外国人観光に関する発想転換を

12月30日、国際観光戦略研究所の木村代表と新橋の第一ホテルで話していた際、ロビーを行き来するお客さんが中国語・タイ語などを話し、ほとんどがアジア諸国からの観光客でした。秋葉原や銀座や福岡だけでなく、東日本大震災で一時激減した外国人観光客は急速に戻って来ています。ただ、円高が進行しているので、今増加しているのは、国民所得が増加し、中間層が勃興している諸国の観光客が多いと感じられます。木村氏とは、日本が外国人誘致戦略を実行に移すのが遅く、世界の流れに取り残されてきた状態から早く政策転換を図るべきだとの話で盛り上がりました。本日1月10日の日本経済新聞には、「外国人客にカード優待」という記事が出ていて(三越伊勢丹5%引きなど)、民間企業がまず外国人取り込みに注力しているのが良くわかります。地方でも今後外国人観光客が急増する可能性が大きく、民間企業も迅速に準備を進めることが必要になります。加えて、外国人はコンベンションやショッピングやエンターテインメントへのニーズが大きいので、地域を挙げた取り組みこそが求められます。今回、私が日本ホスピタリテイマネジメント学会から学会特別賞をいただいた論文が「長崎における国際観光客の観光行動とホスピタリテイを高める地域政策」でしたが、外国人の嗜好・行動分析も求められます。昨年12月27日に出版された、菅下清廣氏の「世界のお金持ちはどこへ投資しているのか?」の一節は、民間の立場から興味深い点を衝いています。「おそらく、観光で飯を食うのは二流国だという発想があったのでしょう。ところが、今では観光に力を入れるのが一流国の条件のようになっています。」(153ページ)震災後、経常赤字に陥った日本経済を浮揚させるためにも、外国人観光客誘致は喫緊の課題なのです。

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