NHKニュースでイスラム教徒ツアーが取り上げられていました~アジアの時代への対応

7月4日朝のNHKニュースで、イスラム教徒ツアーを催行する小さな旅行会社の苦労が紹介されていました。この話はシンクながさきも他人事ではなく、最近も長崎市からの依頼で「ハラル市場」の研究をしてきました。過去十年間は、中国・韓国を中心に観光・物産政策の基礎調査のために、市場調査を重ねてきましたが、次のターゲットの一つはマレーシア・インドネシアを含むイスラム教国です。ニュースの中で、イスラム教徒ツアーでは豚肉を食べない戒律のため、京都の老舗料亭「美濃吉」が豚肉を使わないよう協力していました。また、薄口醤油にはアルコールが使われているので、これも料理に使えません。一方、京都の料理は薄味なので、天ぷらを別途旅行会社が準備したチリソースで食べていました。一日三回以上行う礼拝もツアーで配慮しなければいけなくて、旅館でも聖地メッカの方向を各部屋に矢印で示していることが印象的でした。また、奈良の大仏は偶像崇拝を禁じたイスラムの教えに反するので、訪問できないなどの苦労が紹介されていました。このように手間がかかるため、マレーシアからの関西ツアーは通常の旅行費用の二倍の10万円で売り出されています。それでも予約が500人を超えていると言いますから、ニーズが大きいことがわかります。観光立国やグローバル化を進める場合、世界人口の多いイスラム教国も重要な市場です。長崎が海外観光客を受け入れたり、国際コンベンションを開催する場合、このような工夫が必要になることを覚悟しておく必要があると思いました。「ピンチや困ったこと」「一見難しいこと」は常にチャンスです。

 

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