ジャック・マー氏(アリババ集団)の思い出~「人間は失敗からしか学べない」

9月5日、中国の電子商取引最大手、アリババ集団は、9月にもアメリカ市場での新規株式公開(IPO)で、最大242億ドル(約2.5兆円)を調達する方針を明らかにしました。今となっては難しいことですが、2004年に私が中国杭州で訪問したアリババドットコムのジャック・マー氏(会長兼CEO)を長崎にお呼びし、長崎大学経済学部で講演していただいたのを覚えています。講演の前日、紅葉亭で長崎港の夜景を見ながら、卓袱(しっぽく)料理を楽しみましたが、極めて痩身のマー氏はほんのわずか箸を付けただけで、あまり召し上がりませんでした。講演については、拙著「こうすれば地域再生できる」164㌻に次のように書いています(初出は長崎新聞「うずしお」欄)。「企業経営者に求められるものは、先見性・度量・実行力・スピードであり、役員の9割が反対しても決断するというほどの独自の判断力です。また、国についても、日本は高齢者が意思決定をするから既存の制度を打破できず、新しい価値を創造できない、日本の将来は渋谷の若者たちであるというのです。中国と日本を対比すると、重視するものが、戦略と戦術、結果とプロセスと、まったく異なっているとも言われました。(中略)マー氏が言うように、人間は失敗からしか学べないのですから、最初はリスクを小さくしても、早く着手して」失敗し尽くすのがいいとも言われました。この「人間は失敗からしか学べない」という言葉は、その後、様々な成長企業の経営者とお会いする際にも、感じたことです。あのときにマー氏の講演を聞いた長崎大学の学生は、各企業で既に中堅になっています。

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