言われましたが、時代背景も重要です。長崎・佐世保には、世界遺産・日本遺産・被爆遺産(平和の継承)があり、これを次世代に伝えることが現代に生きる者の使命と考えています。佐々木圭一氏ではありませんが、人生は「伝えることが9割」です(笑)。

画像2016041207250000

カテゴリー: エンターテイメント, 人生, 医療福祉, 教育, 街作り, 長崎,   パーマリンク

コメントは受け付けていません。