感動的な森院長の講演「地域になくてはならない病院」

12月20日夜、財団法人ながさき地域政策研究所主催で長崎県美術館ホールで国立病院機構長崎病院の森俊介院長の講演会を「地域になくてはならない病院」と題して開催いたしました。医療が住み続けることができるかどうかを決めるので、会場がほぼ満員になるくらいの盛況でした。病院経営は「長崎になくてはならない病院」を作ることだという信念で、琴海病院・国立病院機構長崎病院を経営してこられ、患者に寄り添いの医療・障害者医療・看取りの医療・医療と福祉の橋渡し・医療と地域の橋渡しを実践してこられた結果が、大赤字病院の黒字化と患者のための新たな試みへの投資へとつながったのです。最後の部分で、長崎医療圏の中心部は人口が減少し、高齢化しているにも関わらず、医療資源(ベッド数)は減少しておらず、自由開業制度の中で、競争原理に従えば、今後5年以内にいくつかの病院は経営破たんする可能性がある。病院が破たんすると医療従事者(おもに医師)が長崎を去る可能性がある。医師数が減ると、さらに医療供給体制が破たんし、地域医療そのものが崩壊する危険性がある。結論としては、①医療資源の集約化と機能分化が必要(ベッド数の削減と病院機能の明確化)、②長崎医療圏の医療従事者の雇用は保障することが必要、③公的病院は、自らの機能を明確にし、民間の病院の経営についても配慮することが必要、などが説明されました。私は公立病院の経営に関する委員(長崎市民病院・北松中央病院・松浦市立病院等)に就任させていただき、いつも長崎地域に医師を確保することが医療を守ることであり、そのために専門性の高い病院をいくつか作り、連携病院・開業医と協力することが必要だと申し上げてきました。今回の講演は病院経営や地域医療の本質の議論であり、県民の方々と地域医療を考えることができたという点で極めて有意義であったと思います。

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