「スピーチ」に「共感を呼ぶストーリー」が求められる時代~「バイ・マイ・アベノミクス」

1月18日夕刻、東京から長崎に移動する飛行機の中で暗くなる地平線を見る暇もなく一気に読み上げたのが、蔭山洋介氏の「スピーチライター~言葉で世界を変える仕事」でした。私は現在、年間に30回程度のスピーチ、100回程度の講演、20回程度のパネルデイスカッションのコーデイネートを行っていますが、100㌫満足したことは一度もありません。どちらかと言うと、口下手なので、原稿かメモが必要で、スピーチの場合も、毎回メモを片手に行っています。テレビ出演の時は、意外にリハーサルなしでもすらすら話せるのですが、聞いてくださる方が目の前にいる場合が、緊張するせいか、うまく話せないのです。原稿・メモを用意するのは、スピーチが多くの方に語りかけるまたとない貴重な機会と思うからですが、著者の蔭山氏が言うような「共感を呼ぶストーリー」が必要だとつくづく思います。30歳の頃、旧三井銀行(現三井住友銀行)調査部・企画部門で会長・社長・副社長(他の都市銀行では頭取と呼ぶことが多い)の年二回の支店長会のスピーチ原稿を五年間書いていたことを思い出しました。当時は「スピーチライター」のような良い原稿はなかなか書けず、経営者と何度も加筆修正のやり取りをして、支店長会前日になってやっと「経営の方向を示す、意味のある原稿」が出来上がります。今にして思えば、60歳近い日本の財界を左右する大経営者の発言原稿など、30歳の若造に書ける訳がないのですが、この経験は、「経営者の気持ちになって考える」という点で、その後様々な局面で役立ちました。安倍総理のニューヨーク証券取引所での発言「バイ・マイ・アベノミクス」(谷口智彦氏)のように、スピーチを基本に立ち返って考えたい方にはお勧めの本だと思いました。(画像は、KTNテレビ長崎で収録を終えて楽屋でたまたま会った「きよちゃんぽん」さんと。プロのレベルは高い。2014.7.31撮影。)

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