唐招提寺の魅力~奈良盆地に溶け込むオアシス

10月19日午後、薬師寺に参拝した後、その北に佇む唐招提寺を訪れました。僕が21歳の時訪問して以来、37年ぶりの参拝です。当時は、どこか裏さびれた感じのある落ち着いたお寺でしたが、綺麗に整備されて美しさを増していました。薬師寺も唐招提寺も、それぞれ西塔・東塔や金堂の大修理を行うために、写経による寄附集めなど、財政的に苦しかった時代がありましたが、世界遺産に登録され、参拝者も増えて保存・整備が進んだのではないかと思います。東大寺や興福寺のような超大規模な伽藍ではなく、ヒューマンサイズの伽藍の中に国宝の9体の尊像を有する金堂などが配置されていて、しかも苔に覆われた庭園を有するなど、奈良の古寺の中では緑に囲まれた珍しい寺院です。ただ周りは水田の中に水路を配した大和造りの屋敷が立ち並ぶ奈良盆地の風景です。外国人観光客も多いのですが、気になったのは、苔むした庭園に平気で踏み込み、写真を撮っているアジア系外国人団体客を目撃したことです。立ち入り禁止の札を立てると折角の景観が損なわれてしまうので、札は立っていませんが、日本人の美的感覚と外国人は異なるので、苔の庭に踏み入って苔が剥がれても何も感じないのかも知れません。少し残念な気がしました。(画像は庭園の一部。)

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