2012年は量から質への転換の年~バフェット型企業経営を

成熟社会は「量から質への転換」を図るべき社会です。グローバル経済を見れば、量は新興国にシフトし、先進国は質を求める、国際分業が行われることが経済原理です。日本国内を見れば、大都市は人口増加が見込め、量を求める経済が成り立ちますが、地方は量(人口・GRP=Gross Regional Product=地域総生産)は見込めず、質としての「一人当たり県民所得」を高める政策が有効であることを提唱してきました。いわば、幸か不幸か、地方は成熟国のお手本です。ただ、先進国と地方が大きく異なるのは企業集積の存在です。企業は効率性を求めて行動するので、市場と人材がある大都市に集中します。大都市とは言っても日本は成長が限られているので、企業が量を求めるには新興国に自らの身を置かなければなりません。国内の企業は量から質への転換を図ることが必要であり、そのためには、粗利益率を確保できる事業に傾斜しなければなりません。粗利益率を確保するためには、①特許・ブランドに裏打ちされた独自性のある技術・サービス、②地域や特定の小さな市場での独占・寡占が確立されること(例えば、病院・福祉施設など)が必要です。また、資金面も、成長率が小さく収益性の高い企業ですから、資金需要が小さく、レバレッジも小さくすることが求められます。このように考えていくと、質の高い企業=売上高営業利益率の高い企業=自己資本比率の高い企業=ROE(Return on Equity)自己資本利益率の高い企業ということになります。これらを満たす企業は、ウオーレン・バフェット氏が注目する企業群で、彼は、成熟国における質の高い強い企業の在り方を示唆していると言えます。日本企業もこのような変革を遂げることが必要になると思います。

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