経営者の本が必要となるとき~私が成長企業の経営者に勧めている経営者本

6月12日のモーニングサテライト(東京12チャンネル)で、中国で日本の経営者(松下幸之助氏、稲森和夫氏、柳井正氏など)の本が売れており、稲盛和夫氏(京セラ、JAL)の書かれた本が100万部を突破したことが取り上げられていました。稲盛氏は、重慶で行われた経営者の大会で講演し、テレビ局からの取材で「中国が先に豊かになれる者から豊かになるという改革開放が格差を生み、曲がり角に来ており、その打開に参考になるのでは」という意味のコメントをされていました。私の経験を振り返ると、経営者が壁にぶつかったり、従業員やお客様とさらに成長しようとするとき、「生き方、考え方」が成否を大きく左右します。そのような場合、他の成功した経営者の苦悩・失敗と栄光・成功の道筋が大変役立つと思います。私は若い時から生前の松下幸之助氏、レオ・メラメド氏(CME=シカゴマーカンタイル取引所=会長)を始め多くの優れた経営者から直接多大の影響を受けてきました。いつも忙しい経営者に会うことはできませんが、経営者本も書かれた生き様を学習するという点で、大変役に立ちます。自分が経営者でない場合でも、経営者の参謀役として経営者の行動を理解し、ともに方針を考える必要がある人も常に優れた経営者に会い、経営者本を読んでおくことが必要です。「人間の本質」を理解することなく、企業・組織を経営することはできないからです。私は週に2冊程度は本を読みますが、繰り返し読み返している本に、本年4月に出版された経営者本「成功は一日で捨て去れ」(柳井正氏著、新潮文庫)があります。常に成長を続けるファーストリテイリング(ユニクロ)の経営者として経験した様々な苦悩・失敗(マーケテイング、役員の人選、企業買収など)が克明に書かれていて、失敗した際にどうしたか、が全国の経営者にアドバイスしている私には最も参考になります。特に成長企業の経営に携わる方々にはお勧めしており、毎年の新年の抱負が収録されているほか、Fast Retailing Way(企業理念)のStatement「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」(佐藤可士和氏と作成した)をどう実現してきたかに注目してほしいと思います。

 

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