西日本新聞社モニター会議(最終)出席報告~新聞の役割の重要性を社会が再認識することが必要

3月8日午後、福岡・天神の西日本新聞社本社で、第28期モニター会議が開催され、出席しました。現状、同紙の読者層の大半を60歳台・70歳台が占めている事実から、いずれ読者層が減少することが予想されるので、どうやって若者層を取り込むかという問題提起が委員から出されました。これは、同紙に限らず、全国紙・地方紙等新聞に共通した課題ではないかと思います。実際、現役世代の男性や、増えている働く女性にとって、新聞を読む時間は極めて少なく、引退世代・専業主婦によって読まれるようになっていることは否定できません。これは、将来の読者層をどう確保するかという点で新聞社としての経営課題でもありますが、民主主義社会にとって「新聞は社会の公器(こうき)」という社会的側面をどう評価するべきかという視点も欠かせません。新聞はテレビ・ラジオと異なり、速報性は劣りますが、表面ではなくじっくり考えながら読むことや、深く知り、自分で判断するためには重要な媒体です。また、「社説」のように、社会に対して直接主張することも新聞に適した役割です。私は、毎日アメリカのWall Street JournalやNew York Timesの主だった記事には一通り目を通しますが、署名入りコラムや社説でジャーナリストの鋭い主張には「はっ」とさせられることが多いです。イギリスのThe EconomistやFinancial Timesにも同様の使命感と知性を感じます。また、「正しい日本語を伝える」という側面も新聞の重要な役割です。私は小学生のころ、朝日新聞の「天声人語」を書き写して短いながらも凝縮した日本語の美しさを感じていました。洋の東西を問わず、民族は言語によって支えられており、日本民族にとって、正しい日本語を日常生活で使うことが発展に欠かせず、新聞はこの点からも大きな役割を担っていると思います。このような点から、「新聞社は、一方通行的な情報の提供にとどまらず、若者・女性・子供など、これからの社会を担う各層に出向き、これらの重要性を感じてもらう努力をされることに期待したい」という提案を会議の最後に発言させていただきました。

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