アメリカン航空の破産法適用申請

12月29日朝、アメリカン航空が破産法適用を申請したというニュースが流れました。私にとっては当たり前のことで、人件費・燃料費等の「高コスト体質」を是正するための当然の措置であると思います。今から30年余り前、私が25歳でアメリカに留学したころから、アメリカの規制緩和が航空・トラック輸送・金融(銀行・証券)など幅広い業界で行われ、多くの企業が淘汰されてきました。航空業界は映画「ウオール街」でチャーリー・シーンが「ブルースター航空」の組合との交渉成立をインサイダー情報として投資家に株式を勧める場面がありますが(これは違法なインサイダー取引です)、それほど組合対策が航空会社の経営にとって鍵を握っています。日本では航空業界の規制緩和がさほど進んでいませんが、海外では英米を中心に進められてきました。規制緩和の対象となる業界には共通点があり、付加価値の低いcommodityを提供している業界です。航空業界でもサウスウエスト航空のように、顧客サービスを徹底的に追及した企業もあるので、経営戦略によって規制緩和下においてこそ、経営の巧拙が現れます。アメリカン航空についてもう一つ思い出があるのは、アメリカン航空が「マイレージサービス」の創始者だということです。当時、東部エスタブリッシュメントでハーバードビジネススクール出身の友人が、コンサルタントとしてアメリカン航空に初めてマイレージサービスを導入し、高く評価されていて、私も驚いていました。彼の顔でアメリカン航空のファーストクラスに乗せてもらったのも懐かしい思い出です。

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